「承服」とは?意味や例文や読み方や由来について解説!

「承服」という言葉の意味を解説!

「承服(しょうふく)」とは、相手の意見や指示を受け入れ、納得して従うことを指す語です。

辞書では「承知して服従すること」「納得して同意すること」と説明され、主にビジネスや公的な場面で使われます。

日常会話では「承服しかねます」「承服できない」の形で、不本意さをやわらげつつ断るニュアンスを添える役割も果たします。

「受け入れる」とほぼ同義ですが、やや硬い語感をもつため、フォーマルな書き言葉での使用が目立ちます。

相手への敬意や丁寧さを保ちながら、自分の立場を伝えられる便利なキーワードと言えるでしょう。

「承服」の読み方はなんと読む?

読み方は「しょうふく」です。

「承」は音読みで「ショウ」、「服」は音読みで「フク」と読みます。

ひらがなで表記するなら「しょうふく」となり、漢字変換の際には「しょうふく」と入力すると一発で変換できます。

「承服」という言葉の使い方や例文を解説!

ポイントは「賛成する」「納得する」の意味を含みつつ、やや硬めの語感で丁寧に伝えることです。

肯定形よりも「承服しかねます」など否定形で登場することが多く、「丁寧に断るフレーズ」として広まりました。

【例文1】ご提示いただいた条件には承服いたします

【例文2】誠に恐れ入りますが、そのご提案には承服しかねます

否定形を用いるときは、代替案や理由を添えると角が立ちにくくなります。

ビジネスメールや会議で口語的な「納得できません」よりも穏当な印象を与えられる点がメリットです。

「承服」という言葉の成り立ちや由来について解説

「承」は「うけたまわる」「受け入れる」を示し、「服」は「従う」「順う」を示す漢字です。

二字を合わせ「人からの指示・意向を受け入れて従う」という意味が成り立ちました。

古典中国語にも同形の熟語が存在し、日本へは漢籍を通じて輸入されたと考えられます。

平安期の漢籍註釈や江戸期の公文書にすでに使用例が見られ、長い年月を経て現在のビジネス日本語に定着しました。

「承服」という言葉の歴史

平安時代の漢文学では上位者の命令への同意を示す敬語として登場しました。

江戸時代になると武家社会の公式文書にも用いられ、幕府への服従を婉曲に示す語として機能します。

明治以降、官公庁や軍隊での決裁用語として普及し、その硬質なイメージが現代のビジネスシーンに引き継がれました。

昭和期の社内稟議書でも頻出し、現在ではメールや契約書などフォーマルな文脈で生き残っています。

「承服」の類語・同義語・言い換え表現

「了承」「同意」「納得」「受諾」などが近い意味をもちます。

特に「了承」と「承服」は似ていますが、「了承」は単に認める意味が強く、「承服」は「従う」まで含むのが違いです。

【例文1】企画内容を了承しました。

【例文2】規定の変更に承服いたします。

「承服」の対義語・反対語

直接の反対語は「不服」「拒否」「反対」などです。

「不服」は納得できない気持ちを示す単語で、「承服」のちょうど逆の感情を表します。

【例文1】処分結果に不服がある場合は申し立ててください。

【例文2】ご提案は残念ながら拒否いたします。

「承服」を日常生活で活用する方法

フォーマルな語ですが、家庭や友人間でも使えないわけではありません。

堅い場面や改まったメールで「納得しました」の言い換えとして使用すると、丁寧さが増します。

【例文1】役員会の決定には承服します。

【例文2】規約変更については承服しかねます

使いすぎると大げさになるので、堅い文書や改まった謝罪・断りの場面に限定すると自然です。

「承服」についてよくある誤解と正しい理解

「承服=必ずしも肯定的に同意すること」と誤解されがちですが、実際にはやむを得ず従うニュアンスも含みます。

否定形「承服しかねる」は単なる拒絶ではなく、丁寧に賛同できない姿勢を示す婉曲表現です。

また、「承服=法的に拘束される」という誤解もありますが、法令用語ではなく一般敬語です。

使用時は「納得」「受諾」より硬いことを意識し、相手との距離感を見極めましょう。

「承服」という言葉についてまとめ

まとめ
  • 「承服」は「相手の意向を受け入れ、従う」ことを表す丁寧かつ硬めの語です。
  • 読み方は「しょうふく」で、漢字変換も「しょうふく」で可能です。
  • 平安期の漢籍を起源とし、武家・官庁文書を経て現代のビジネス用語に定着しました。
  • 否定形「承服しかねます」で丁寧に断る際に便利ですが、使いすぎには注意が必要です。

「承服」はフォーマルな場面で相手への敬意を示しながら同意・不同意を表現できる便利な日本語です。読みやすい語ではないものの、使いこなせばビジネスメールや公的文書で一目置かれる表現力につながります。肯定形・否定形をバランスよく使い分け、相手との円滑なコミュニケーションに役立ててみてください。