「開かれた」とは?意味や例文や読み方や由来について解説!

「開かれた」の読み方

「開かれた」は「ひらかれた」と読みます。

この読み方は「開かれた」という言葉が持つ、たった一つの正しい読み方です。

「開」という漢字だけを見て、うっかり「あけられた」と読んでしまう人も少なくありませんが、これは日常生活でよく使う「開ける」という言葉につられてしまうためだと考えられます。

ですが「開かれた」を「あけられた」と読むのは誤りで、「あけられた」と読みたい場合は「開けられた」と表記するのが正解です。

送り仮名がたった一文字違うだけで、読み方だけでなく文が伝えたい意味の焦点まで変わってくるので、書くときにも注意が必要です。

「開かれた」はあくまで「ひらく」の変化形であり、「あける」の変化形ではないと覚えておくと、読むときも書くときも混同しにくくなります。

「開」には「カイ」という音読みもあり、「公開」「開始」などの熟語で使われますが、「開かれた」という活用形では音読みは一切使われず、訓読みの「ひらく」のみが使われます。

同じ漢字でも、単独の熟語と「〜れた」という活用形とでは、読み方の候補が変わることを意識しておくと安心です。

「開かれた展覧会」「開かれた委員会」のような表現を目にしても、読み方は変わらず「ひらかれた」ひとつだけなので、ニュースや文章、あるいは声に出して読む場面でも、迷わず「ひらかれた」と読んで大丈夫です。

スピーチ原稿や朗読の場面でも、この読み方さえ押さえておけば安心です。

「開かれた」の意味とは

「開かれた」は、動詞「開く」の受身形である「開かれる」を連体形にした言葉で、基本の意味は「何らかの力によって開かれた状態になった」ということです。

「開く」はもともと自動詞・他動詞の両方で使える動詞なので、受け身の形にすることで「何かの力を受けて開いた」という点がはっきりします。

「開かれた」の核心は、閉じていたものが誰か・何かの働きかけによって開いた状態にされた、という受け身のニュアンスにあります。

たとえば「開かれた窓」といえば、ひとりでに開いたのではなく、誰かが窓を開けた結果を表しています。

ここが「開かれた」という言葉を理解するうえで意外と見落とされがちなポイントで、単に「開いている」状態だけを指すのではなく、その裏に「開かせた主体」が存在していることを暗示しているのです。

「開いている」とだけ言うとなぜそうなったのかまでは伝わりませんが、「開かれた」と言えば、そこに何らかの意思や力が働いたことまで伝わります。

この受け身の性質があるからこそ、「開かれた社会」のような比喩表現にも独特の深みが生まれます。

「開かれた」は単なる状態の説明ではなく、その状態に至った背景まで感じさせる言葉なのです。

普段は何気なく使っている言葉ですが、「単に開いている」という意味だけで捉えてしまうと、この言葉ならではのニュアンスを取りこぼしてしまうので注意が必要です。

意味を正しく捉えられると、文章の行間にある書き手の意図まで読み取れるようになります。

「開かれた」の意味は「開いている」と「開催された」の2種類

「開かれた」には、一見同じ形に見えても、大きく分けて2つの異なる意味があります。

ひとつは「物理的・比喩的に開いている状態」を表す使い方で、「開かれたドア」や「開かれた社会」のように、何かが開いている、あるいは開放的であることを表します。

もうひとつは「会議やイベントなどが開催された」ことを表す使い方で、この2つの意味を持つのが「開かれた」という言葉の大きな特徴です。

「開かれた国際会議」「開かれたオリンピック」などが、この使い方の代表例にあたります。

同じ「開かれた」という形でも、指している中身が「状態」なのか「出来事」なのかによってニュアンスはまったく異なるため、この2つの意味は単語だけでなく前後の文脈全体から判断するしかありません。

見分けるポイントを知らずに読むと、たとえば「開かれた学会」のような表現に出会ったとき、状態と開催のどちらを指しているのか一瞬迷ってしまうこともあるので注意が必要です。

「開かれた窓から風が入る」であれば状態を表す用法ですし、「開かれた総会で決議された」であれば開催を表す用法です。

文中に登場する名詞が「場所や心の状態」なのか「会議・大会などの催し」なのかを見れば、意味の判断はそれほど難しくありません。

迷ったときは、その名詞を主語にして「〜が開催される」と言い換えられるかどうかを試してみましょう。

自然に言い換えられれば「開催」の意味、言い換えられなければ「開いている状態」の意味だと判断できます。

「開かれた」の由来・成り立ち

「開かれた」は、動詞「開く」に受身の助動詞「れる」が付いた「開かれる」に、過去・完了の助動詞「た」が続いた形で、文法的に分解すると「開く+れる+た」というシンプルな組み合わせでできています。

動詞に受身と過去の助動詞を重ねる作り方そのものは、日本語のほかの言葉にも共通する、ごく一般的な成り立ちです。

もともとは単なる受け身の表現でしたが、そこから「閉鎖的でなく開放的である」という比喩的な意味へと広がっていったと言われています。

「窓が開かれた」という目に見える物理的な描写が、「心が開かれた」「社会が開かれた」というように、目には見えない心理的・社会的な対象にも徐々に転用されるようになったのです。

こうした比喩的な広がりは、明治期以降の書き言葉や欧米思想の翻訳文体の中で徐々に定着してきたと考えられていて、特に「開かれた社会」「開かれた政治」といった表現は、それまでの閉鎖的なあり方への対比として好んで使われてきました。

やや硬い響きを持つのは、こうした文語的・論説的な文脈で育まれてきた表現だからでしょう。

「開かれた」という言葉が持つ硬めで前向きな印象は、この由来をたどることで納得しやすくなります。

日常のくだけた会話よりも、文章や演説、式辞などのあらたまった場面で出会うことが多いのも、この由来と無関係ではなく、由来通りの効果をそのまま発揮してくれます。

カジュアルな場面であえて使うと、少し気取った印象を与えることもあるので覚えておくとよいでしょう。

「開かれた」と「開いた」の違い

「開いた」と「開かれた」は、漢字も送り仮名も似ているようで、文法的な性質はまったく異なります。

「開いた」は動詞「開く」の過去形で、主語そのものが変化したことだけを表す言葉です。

「開いた」が主語自身の動きや変化を表すのに対し、「開かれた」は外部からの働きかけによって開かされたことを表す点が、両者の最大の違いです。

たとえば同じ「開く」という動作でも、誰の意思で起きたのかによって選ぶべき言葉が変わってきます。

「花が開いた」であれば、誰かが手を加えたわけではなく、花自身が持つ力でひとりでに咲いたというイメージになります。

この場合わざわざ「花が開かれた」とは言わず、「開いた」を使うのが自然な表現です。

逆に「会議が開かれた」を「会議が開いた」と言い換えると、誰も主催していないのに会議室の扉だけが勝手に開いたような、不自然な印象になってしまいます。

会議は誰かの主催によって成立するものなので、受け身の「開かれた」のほうが実態に合っているのです。

比喩表現で「開いた社会」ではなく「開かれた社会」が定着しているのも、社会が誰かの努力によって開放されてきたというニュアンスを込めたいからだと考えられています。

どちらを使うか迷ったときは、その変化が「ひとりでに起きたのか」「誰かの力によるものなのか」を考えてみると、似た形をした2つの言葉も自然に使い分けられるようになります。

「開かれた」の使い方

「開かれた」は、大きく分けて2つの場面でよく使われる、便利で応用範囲の広い言葉です。

ひとつは、社会や組織、制度などを形容する比喩表現としての使い方で、「開かれた大学」「開かれた行政」「開かれた学校」のように、閉鎖的でなく風通しがよいことを伝えたいときに使われます。

もうひとつは、会議や大会、式典、展覧会などの開催を報じる表現としての使い方で、ニュースや公的な文書、議事録などで特によく見かけます。

「本日、定例会が開かれました」「開かれた表彰式には多くの関係者が出席しました」のように、報告文や記事の中で使われるのが典型的です。

どちらの使い方にも共通するのは、ややかしこまった、フォーマルな響きを持つという点です。

友人同士の気軽な会話で使われることはほとんどなく、演説や報道、公式なあいさつ、ビジネス文書などの場面でよく登場します。

「開かれた」を使うだけで文章の印象が引き締まり、公的で誠実な雰囲気を演出できるのも、この言葉ならではの大きな特徴です。

スピーチや挨拶文、祝辞の締めくくりなどに使うと、前向きで開放的な印象を相手に与えることもできます。

SNSやカジュアルなブログなど、普段のくだけた文章に使うと、かえって硬く浮いた印象を与えることもあるので、場面に応じて「開いている」「開催された」など、よりやわらかい言葉と使い分けるとよいでしょう。こうした線引きを意識するだけで、TPOに合わせた自然な文章が書けるようになります。

「開かれた」がよく使われる言い回し

「開かれた」には、文章や会話の中でよく使われる、決まった形の言い回しがいくつかあります。

比喩的な意味では「開かれた社会」「開かれた心」「開かれた行政」といった表現が代表的で、どれも良いニュアンスで使われます。

特にニュースや評論記事で目にする機会が多い表現です。

これらは閉鎖的でなく、誰に対しても公平で風通しがよいという、好意的な評価を伝える言い回しです。

例えば「開かれた心を持つ人」と言えば、偏見にとらわれず他人の意見を柔軟に受け止められる人を指します。

ただし日常のくだけた会話では使われず、スピーチや文章など、ややあらたまった場面で使われる言葉です。

催し物の意味では「〇〇で開かれた△△」のように、開催地と催事名を組み合わせた型がよく使われ、「京都で開かれた展示会」のようにニュース記事や報告文で頻繁に登場します。

また、同じ型は「〇〇市で開かれた成人式」のような、身近な地域行事を伝える記事でもよく見られる形です。

さらに「より開かれた行政へ」のように、理想の姿を語るスローガンとしても好んで使われる言い回しです。

行政や企業が自らの姿勢を示すときによく使われ、堅い響きを持つ、ややフォーマルな表現でもあります。

「開かれた」の類義語・言い換え表現

「開かれた」は、どちらの意味で使われているかによって、言い換えられる言葉が変わります。

比喩的な「開いている」という意味であれば、「オープンな」「開放的な」への言い換えが自然です。

例えば「開かれた雰囲気の職場」という表現は、「オープンな雰囲気の職場」と言い換えても、ほぼ同じ意味合いで自然に伝わります。

「開放的な」も同様に使え、堅い印象を和らげたいときに選ばれる言い換えです。

一方、催し物の意味で使うときは「公開された」「開催された」への言い換えがぴったりです。

「開かれた展覧会」は「公開された展覧会」、「開かれた会議」は「開催された会議」、「開かれた式典」は「挙行された式典」のように表現できます。

ただし2つの意味系統は別物なので、言い換えるときは元の意味を取り違えないよう注意が必要です。

例えば比喩の「開かれた社会」を「開催された社会」と言い換えると、意味が通らない誤用になってしまいます。

言い換え表現を選ぶときは、まず「開かれた」がどちらの意味で使われているかを見極めることが大切です。

そのひと手間を惜しまなければ、読み手に誤解を与えず、文章にあわせて自然な言葉を選べるようになります。

「開かれた」の対義語

「開かれた」には、比喩か催し物かという意味の違いに応じて、いくつかの対義語があります。

比喩的な「開いている」という意味の対義語としては、閉じて外部を寄せつけない様子を表す「閉ざされた」が代表的です。

「開かれた社会」の対義語は「閉ざされた社会」で、他者を排除し、風通しの悪い息苦しいイメージを表します。

同じように「開かれた心」の反対は「閉ざされた心」となり、人の意見を素直に受け入れない、頑なで融通の利かない態度を表します。

一方、実際に人が集まる催し物の意味では「非公開の」「閉じられた」が対義語にあたります。

「開かれた会議」の反対は「非公開の会議」、「開かれた展示会」の反対は、招待客だけが入れる「関係者限定の展示会」のように表現されます。

このように「開かれた」は一つの対義語だけに決まる言葉ではなく、使われている文脈によって適切な対義語を選ぶ必要があります。

どちらの意味で対義語を探しているのか迷ったときは、比喩表現なのか、実際に行われた催し物なのかを先に確認すると選びやすくなります。

対義語を正しく選べると、文章の中で意味の対比がはっきりして、読み手にも伝わりやすく、説得力も増します。

「開かれた」と代表的な対義語をセットで覚えておくと、文章表現の幅もぐっと広がります。

「開かれた」を使った例文

  • 【例文1】開かれた窓から、涼しい風が部屋いっぱいに入ってきた
  • 【例文2】開かれたままのドアの向こうに、廊下の明るい光が見えた
  • 【例文3】先週の日曜日、市民ホールで開かれたコンサートに行ってきた
  • 【例文4】去年の春、大阪で開かれた万博は連日大盛況だった
  • 【例文5】彼はいつも開かれた心で、周りの人の意見に耳を傾ける
  • 【例文6】この会社は、社外からの声にも開かれた姿勢を大切にしている

例文1と2は、物理的に「開いている」という状態を表す使い方です。

窓やドアなど、実際に開いているものを目の前で描写するときに使うと、読み手にも情景がありありと伝わります。

例文3と4のように、コンサートや万博など、開催日と会場が決まっているイベントには「開催された」の意味がぴったり合います。

ニュースや報告文、議事録のように、出来事を記録として残す文章で特によく使われる形です。

例文5と6は比喩表現で、人の心や組織の姿勢が開放的であることを表しており、日常会話よりも少し丁寧な文章でよく使われます。

どの意味か迷ったときは、開いているのが「物」なのか「出来事」なのか「気持ちや態度」なのかを考えると、見分けやすくなります。

「開かれた」のまとめ

まとめ
  • 「開かれた」は「ひらかれた」と読み、これ以外の読み方はしません。
  • 「開いている」という意味と「開催された」という意味の、2つの意味系統があります。
  • 比喩表現では「開かれた社会」「開かれた心」のように、開放的でオープンな様子を表します。
  • 由来をたどると、閉じていたものが開くという動作を表す言葉だと分かります。

ここまで「開かれた」の読み方や意味、由来から使い方までを、全2部にわたって見てきました。

読み方は「ひらかれた」の一択で、他の読み方をする言葉ではありません。

意味は大きく分けて「開いている」という状態と、「開催された」という出来事の2つがあり、この2系統を意識するだけで、言い換えや対義語も迷わずに選べるようになります。

どちらの意味で使われているか分からなくなったら、直前の一文を読み直すと、意味を取り違えずに済みます。

由来を思い出しながら文脈に合わせて使い分ければ、比喩でもイベントの説明でも、自信を持って「開かれた」を使いこなせるようになるはずです。

「開かれた」という一語を正しく理解しておくと、文章を書くときも読むときも、表現の幅も理解の深さもぐっと広がるはずです。