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「これはこれ」とは?意味や例文や読み方や由来について解説!

「これはこれ」の読み方

「これはこれ」は、特別な読み方の工夫や決まりがいらない、見たままひらがなで読む「これはこれ」という素直な読み方です。

漢字の読み方を複数持つ言葉と違い、辞書を引いて読みを確認したり、ふりがなを振ったりする必要すらありません。

難しい読み方のクセや誤読の心配がまったくない、子どもから大人まで誰にとっても読みやすい言葉です。

漢字が多く並ぶ言葉にありがちな、音読みと訓読みのどちらで読むべきか迷う場面も、この言葉に限っては一切ありません。

漢字を当てて「此れは此れ」と表記することも、文法のうえでは不可能ではありません。

ただ「此れ」という漢字は文語的でやや古めかしい響きが強く、日常の会話から生まれたくだけた口語表現である「これはこれ」とは相性があまりよくありません。

ただし「此れ」という漢字自体が現代の日常的な文章ではほとんど使われなくなっており、この表記を実際に見かける機会は、学校の教科書や公的な文書を含めて現代ではまずないと考えてよいでしょう。

ニュースの記事やビジネス文書はもちろん、くだけた文章でも、実際にはひらがな表記だけを覚えておけば十分です。

会話の中で使うときは、最初の「これは」をひと呼吸置くように区切り、わずかに間をあけてから後半の「これ」を続けると、聞き手にも二つの「これ」の切れ目が伝わりやすくなります。

書き言葉でも、間に読点を一つ挟んで「これは、これ」のように書くと、声に出して読んだときのリズムが整います。

「これはこれ」の意味とは

「これはこれ」は、今まさに話題にしている物事や目の前の出来事を、それとは別の物事や以前の出来事といったん切り離して考えるときに使う言葉です。

この言葉そのものには主語や目的語がはっきりと示されておらず、前後の文脈があって初めて、何と何を切り離しているのかが決まる表現でもあります。

目の前のテーマと関係のない要素を混同せず、独立したものとして扱う姿勢を示す表現だと言えます。

話の流れの中で一度ひと呼吸置き、意識を今のテーマから次の内容へと切り替えるための働きも持っています。

この言葉は単独でも使われますが、置かれる文脈や前後のやり取りによって、意味合いが大きく二つに分かれていきます。

どちらの意味で使われるかによって、話し手が伝えたい気持ちの方向もまったく違ってきます。

ひとつは物事を区別してとらえる使い方で、もうひとつは思い通りでない結果や不本意な状況をそのまま前向きに受け止める使い方です。

どちらの意味で使われているのかは、前後の文脈や話し手の声の調子、さらにはその場の表情からも判断することになります。

辞書的な定義を丸暗記するだけでは実感がつかみにくく、実際の会話の中でどちらのニュアンスで使われているのかを感じ取る力のほうがよほど大切な、生きた口語表現だと言えるでしょう。

とりわけ声の調子や間の取り方といった、文字だけでは伝わりにくい部分に意味の手がかりが多く含まれています。

「これはこれ」という繰り返し表現の成り立ち・由来

「これはこれ」は、同じ言葉をそのまま「AはA」という形で繰り返す、日本語に昔からある反復表現の一種です。

同じ語を繰り返すだけというごく単純な作りでありながら、聞いた瞬間にすっと意味が伝わる、完成度の高い構文だと言えます。

同じ語をあえて重ねることで、その物事を他のものとはっきり区別し、迷いのない意味を強調する効果を生み出しています。

一度しか言わない場合に比べて、「この件に関しては別だ」という線引きの意思がより強く伝わります。

この構造は「仕事は仕事」「男は男」といった、感情や例外を挟まずに言い切る表現にも共通しており、「これはこれ」もこの仲間に連なる言い回しのひとつだと考えられています。

どの表現も、同じ単語をただ繰り返すだけで、説明を加えなくても独特の説得力や言い切りの強さが生まれるのが特徴です。

特定の古典作品や四字熟語といった由来を持つ言葉ではないと考えられています。

出典がはっきりした言葉ではない分、特定の誰かが使い始めたというより、多くの人がそれぞれ似たような発想にたどり着いて自然に広まった表現だと捉えるほうが自然です。

むしろ、日々の暮らしや会話の中で便利に使われているうちに自然と形が定まり、長い時間をかけて口語表現として定着してきたというのが実際のところのようです。

似た響きを持つ表現が複数存在すること自体が、この反復構文がそれだけ使い勝手のよい型であることを物語っています。

「それはそれ」と使い分ける「これはこれ」の意味

「これはこれ」は「それはそれ」と対になり、日常の会話の中で「これはこれ、それはそれ」という形でセットでよく使われます。

語順を入れ替えて「それはそれ、これはこれ」と言っても、意味そのものはほとんど変わりません。

二つの事柄をそれぞれ独立したものとして認め、どちらも否定せずに混同しないようにする考え方を表す組み合わせです。

一方だけを認めてもう一方を無視したり切り捨てたりするのではなく、両方にきちんと居場所を与えるところにこの表現の価値があります。

たとえば、ある出来事に対してわき上がる個人的な感情と、そこから冷静に下すべき仕事上の判断のように、つい結びつけて考えてしまいがちな二つを切り分けたい場面でよく登場します。

感情に流されたまま判断までゆがめてしまわないよう、歯止めをかける役割を果たしています。

過去のいきさつと、今この瞬間に決めなければならないことを混同しそうなときにも、同じ考え方が役立ちます。

以前の事情を蒸し返さずに、今やるべきことだけに意識を向けたいときにも向いている考え方です。

「それはそれ」の部分が省略されて「これはこれ」だけで使われた場合も、話し手の中にはもう一方の「それ」が存在すると考えて補いながら聞くと、意味を読み取りやすくなります。

省略されているからといって意味が弱くなるわけではなく、むしろ言葉数を削ることで言い切りの強さが増すこともあります。

「これはこれで」の受け入れ・肯定の意味

「これはこれで」という形になると、思い通りにいかなかった結果や予想もしなかった展開を、それ以上引きずらずそのまま前向きに受け止める言い方になります。

「で」という一文字が加わるだけで、物事を切り分ける響きから、結果や状況をまるごと包み込む響きへと意味合いが変わります。

切り分けて考えるのではなく、起きた出来事やすでに終わったことをまるごと認めて受け入れる方向性を持つ使い方です。

完璧ではない状態をいったんそのまま肯定し、そこから次の一歩を考えようとする姿勢の表れでもあります。

前の章で見た「区別」の意味が二つの物事をはっきり分けて考えるのに対し、こちらは起きた一つの結果をそのまま肯定して受け止める点で、方向性が大きく異なります。

切り分けるか、丸ごと認めるか―この違いを意識しておくと、二つの意味を取り違えにくくなります。

単なる妥協や諦め、我慢とは違い、別の視点から見れば十分な価値があると気づく、前向きな態度として使われる言葉です。

無理にポジティブなふりをするのではなく、視点を変えてみれば確かに良い面があると実感したうえで、自然と口にされる一言です。

思い通りの結果が得られなかった状況に出会ったときほど、この言い方の持つ柔らかく前向きな響きが生きてきます。

落ち込んだ気持ちのまま立ち止まってしまわずに、気持ちを立て直して次に進むきっかけとして役立つ表現だと言えるでしょう。

「これはこれ」が使われる場面・シチュエーション

「これはこれ」は、人間関係の中で生まれたもやもやとした感情や、割り切れずに残ってしまったわだかまりを整理したいときによく使われる言葉です。

腹を立てたりモヤモヤしたりしたときに、気持ちをいったんリセットする小さなスイッチのような役割を果たします。

仕事モードとプライベートで過ごすときの気持ちを、オンとオフのように意識してはっきり切り替えたい場面でも、頻繁に登場します。

オンとオフの気持ちを無理なく切り替えるための、便利な区切りの言葉として重宝されています。

一つの話題にひと区切りをつけて、場の空気を変えながら次の話へ気持ちよく移りたいときの合図としても機能します。

会議や雑談の場で一つの話題が広がりすぎてしまったときに、いったん区切りをつけてまとめ、次の議題へ移る働きもあります。

相手に向かって「これはこれとして」と伝える場合は、それまでの話題にひとまず区切りをつけ、その場の空気をやわらかく切り替える合図になります。

角を立てずに、それでいてきちんと意思を伝えながら話題を転換できる、会話の潤滑油のような役割を持っています。

一方で、誰かに向けてというより自分自身に静かに言い聞かせるように使われることも多く、ひとりで気持ちの整理をつけ、次の行動に移るときの支えにもなっています。

声に出さず、心の中で静かにつぶやくだけでも、気持ちを切り替えるのに十分な効果を発揮します。

ビジネスシーンでの「これはこれ」の使い方

ビジネスの場でも「これはこれ」は、気持ちの部分と仕事上の判断を分けて伝えたいときに使われており、相手との関係を損なわずに結論だけを明確に示せる便利さがあります。

交渉や評価、クレーム対応のように感情が絡みやすい場面ほど、この切り分けの効果が生きてきます。

取引先との交渉で相手への個人的な印象と契約条件の判断を一緒に語ってしまうと、話の筋がぼやけてしまい、相手も本当の判断基準がどこにあるのか分かりにくくなります。

人物への評価と業務上の決定は別の軸にあることを示す区切りとして、この言葉が選ばれる場面であり、交渉を次の段階へ進めやすくする効果もあります。

人事評価やクレーム対応の場面でも同様で、担当者個人への思いと、事実に基づく評価や対応方針とを混ぜずに伝える助けになり、担当者本人も納得して結果を受け止めやすくなります。

感情を否定するのではなく、判断の土台が別にあると示す言い方なので、関係がこじれにくいという利点もあります。

会議や商談では、ひとつの話題に結論を出したあと次の議題へ気持ちを切り替える合図としても役立ち、参加者全員の意識を次のテーマへ自然に向けさせる働きがあります。

話を引き延ばさず、場の空気を次に進める区切り言葉としての働きです。

ただし「これはこれ」自体は口語的な響きが強いため、議事録や契約書、報告書などのフォーマルな文書では避けたほうが安全で、文書に残る言葉は後から読む人にも意図が伝わる正確さが求められます。

読み手に誤解を与えないよう、状況に応じてより明確な言葉に言い換える工夫が欠かせません。

「これはこれ」の類語・言い換え表現

「これはこれ」には意味の方向ごとに、ニュアンスの近い言い換え表現がいくつかあり、場面に合わせて選ぶことでより伝わりやすくなります。

区別の意味と受け入れの意味、どちらを言いたいかによって選ぶべき言葉が変わってくるため、まず自分の意図を整理しておくと選びやすくなります。

区別の意味で使うときは「割り切る」「別問題として」「一線を画す」などが近い言い換えで、いずれも気持ちと結論を分けて伝えたいときに使えます。

「割り切る」は感情に区切りをつける響きが強く、「別問題として」は話題の転換を示し、「一線を画す」は対象との距離をはっきり示す硬めの言い方になります。

受け入れの意味で使うときは「それとして」「それなりに」「ありのままに受け止める」などが近い言葉になり、結果に多少の不満があっても前向きに言い換えたいときに役立ちます。

どれも結果を否定せず、いったん丸ごと認める姿勢を表す点が共通していますが、「ありのままに受け止める」はより静かで落ち着いた響きを持っています。

ビジネス文書など硬い場面では「別途」「それとは別に」という言い換えが使われ、契約書や議事録のように記録として残る文章にもなじみます。

どちらも事務的で感情の響きが薄く、区切りの事実だけを淡々と伝えたいときに適しています。

言い換え語を選ぶ際は、場の硬さと伝えたい方向性の両方を基準にすると迷いにくくなり、迷ったときは相手との距離感を思い出すのも一つの目安になります。

「これはこれ」が持つ柔らかさを残したいか、事務的な正確さを優先したいかで、ふさわしい言葉は変わってきます。

「これはこれ」を使った例文

  • 【例文1】あの人のことは嫌いじゃないけど、これはこれとして今回の話には乗れない
  • 【例文2】担当者への印象はこれはこれとして、提案内容は条件面で見直しが必要だと伝えた
  • 【例文3】思っていた結果とは違ったけれど、これはこれでいい経験になったと思う
  • 【例文4】今期の数字は目標に届かなかったが、これはこれとして次の戦略に活かすことにした
  • 【例文5】何を聞いても「これはこれだから」としか言わず、相手は結局どう考えているのか分からなかった

例文1と2は区別の意味で使われており、どちらも気持ちと結論を同じ話の中で両立させています。

日常の人間関係である例文1と、提案への評価というビジネスの場面である例文2とで、感情と判断を分けている様子がわかり、立場によって区切り方の硬さも変わってくることが読み取れます。

例文3と4は受け入れの意味で使われており、どちらも期待どおりでなかった結果を無理に否定していません。

日常の体験を語る例文3と仕事の成果を語る例文4という違う場面でも、結果をいったん丸ごと認める姿勢は共通しており、前向きな締めの言葉として機能しています。

例文5は具体的な説明を避けるためだけに使われており、誤解を招きやすい使い方で、聞いている側には考えを放棄しているようにも映ってしまいます。

便利な言葉だからこそ、使い方しだいで相手に与える印象が大きく変わることを覚えておきたいところで、次の注意点でも詳しく取り上げます。

「これはこれ」を使う際の注意点

「これはこれ」は便利な言葉である一方、使い方によっては相手に冷たい印象を与えてしまう注意点もあり、使う場面を誤ると関係にひびが入ることもあります。

話を切り上げる響きが強いため、相手の気持ちに寄り添わずに使うと、突き放されたように感じさせてしまいます。

特に相手が悩みや不満を話している最中にこの言葉で区切ってしまうと、気持ちを受け止めてもらえなかったという印象を残しかねず、以後は本音を話しにくくなってしまうおそれもあります。

区切る前に、相手の話を十分に聞く姿勢が欠かせず、相手が言い切ったのを確認してから区切るくらいの余裕を持ちたいところです。

また、具体的な理由を説明したくない場面で使うと、言い訳や責任逃れのように聞こえてしまうこともあり、同じ説明を繰り返し求められる結果にもなりかねません。

「これはこれ」で済ませるのではなく、必要なときはきちんと理由を言葉にする姿勢が信頼につながります。

相手や場の空気を見極めずに使うことも誤解のもとになり、話をはぐらかされたと感じさせてしまうこともあります。

親しい間柄では柔らかく響く言葉でも、目上の人やあらたまった場では唐突に聞こえることがあります。

便利な区切り言葉だからこそ、使う相手と場面を選ぶ意識を持つことが、「これはこれ」を気持ちよく使いこなす近道です。

普段の会話とあらたまった場とで言葉を微調整するだけでも、伝わり方は大きく変わります。

「これはこれ」の使い方まとめ

まとめ
  • 「これはこれ」には区別と受け入れという2つの意味がある。
  • 区別の意味では感情と判断、過去の経緯と今の決定を切り分ける。
  • 受け入れの意味では思い通りでない結果も丸ごと前向きに認める。
  • 場面や相手、文書の硬さに応じて類語への言い換えも検討する。

「これはこれ」には、物事を切り分ける区別の意味と、結果を丸ごと認める受け入れの意味という、2つの方向性があり、この記事ではその両方の使い方を具体的な場面とともに見てきました。

どちらの意味で使っているかを自分の中で意識するだけで、言葉の伝わり方は大きく変わり、相手に与える印象も柔らかくなります。

便利な言葉である一方、使う相手や場の空気を見極めないと、冷たさや言い訳のように受け取られてしまう危うさも持っており、親しい相手であっても使うタイミングには気を配りたいところです。

日常の会話では心強い区切り言葉になりますが、フォーマルな場面では別の言葉への言い換えが安心です。

「割り切る」や「それとして」、「別途」といった類語との違いを知っておくと、場面に応じて最も伝わりやすい言葉を選べるようになり、言葉選びに迷う時間そのものも減らせます。

意味の方向と場の硬さという2つの軸で言葉を選べば、「これはこれ」をいつでも気持ちよく使いこなせるはずです。