「冗漫」という言葉の意味を解説!
「冗漫(じょうまん)」とは、文章や話が余計な部分まで長く、締まりがない様子を指す日本語の形容動詞です。似た印象を与える語に「冗長」「長広舌」などがありますが、「冗漫」は散漫さやまとまりのなさも含意します。国語辞典では「むだが多くてだらだらと長いこと」と定義されており、論文やビジネス文書では避けるべき表現として挙げられることが多いです。
「冗漫」の読み方はなんと読む?
「冗漫」は「じょうまん」と読み、音読みのみで訓読みは存在しません。両漢字とも常用漢字で、「冗」は余計・むだを意味し、「漫」は広がりやだらけるさまを表します。読み間違えとして「じょうまん」と語尾を上げず「じょうまん?」と疑問調になるケースがあるので注意しましょう。
「冗漫」という言葉の使い方や例文を解説!
実際の会話や文章で「冗漫」を使う場面は、主に文章表現やプレゼンの評価、自己反省などです。「冗漫だ」と評する際はネガティブな意味合いが強いので、相手に配慮して使いましょう。
【例文1】今回の報告書は情報が散在していて冗漫だ。
【例文2】冗漫にならないよう、要点を三つに絞って説明します。
使い方のポイントは「冗漫な~」「冗漫である」「冗漫にならないよう」の3パターンを押さえることです。形容動詞なので「冗漫だ」「冗漫な文」と活用します。
「冗漫」の類語・同義語・言い換え表現
言い換えとしては「冗長」「長たらしい」「散漫」「ダラダラした」などが一般的です。文語では「冗語」「迂言」といった古めかしい表現もあります。ニュアンスが近い順に並べると「冗長>冗漫>散漫」と覚えると便利です。
「冗漫」の対義語・反対語
対義語には「簡潔」「明快」「要領を得た」などが挙げられます。ビジネス文書では「簡潔明瞭」が推奨されるため、「冗漫」を避け「簡潔」を目指す指導がよく行われます。文章添削ソフトでも頻出の指摘ポイントです。
「冗漫」という言葉の成り立ちや由来について解説
「冗」は唐代の漢詩にも登場する「余分・むだ」を示す字、「漫」は「みだりに広がる」を示し、両者が結び付いて「むだに広がる」の意が生まれました。日本では平安期の漢詩文集に既に使用例が見られ、江戸期の儒学書や随筆で定着しました。明治以降、翻訳文学の影響で「冗長」と併用されるようになりました。
「冗漫」という言葉の歴史
平安末期の『本朝文粋』に「辞冗而漫」との記述が確認できるのが、日本語史上の最古例とされます。江戸時代の国学者・本居宣長も『詞の玉緒』で「冗漫なる詞こそ戒むべし」と説き、文体論の中で重要視しました。近代では夏目漱石が講義録で「冗漫な文章を避けよ」と学生に語っています。
「冗漫」についてよくある誤解と正しい理解
「冗漫=単に長いだけ」と誤解されがちですが、実際は「余計な要素でまとまりがない」ことが核心です。長くても構成が明快なら「冗漫」ではありません。また、口語で「じょうまん?」と読んで笑いを取るネットスラングと混同するケースもありますが、正式には評価語です。使う際は意味とニュアンスを確認しましょう。
「冗漫」という言葉についてまとめ
- 「冗漫」とは、余計な部分が多く締まりのない状態を示す形容動詞です。
- 読み方は「じょうまん」で、音読みのみが用いられます。
- 平安期の漢詩文に由来し、江戸から明治にかけて文体論で重視されました。
- ビジネスや学術の場では「冗漫」を避け、「簡潔」な表現を心掛けることが推奨されます。
「冗漫」は単に文が長いことではなく、不要な要素でだらだらと広がってしまう状態を指します。読みは「じょうまん」で、誤読や冗談扱いに注意が必要です。歴史的には古典の時代から使われ、現代でも文章の質を評価する重要なキーワードとなっています。用途や場面を理解し、適切に使いこなすことで、より簡潔で伝わりやすいコミュニケーションが実現できます。