「挫折」とは?意味や例文や読み方や由来について解説!

「挫折」の意味とは何か

「挫折」とは、目標や計画の実現に向かって努力を続けていたにもかかわらず、途中で大きな壁にぶつかって心が折れてしまい、それ以上前に進めなくなってしまうことを意味する言葉です。

頑張り続けていた期間が長ければ長いほど、途中で心が折れてしまったときに感じる喪失感も、比例するように大きくなりやすい言葉だと言えるでしょう。

単に目標を達成できなかったというだけでなく、そこに向かうまでにこつこつと積み重ねてきた気力や意志そのものが折れてしまう状態を表すのが「挫折」の大きな特徴です。

結果だけに注目して語られることが多い「失敗」という言葉に対して、「挫折」は目標へたどり着くまでの長い過程の中で心が折れてしまう様子に焦点を当てた表現だと言えます。

そのため、同じように目標を果たせなかった場面であっても、「失敗」という言葉と「挫折」という言葉とでは、聞き手に伝わる印象が少しずつ違ってきます。

代表的な例として、厳しい受験勉強のプレッシャーに長い間耐えきれず、志望校への挑戦を途中で投げ出してしまうケースが挙げられます。

仕事の場面でも、大きなプロジェクトを任された重圧に押しつぶされて自信を失い、心も体も疲れ果てて途中で投げ出してしまう人は少なくありません。

ダイエットや資格取得のための勉強といった、日常生活の中にあるごく身近な目標であっても、続ける気力を失ってしまえば、それは立派な挫折の一つに数えられます。

このように「挫折」は、目標の規模の大小にかかわらず、誰の身にも起こりうる、ごく身近な出来事だと言えるでしょう。

「挫折」の正しい読み方は「ざせつ」

「挫折」は「ざせつ」と読みます。

テレビや新聞、書籍などでも見かける機会が多く、日常会話で声に出す場面は少なくても、就職活動の面接や、レポート・記事などのあらたまった文章の中では、正しく読めて当然と見られる言葉です。

「挫折」という言葉を辞書で調べてみても、読み方として載っているのは音読みの「ざせつ」ただ一つだけであり、訓読みで読まれることは決してありません。

「挫」という漢字は単独で使われるとき「くじく」という訓読みを持ちますが、他の漢字と結びついて「挫折」という二字熟語になると、音読みの「ざ」に変わります。

このように熟語の中に組み込まれることで読み方が音読みへと変化する漢字は決して珍しくなく、「挫折」もそうした代表的な例の一つとして挙げられます。

普段よく目にする「座る」「座席」などの「座」と形がよく似ていることから、「挫折」を見て「ざせつ」以外の読み方をつい思い浮かべてしまう人も少なくありません。

特に「挫」の字だけを取り出して、なじみのある訓読みの感覚のまま「くじ」と読んでしまう間違いは、漢字学習の中でも定番の勘違いの一つだと言われています。

また、正しくは「挫」であるところを、形の似た「座折」のように「座」の字を使って書いてしまう誤表記も、実際には時々見受けられます。

正しい表記は、手へんに「坐」と書く「挫」という字を用いた「挫折」であり、見た目の似た「座」としっかり書き分けることを意識しておくと、読み間違いや書き間違いをしっかり防げます。

「挫折」という言葉の由来・語源

「挫折」は「挫」と「折」という、意味の近い二つの漢字を組み合わせてできた熟語です。

二字が重ね合わされることによって、それぞれの漢字を単独で使うよりも、ずっと強く重い意味合いを持つ言葉になったと考えられています。

「挫」という字には、「くじく」「押しつぶす」という意味が込められており、外から加わる強い力によって、勢いのあるものを止めてしまうイメージがあります。

たとえば「挫傷」「捻挫」といった医学用語のほか、日常でよく使われる「挫ける」という言葉にも、この「挫」が持つ「押しつぶす」という意味がしっかりと生きています。

「折」という字にも、「おる」「断つ」といった、まっすぐに伸びていた勢いのあるものを、途中で断ち切ってしまうという意味があります。

「骨折」や「折り合い」など、他の熟語の中でも「折」は、物事の勢いが断たれる場面でよく使われている字です。

似た方向の意味を持つ二つの漢字が重なり合うことで、勢いよく進んでいた物事が外からの力で押しつぶされ、そのまま折れてしまう状態を表す言葉になったと言われています。

こうした語源を丁寧にたどってみると、「挫折」が単に立ち止まることではなく、勢いのあるものが強い力で断ち切られるような、重いニュアンスを持つ言葉だとよく理解できます。

由来を知っておくと、「挫折」という言葉が持つ重さや深刻さも、これまで以上に実感しやすくなるはずです。

「挫折」の使い方を知る

「挫折」を使うときの基本の形は、「〜に挫折する」というように、対象を表す言葉のあとに助詞の「に」を付け加える使い方です。

「留学に挫折する」「独立に挫折する」のように、これまで目指していた目標を表す言葉の後ろに助詞の「に」を添えて用いるのが、もっとも自然な形になります。

「挫折感」「挫折体験」のように、他の名詞と組み合わせた複合語として使われる場面も多く、意味の幅を広げながら日常的によく使われています。

日々の何気ない会話の中でも、「強い挫折感を味わった」のような形で、耳にする機会が多い表現です。

「挫折」は日常会話だけでなく、自己紹介や面接などのビジネスシーンで自分の経験を振り返り、成長を語る際にもよく使われる、応用範囲の広い言葉です。

話し言葉としても書き言葉としても違和感なく使える一方で、軽いカジュアルな雑談よりも、少し真剣な話題の中で使われることが多い言葉でもあります。

友人同士の気軽な会話よりも、自分自身の経験や心境を丁寧に語るときにこそ選ばれやすい表現だと考えるとよいでしょう。

また「挫折から学んだこと」のように、前向きな成長の文脈で語られることも決して少なくありません。

面接や自己PRの場面では、挫折をどのように乗り越えてきたかを具体的に語ることそのものが、その人ならではの強みを伝える何よりの材料になります。

「挫折」を使った例文集

  • 【例文1】第一志望だった国立大学の受験に挫折し、二年間の浪人生活を経験した
  • 【例文2】社内で任されていた新規事業の立ち上げに挫折して、希望とは違う部署へ異動することになった
  • 【例文3】毎年同じように三日坊主で終わってしまい、今年の夏こそはと決めたダイエットにも挫折してしまった
  • 【例文4】子どもの頃から長く続けていたピアノの練習に挫折した経験が、大人になった今でも心残りになっている
  • 【例文5】仕事と両立させながら続けていた資格試験の勉強を続けられなくなり、強い挫折感を味わった
  • 【例文6】彼はこれまで何度も挫折を繰り返しながらも、そのたびに立ち上がって少しずつ前に進んでいる

こうして例文を並べてみると、「挫折」は受験や仕事のような大きな目標だけでなく、ダイエットや習い事のような身近な場面でも、ごく自然に使われる言葉だと分かります。

「挫折」は特別な大失敗だけを指す言葉ではなく、誰の日常にも起こりうる身近な出来事を表すことのできる言葉なのです。

どの例文にも共通しているのは、目標に向かって一生懸命頑張っていた気持ちが、途中で折れてしまったという点です。

「挫折感」のように気持ちそのものを表す形でも使われるため、状況だけでなく心の動きまで伝えられる、表現力の高い言葉だと言えるでしょう。

文章として書くときはもちろん、面接や日常の会話の中で自分の気持ちを言葉にするときにも、幅広く役立つ言い回しです。

「挫折」と「失敗」「断念」との違い

「失敗」は物事がうまくいかず、望んでいた結果を得ることができなかったこと、その結果そのものを表す言葉です。

何をしようとして、実際にどんな結果になったのかという事実だけに注目するときに使われる言葉です。

それに対して「挫折」は、結果だけでなく目標に向かう途中で心が折れてしまう、その過程そのものに重きを置いた言葉になります。

同じように目標を果たせなかった場面であっても、「失敗」という言葉より心の痛みや無力感が強く伝わるのが、「挫折」という言葉の特徴です。

「断念」は周囲の状況に流されるのではなく、自分自身の意志で目標をあきらめると決める点が、「挫折」との大きな違いです。

たとえば「留学を断念した」と言えば、冷静に判断して自分からやめたという印象になりますが、「留学に挫折した」と言えば、心が折れて続けられなくなったという印象になります。

こうした例を比べてみると、同じ「あきらめる」という行動であっても、そこに伴う気持ちの向きがまったく違うことがよく分かります。

この違いを意識せずに言葉を選んでしまうと、前向きな判断だったのか、それとも力尽きた結果だったのかという、伝えたいニュアンスが正しく届かなくなってしまいます。

「挫折」「失敗」「断念」という三つの言葉の違いを正しく理解しておくと、自分自身の気持ちをより的確な言葉で伝えられるようになります。

「挫折」の対義語にあたる言葉

「挫折」の対義語としてまず挙げられるのは、目指していた結果を最終的にきちんと手にできたかどうかという、結果そのものに注目した「成功」という言葉であり、努力の末に望みを叶えられた状態を指しています。

「大学受験に挫折する」と「大学受験に成功する」という二つの言い方を並べてみると、同じ受験という場面を扱っていても、途中で心が折れて歩みを止めてしまったのか、それとも最後までやり遂げて望んだ結果を手に入れられたのかという、正反対の結末を表す言葉になっていることがよく分かります。

同じく結果に注目した対義語には「達成」もあり、「挫折感」と「達成感」という組み合わせで比べてみると、目標を前にして心が折れてしまったときの感情と、目標をやり遂げたときの誇らしい感情とが、ちょうど正反対の位置にあるものだということがより実感しやすくなります。

一方で、結果そのものよりも、やり遂げるまでの過程や意志の強さという点に注目した対義語としては「完遂」や「貫徹」という言葉も挙げられ、「完遂」は任された物事を最後までしっかりとやり切ることを、「貫徹」は周囲からの反対や困難があっても自分の意志や方針を最後まで曲げずに押し通すことを、それぞれ意味しています。

こうして「成功」「達成」「完遂」「貫徹」といった対義語を一つずつ並べて比べてみると、「挫折」という言葉が単に目標を果たせなかったというだけの意味ではなく、そこに向かう途中で気力そのものが折れてしまう状態を指す言葉なのだという輪郭が、これまで以上にはっきりと浮かび上がってきます。

「挫折」を英語でどう表現するか

「挫折」に近い意味を持つ英単語としてよく紹介されるのが「setback」で、たとえば「a major setback in his career」といえば「彼のキャリアにおける大きな挫折」のように訳され、順調に進んでいた物事が何らかの理由で一時的に押し戻されてしまうというイメージを持つ言葉です。

「setback」は日本語の「挫折」が持つ「心が折れる」というニュアンスとよく重なる便利な訳語ですが、あくまで一時的な後退や停滞を指すことが多く、必ずしも心が折れてしまうほどの深刻さや、そこから立ち直るまでの心理的な重さまでは含意しない場合もある点には注意が必要です。

似た単語に「frustration」や「failure」があり、「frustration」は物事が思うように進まないことへの苛立ちや不満といった、その瞬間の感情そのものを表す言葉であり、「failure」は結果として目標を果たせなかったという事実だけを淡々と表す言葉であるため、どちらも「挫折」が持つ意味の一部分しか表せていません。

「〜に挫折する」を動詞のように表したいときは「give up on」という言い回しがよく使われ、「give up on the dream」で「夢をあきらめる」に近いニュアンスを表せます。

このように、状況や伝えたい側面に応じていくつもの英語表現を組み合わせて使い分ける必要があり、日本語の「挫折」を一語だけで完全に置き換えられる、ぴったりの英単語は存在しないと考えておくとよいでしょう。

「挫折」を乗り越えるための考え方

大きな挫折を経験した人の多くに共通しているのが、過ぎてしまった結果をいつまでも悔やみ続けるのではなく、「今の自分にできることは何か」という、目の前にある小さな一歩に意識を向け直す考え方を持っているという点だと言われています。

挫折感と向き合うときにまず大切なのは、無理に前向きな言葉で気持ちを塗り替えようとしたり、早く忘れようと蓋をしてしまったりせず、悔しさや情けなさ、悲しさといった感情をいったんそのまま受け止めてあげることです。

一人ですべてを抱え込まず、家族や友人、時には専門家に自分の気持ちを話して聞いてもらうことで気持ちが軽くなることも多く、そのうえで何がうまくいかなかったのかを冷静に振り返ってみると、次に活かせる小さなヒントが少しずつ見えてくるようになります。

焦って結果を急いだり、以前とまったく同じやり方に意地でも固執したりするよりも、以前よりも少しだけ小さな目標を新たに立て、そこからもう一度コツコツと積み重ねていくことのほうが、立ち直りへの確かな近道になりやすいと言われています。

挫折を経験したからこそ見えてくる自分自身の弱さや、これまで気づかずにいた本当に大切にしたい価値観に気づけることこそが、その後の人生をひとまわり大きく成長させてくれる、かけがえのない糧になっていきます。

「挫折」にまつわる言い回し・関連表現

「挫折」は単独で使われるだけでなく、「挫折を味わう」「挫折を経験する」のように動詞と組み合わせた慣用的な言い回しとしてもよく使われ、日常会話から自己紹介の場面まで幅広く登場します。

「挫折を味わう」はほろ苦い気持ちをしみじみとかみしめるような、感情に寄り添ったニュアンスを持つのに対し、「挫折を経験する」はそうした出来事を人生の一場面として一歩引いた立場から淡々と語るニュアンスを持っている点が異なります。

ほかにも「挫折を乗り越える」「挫折から立ち直る」のように、挫折そのものよりもそこからどのように回復し前に進んだかに焦点を当てた言い回しも、体験談やインタビュー記事などでたびたび見かける表現です。

反対に、これまで一度も挫折らしい挫折を味わったことがない状態を表す「挫折知らず」という言い方もあり、「挫折知らずのエリート街道を歩んできた」のように、順調すぎる歩みに対して羨望や、時には皮肉を込めて使われることもあります。

SNSや若者言葉の世界では「バイトに挫折した」「筋トレに挫折した」のように、深刻な重みを持たせずに軽いノリで使われる場面も増えており、本来は人生を左右するほど重みのある言葉が、日常のちょっとした失敗を茶化すカジュアルな表現としても幅広い世代に親しまれています。

「挫折」の意味と使い方のまとめ

まとめ
  • 「挫折」は目標に向かう途中で心が折れてしまうことを表す言葉で、読み方は「ざせつ」である。
  • 「挫」と「折」という、勢いのあるものを断ち切る意味を持つ漢字が組み合わさってできた言葉だと言われている。
  • 結果だけを表す「失敗」や自分の意志であきらめる「断念」とは異なり、目標に至る過程で心が折れる点に重きを置いた言葉である。
  • 「成功」「達成」「完遂」など、結果ややり遂げることを表す対義語と比べると、その意味がより鮮明になる。

ここまで、「挫折」という言葉の正しい意味や読み方、由来となった漢字の成り立ちから、日常やビジネスでの使い方、具体的な例文、似た言葉との違い、対義語、英語表現、そして乗り越えるための考え方までを幅広く見てきました。

「挫折」は一部の特別な人だけが経験する特別な言葉ではなく、何か一つでも目標を持って本気で取り組んだことのある人であれば、誰もが人生のどこかで一度は味わう可能性のある、とても身近な言葉なのです。

大切なのは、挫折を経験したこと自体を責めたり恥じたりするのではなく、そこから何を学び、次の一歩にどう活かしていくのかという前向きな視点を持ち続けることであり、そう捉え直せたときにはじめて、「挫折」という言葉はつらい記憶から自分を成長させてくれる力強い言葉へと変わっていくはずです。