「模索する」という言葉の意味を解説!
「模索する」とは、はっきりした答えや方法がわからない状態で、手探りしながら可能性を探し出そうとする行為を指します。この言葉には「試行錯誤を続ける」「暗中で探る」といったニュアンスが含まれます。目標が定まっていない場合でも、とにかく動きながら糸口を見つけようとする前向きな姿勢を示す点が特徴です。
企業が新事業を立ち上げる際、経営陣は市場を「模索」し、顧客ニーズをつかむまで複数の仮説を検証します。個人であれば、進学や転職を検討するときに自己分析や情報収集を重ねるのも「模索する」行動に当たります。失敗や遠回りを恐れずに動き続ける点が、この言葉の核となるイメージです。
不確実性を受け入れつつ、最適解を見いだすまで挑戦を重ねる―それが「模索する」行為の本質です。先が見えない時代において、模索する姿勢はイノベーションやキャリア形成で欠かせない思考法として再評価されています。
「模索する」の読み方はなんと読む?
「模索する」の読み方は「もさくする」です。「模」は「モ」「ボ」「しるし」と読み、「索」は「サク」「さがす」と読みますが、単語としては音読みの組み合わせが一般的です。日常会話や書面でも漢字表記が多用されるため、読み間違えやすい単語ではないものの、子どもや日本語学習者には平仮名で「もさくする」と示す配慮も有効です。
辞書では「模索」のみで名詞扱いされ、「模索する」で動詞化されます。動詞として使う場合、過去形は「模索した」、可能形は「模索できる」、進行形は「模索している」と活用します。音便変化や発音の揺れはなく、アクセントは「もさく/2拍目上がり」が一般的とされます。
ビジネス文書や学術論文では「模索」単体で使われやすく、動詞化するか名詞として使うかで文脈がわずかに変わる点も覚えておきましょう。
「模索する」という言葉の使い方や例文を解説!
「模索する」は目的語に「道」「方法」「解決策」などを取り、努力を続ける様子を表現します。「模索中」「模索しながら」のように副詞的に使うのも自然です。主体が複数人でも個人でも違和感なく用いられ、硬すぎずくだけすぎない語感が特徴です。
【例文1】新製品の開発チームは、市場ニーズに合ったデザインを模索している。
【例文2】卒業後の進路を模索するうちに、留学という選択肢が浮かんだ。
【例文3】自治体は観光客減少への対応策を模索するため、有識者会議を開いた。
実務現場では「〜を模索する」だけでなく、「模索の末に」「模索の結果」など名詞化した形も頻出します。敬語表現では「模索しております」「模索いたしました」といった形で丁寧語や謙譲語に置き換えます。ポイントは「まだ最終的な結論に到達していない」状態を示唆するため、決断や確定を意味する言葉とは組み合わせないことです。
「模索する」という言葉の成り立ちや由来について解説
漢字の「模」は「かたち」「型」を意味し、「索」は「さぐる」「糸をたぐる」など探索の動作を示します。ふたつの文字が合わさることで「型を探る」「形を求めて手繰る」といったイメージが生まれ、「手探りで探す」という現代の意味につながりました。古典漢籍では「模索」はあまり見られず、日本で独自に熟語として定着した経緯が有力です。
江戸時代後期の学者が中国文献を参照しながら造語したという説もありますが、確実な史料は残っていません。ただし明治期の新聞や雑誌には既に「模索」の用例が散見され、近代化の過程で「未知の技術や制度を探索する」文脈で広まったと考えられます。
「模」には「模造」「模範」のように「手本をまねる」意味合いがあり、「索」は「検索」「探索」の語源でもあります。二字熟語としては比較的歴史が浅いものの、西洋文化の導入で未知の概念に挑戦する日本社会を象徴する言葉として定着したのです。
「模索する」という言葉の歴史
幕末から明治初期にかけて、文明開化のスローガンのもと政府や民間が制度を「模索」した記録が残っています。たとえば1872年に制定された学制は欧米モデルを参考にしながら試行錯誤を重ねた結果として語られ、「学制を模索する」という表現が当時の新聞に登場しました。
大正から昭和戦前期には、政党政治の行方を論じる論説で「外交方針の模索」や「政党制の模索」が頻出します。戦後復興期にはGHQの影響下で民主主義制度を「模索」するという文脈が定番でした。高度経済成長期以降は、経営戦略や技術革新を語るキーワードとして「模索」が定着し、現在もビジネス用語として活発に使われています。
IT革命期には「インターネットビジネスの収益モデルを模索する」といった表現が急増し、VUCA(変動・不確実・複雑・曖昧)な時代を象徴する語となりました。歴史を通して、「模索する」は日本社会が新しい局面に直面するたび、挑戦と不安を内包したキーワードとして繰り返し登場してきたのです。
「模索する」の類語・同義語・言い換え表現
「模索する」と似た意味を持つ語には、「試行する」「探索する」「手探りする」「探求する」「摸索する(同音異字)」などがあります。ビジネス文脈では「ブラッシュアップする」「ピボットする」など横文字で言い換える場合もありますが、ニュアンスや硬さが異なるため使い分けが必要です。
「試行錯誤する」は手段を変えながら挑戦を続ける点で近く、「探索する」は比較的客観的・論理的に情報を探す場面に適します。一方、「探求する」は深く追究する姿勢を示し、学術研究や哲学的な文脈で好まれます。いずれも「まだ結論を得ていない」点は共通しているため、文章のトーンや対象読者に合わせた言い換えが有効です。
公的文書では「調査研究を行う」「検討を重ねる」が無難とされる場合もあります。同義語選択のポイントは、主体の姿勢(積極的・消極的)と方法(直感的・分析的)の違いを意識することです。
「模索する」の対義語・反対語
「模索する」の対義語として真っ先に挙げられるのは「確立する」「決定する」「確定する」です。これらは「すでに安定した答えや方法が存在し、迷いがない状態」を示します。研究テーマが「模索段階」から「確立段階」へ移行すると言えば、実証が完了して定式化されたことを意味します。
また「踏襲する」「遵守する」は、既存の方針やルールをそのまま維持する行為であり、模索とは対極的です。組織運営で保守的姿勢を示すときに用いられます。加えて「盲信する」「信じ切る」といった語も、検証せずに受け入れる点で「試行錯誤する」という模索の精神と対立します。
対義語を知ることで、文章にコントラストを与え、議論の焦点を明確にできます。「模索する」か「確立する」かを対比させることで、計画のフェーズや課題の性質を読者に直感的に伝えられるのです。
「模索する」を日常生活で活用する方法
「模索する」という言葉はビジネス文書だけでなく、自己紹介や目標設定の場面でも役立ちます。たとえば面接で「自分に合ったキャリアを模索しています」と述べれば、前向きに挑戦する姿勢を示せます。プライベートでも「新しい趣味を模索中で、いろいろな体験教室に参加しています」といった使い方が自然です。
具体的な活用法として、日記やSNSで「今日の学びをまとめながら次の一歩を模索する」と書けば、読者に成長意欲を伝えられます。家族会議でも「子どもの学習スタイルを模索しよう」と提案すれば、解決策を探る協働的な姿勢を示せるでしょう。
重要なのは、模索が「行動を伴った探求」だという点を強調し、単なる迷走や優柔不断とは区別することです。言葉と行動をセットで示すことで、ポジティブな印象を与えられます。
「模索する」という言葉についてまとめ
- 「模索する」は手探りで答えを探し続ける行為を表す言葉。
- 読み方は「もさくする」で、名詞「模索」を動詞化して用いる。
- 明治期以降に普及し、近代化やイノベーションの文脈で定着した。
- 現代ではビジネスから日常生活まで幅広く利用されるが、結論未確定の場面で使う点に注意。
「模索する」は、不確実な状況を前向きに切り開く姿勢を示す便利なキーワードです。語源や歴史を知ることで、単に「迷っている」以上の積極性を含む語だと理解できます。
使用場面では、まだ方針が固まっていない段階でのみ用いることがポイントです。「確定」や「決定」と混在させないことで、文章の論理性と説得力を高められます。今後も変化の激しい社会において、「模索する」姿勢は価値ある行動指針として重視されるでしょう。