「質問形式」の読み方 ― 「しつもんけいしき」と読む
「質問形式」は「しつもんけいしき」と読みます。
「質問」も「形式」もふだんの生活や学校の授業でよく目にする音読みの言葉なので、読み方そのもので迷うことはまずありません。
どちらも小学校から中学校までの国語の授業で習う見慣れた漢字で、「質問」は「質問する」「質問者」「質問攻め」のように、「形式」は「形式的」「書式」「入力形式」のように、それぞれ単独でも日常のさまざまな文章によく登場します。
そのため二つを組み合わせた「質問形式」も、初めて目にした瞬間から読み方に迷う心配がない、安心して使える言葉だといえるでしょう。
あえて読み間違いの可能性を挙げるとすれば、「形式」を「かたしき」と訓読み風に読んでしまうケースくらいですが、実際の会話や文章でそう読まれる場面はほとんど見かけません。
辞書や新聞、ビジネス文書のどこを見ても「けいしき」以外の読みが載ることはなく、読み方として完全に定着しています。
ニュースでも日常会話でも「けいしき」の読みで統一されているため、耳で聞いても迷うことはないでしょう。
ふりがなを振るとすれば「しつもん・けいしき」という素直な区切りになり、途中で区切る位置に迷う心配もありません。
むしろ注意すべきは読み方そのものよりも、同じ「けいしき」という音を持つ「型式」という別の言葉との混同のほうです。
次の章では、この「形式」と「型式」がそれぞれ何を指すのか、違いを詳しく確認していきましょう。
「質問形式」と「質問型式」は違う? ― 「形式」と「型式」の使い分け
「質問形式」と似た音の言葉に「型式」があり、これも「けいしき」と読みます。
ただし「型式」は自動車や家電製品のモデル・型番を指す言葉で、「質問形式」の「形式」とはまったくの別物です。
たとえば自動車の車検証や家電製品の背面シールに書かれている「型式」は、製品ごとに割り振られた識別コードを意味し、同じ製品名でもモデルチェンジのたびに新しい型式番号が付けられます。
修理やリコールの際にも、この型式を基準にして該当製品が特定されます。
一方「質問形式」の「形式」は、問いをどう組み立てるかという「やり方」や「パターン」を表す言葉であり、製品の型番とは発想がまったく異なります。
つまり「質問型式」と書いてしまうと、本来伝えたい「聞き方のパターン」という意味からずれた、工業製品を連想させる言葉になってしまうのです。
「形」と「型」はどちらも訓読みで「かた」と読める上に字の見た目も似ているため、手書きでもパソコン入力でも取り違えやすい組み合わせだといえます。
実際、ビジネス文書や報告書でも「形式」と書くべきところを「型式」と誤記してしまう例は少なくありません。
パソコンやスマートフォンで「けいしき」と変換すると「型式」が候補に出てくることもあるので、文章を書き終えたら「形式」になっているか見直す習慣をつけると安心です。
心配な場合は、「やり方」や「パターン」といった言い換えができるかどうかで判断するのも一つの方法です。
「質問形式」の意味とは ― 問いの「組み立て方」を表す言葉
「質問形式」とは、質問を投げかけるときの「やり方」や「組み立て方」を指す言葉です。
ポイントは、「何を聞くか」ではなく「どう聞くか」に焦点を当てた言葉だということです。
たとえば同じ「休日の過ごし方」を尋ねるにしても、選択肢の中から選ばせるのか、理由も含めて自由に書かせるのかによって、「質問形式」はまったく違うものになります。
聞きたい話題そのものは変わらなくても、形式を変えただけで相手の答え方や、そこから得られる情報の量・深さはまったく違うものになるのです。
このように「質問形式」は、問いの中身そのものではなく、その中身を相手にどう届け、どのように答えてもらうかという、外側の枠組みを表している言葉なのです。
家づくりでいえば、使う建材ではなく、間取りという骨組みの部分に当たるイメージに近いかもしれません。
アンケート調査、就職や転職の面接、学校のテスト、カウンセリングや病院の問診など、人に何かを尋ねる場面であればどこでも使える汎用的な言葉です。
業種や専門分野を問わず登場するからこそ、社会人になって初めて、その重要性を意識する人も少なくありません。
ふだんの会話の中で意識することはほとんどなくても、いざ自分が質問する側、質問を設計する立場になったとたん、欠かせない視点に変わります。
言われてみれば当たり前のようでも、実際に質問を組み立てる段階になって初めて、その重要性に気づく言葉なのです。
「質問形式」という言葉の成り立ち ― 「質問」と「形式」の組み合わせ
「質問形式」は、「質問」と「形式」という二つの二字熟語が組み合わさってできた言葉です。
「質問」が中身を問いかける行為を表し、「形式」がその行為の外側にある型を表すという、役割分担のはっきりした組み合わせだといえます。
「質問」は「質す(ただす)」と「問う」が組み合わさり、疑問をぶつけて確かめるという意味を持つようになったと言われています。
「質」の字には物事の本質や事実を確かめるニュアンスがあり、「品質」「本質」「質疑」といった言葉にも通じる、ものの中身を見極める意味合いを持っています。
「問」の字にも相手に尋ねかける意味が込められており、「訪問」「疑問」「問題」など、問いかけや投げかけに関わる言葉に広く使われています。
「問題」のように、答えや解決を求める場面で使われることもある字です。
一方「形式」は「形(かたち)」と「式(決まったやり方・型)」の組み合わせで、「方式」「儀式」の「式」と同じく、物事の外側にあるパターンや決まりごとを表す言葉です。
つまり「質問形式」は、「疑問をぶつけて確かめる」行為に「決まった型」が合わさってできた、成り立ちのわかりやすい言葉だと考えられています。
二つとも中学校までに習う身近な漢語の組み合わせなので、難しい語源を知らなくても、由来をたどってみると案外すんなり納得できるのではないでしょうか。
英語の question と format を思い浮かべてみると、日本語の成り立ちの素直さがより実感できるかもしれません。
「質問形式」と「質問内容」の違い ― 「どう聞くか」と「何を聞くか」
「質問形式」とよく似た言葉に「質問内容」がありますが、指しているものはまったく異なります。
「質問形式」が「どう聞くか」というHowを表すのに対し、「質問内容」は「何を聞くか」というWhatを表す言葉です。
たとえば「満足度」を尋ねる質問内容は同じでも、5段階評価で聞くか、理由まで含めて自由記述で聞くかによって、質問形式はまったく違うものになります。
前者は数値として集計しやすく、後者は具体的な声やエピソードを拾いやすいという、それぞれ異なる利点も生まれます。
そして質問形式を変えるだけで、同じ内容を尋ねていても、得られる回答の深さや答えやすさは大きく変わってしまうのです。
面接でも、同じ「強み」を尋ねる質問内容であっても、一問一答にするか会話形式にするかで引き出せる答えの量や本音の度合いは変わります。
この二つを混同したまま調査票や面接の質問を作ってしまうと、聞きたい中身はきちんと固まっているのに、それにふさわしくない形式を選んでしまうミスが起こりがちです。
結果として、せっかく時間をかけて調査や面接を行っても、知りたかった情報がうまく集まらずに終わってしまうこともあります。
質問を設計するときは、「何を聞くか」という中身の検討と、「どう聞くか」という形式の検討を、別々の作業として分けて考える習慣をつけておきましょう。
慣れないうちは、質問内容をまず紙に書き出してから、それぞれに合う質問形式を後から当てはめていくのがおすすめです。
「質問形式」にはどんな種類がある? ― 選択式・記述式など代表的な型
「質問形式」には、場面に応じていくつもの代表的な型があります。
代表的なものだけでも、選択式・記述式・二択式・尺度式の4つが挙げられます。
- 選択式:複数の選択肢から一つを選ぶ「単一選択」と、いくつでも選べる「複数選択」がある形式
- 記述式:決まった選択肢を設けず、自由に文章で答えてもらう形式
- 二択式:「はい/いいえ」のように2つの選択肢だけから選ぶ形式
- 尺度式:「とても満足〜まったく満足していない」のように段階で答えてもらう形式
英語では選択式・二択式・尺度式などをまとめて「クローズドクエスチョン」、記述式を「オープンクエスチョン」と呼び、日本語の分類とほぼ対応しています。
どちらの言葉も、アンケート設計や面接官向けの解説記事などで頻繁に登場する基本用語です。
このほかにも、空欄に言葉を当てはめる穴埋め式や、対話をしながら深掘りするインタビュー形式など、場面特有の呼び方もあります。
学校のテストなら穴埋め式、採用面接ならインタビュー形式というように、分野ごとに定着した呼び名があるのです。
なお「方式」「様式」「書式」も「式」を含む似た言葉ですが、それぞれ手段全般・決まった形・書類の体裁を指すため、聞き方そのものを表す「質問形式」とは使われる場面がはっきり異なります。
字面が似ているだけに混同しやすいので、意味の違いを意識して使い分けるようにしましょう。
アンケート調査における「質問形式」の選び方・使われ方
アンケート調査を設計するときは、何を明らかにしたいかに応じて「質問形式」を使い分けることがとても重要です。
同じ商品やサービスについて尋ねる場合でも、「質問形式」の選び方ひとつで集まるデータの性質や、その後の活かし方まで大きく変わってきます。
多くの人から回答を集めて傾向を数値で捉えたい「量的調査」では、選択式や五段階評価の尺度式といった「質問形式」が好んで用いられます。
「はい・いいえ」で答える二択形式や、当てはまるものをすべて選べる複数選択式も、集計のしやすさを重視する量的調査でよく採用される「質問形式」です。
選択式や尺度式は回答を数値として扱いやすく、短期間で多くのデータを集計・分析できるうえ、グラフなどで結果を見せやすいのが大きな魅力です。
一方で、回答者の本音や背景にある理由まで深く知りたい「質的調査」の場面では、自由に言葉で答えてもらう自由回答式の「質問形式」がよく選ばれます。
顧客満足度調査で「商品やサービスに対して改善してほしい点」を尋ねるときなど、数値だけでは見えてこない声を拾いたい場面がその代表例です。
ただし自由回答式は答えるのに時間や労力がかかるため、「質問形式」の選び方次第で回答者の負担が増え、アンケート全体の回収率が下がってしまうこともあります。
そのため実際の調査では、普段は選択式を中心に据えつつ、最後に「その他・ご意見」という自由記述欄を添えるなど、複数の「質問形式」を組み合わせる工夫もよく行われています。
面接・試験における「質問形式」の特徴と対策
面接では「自己紹介をお願いします」「これまで最も力を入れたことは何ですか」のように、答える範囲をあえて限定しないオープンクエスチョンの「質問形式」が中心になります。
面接官は、決まった正解のない問いを投げかけることで、応募者の人柄や考え方の筋道をじっくり見極めようとしています。
さらに一つの答えに対して「それはなぜそう思ったのですか」「具体的にはどのような行動をしましたか」と重ねて尋ねる深掘り質問や、面接の終盤に聞かれる逆質問も、面接らしい「質問形式」のひとつです。
逆質問は単なる疑問解消の場ではなく、志望度の高さや入社意欲をアピールする場としても使われています。
試験やテストに目を向けると、選択式・記述式・論述式といった「質問形式」ごとに、求められる対策はまったく異なります。
選択式は用語や知識を正確に覚えているかどうかが問われるのに対し、記述式や論述式は身につけた知識を自分の言葉で組み立て直し、筋道立てて説明する力が試されます。
選択式は知識の正確さが、記述式や論述式は自分の言葉で筋道立てて説明する力が問われると覚えておきましょう。
事前にどのような「質問形式」で問われるのかを把握しておくと、回答の準備がしやすくなり、本番でも落ち着いて臨むことができます。
想定される質問への答えをあらかじめ声に出して練習しておくと、面接の深掘り質問にも、試験の記述式や論述式にも強くなれます。
「質問形式」ごとのメリット・デメリットと選び方のポイント
選択式の「質問形式」は回答を数値として集計しやすい反面、あらかじめ用意した選択肢以上の答えが出てこないという弱点があります。
例えば満足度を五段階で尋ねても、「その他」を選ぶ回答者が想定より多ければ、選択肢そのものの設計を見直すべきサインと言えるでしょう。
選択肢に当てはまらない本音を拾いきれない点は、選択式ならではの見落としやすいデメリットと言えるでしょう。
自由回答式の「質問形式」は、回答者自身の言葉で率直な意見や理由を豊富に集められるのが大きな強みです。
選択式では見えてこなかった、作り手側がまったく想定していなかった意外な気づきを得られることも少なくありません。
ただし自由回答式は回答の内容や表現がバラバラになりやすく、集めたあとの分析にかなりの時間と手間がかかってしまいます。
大量の回答を扱う場合は、似た意見ごとに分類したり、キーワードを拾い出して傾向を整理したりといった地道な作業も欠かせませんし、担当者のスキルや時間の確保も必要になります。
こうしたメリット・デメリットを踏まえると、「質問形式」は何を明らかにしたいのかという目的に照らして選ぶことが何より大切です。
全体の傾向を数値でつかみたいのか、一人ひとりの声から新たな気づきを得たいのかを意識するだけで、選ぶべき「質問形式」は自然と見えてきますし、両方を組み合わせるという選択肢も十分にあり得ます。
「質問形式」を使った例文で使い方を確認
- 【例文1】今回のアンケートでは自由回答式の質問形式を採用し、利用者の率直な意見を集めることにした
- 【例文2】回収率を上げるために、質問形式をできるだけ答えやすい選択式へと統一した
- 【例文3】面接官は深掘りする質問形式で、学生時代に力を入れたことを詳しく尋ねてきた
- 【例文4】商談の場では相手が話しやすいように、オープンな質問形式を意識して会話を進めている
- 【例文5】回答が思うように集まらなかったため、途中から質問形式を記述式から選択式に変更した
- 【例文6】本音を引き出すために、質問形式をあえてオープンなものに工夫してみた
アンケートの例文からは、「質問形式」が調査の目的や集計のしやすさと結びついて使われていることがわかります。
回収率や分析のしやすさを優先して、あえて選択式に統一するという使い方も、実務の現場ではごく自然に行われている判断のひとつです。
面接やビジネスの例文のように、「質問形式」は会話の進め方や相手との向き合い方、コミュニケーションのスタイルを表す場面でもよく使われています。
深掘りやオープンクエスチョンといった言葉と組み合わせることで、どのような姿勢で聞いているのかをより具体的に伝えられます。
「質問形式を変更する」「質問形式を工夫する」という言い回しは、相手や状況に合わせて聞き方を柔軟に調整しようとする姿勢を表す表現です。
「質問形式」のまとめ ― 種類と選び方を振り返る
- 「質問形式」は「しつもんけいしき」と読み、「質問型式」のように「型式」の字を使って書くことはありません。
- 「形式」はものごとの組み立て方や様式を表し、「型式」は工業製品などの規格や型番を表す言葉です。
- 「質問形式」は、何をどのように尋ねるかという、問いの「組み立て方」そのものを指す言葉です。
- アンケート・面接・試験など、場面と目的に応じて選択式や自由回答式などを使い分けます。
ここまで見てきたように、「質問形式」は「しつもんけいしき」と読み、製品の規格や型番を表す「型式」とは、使われる漢字も意味も場面もまったく異なる言葉でした。
似た響きを持つだけに混同されがちですが、読み方と漢字の使い分けを、この機会に改めて整理しておきたいところです。
「質問形式」とは、何をどのように尋ねるかという、問いの「組み立て方」そのものを表す言葉だったということを、ここでしっかり押さえておきましょう。
アンケートや面接、試験など、場面に応じて選択式や自由回答式といった「質問形式」を適切に使い分けることで、知りたい情報をより的確に引き出し、回答者にとっても答えやすく負担の少ない設計に近づけることができます。
「質問形式」という視点を持って日々の問いかけを見直すだけで、コミュニケーションや情報収集の質もきっと変わっていくはずです。