「定評のある」とは?意味や例文や読み方や由来について解説!

「定評のある」とは何を意味する言葉か

「定評のある」とは、世間の評価がすでに定まっていて、しかもそれが良い評価として確立されている状態を表す言葉です。

何かを紹介する際に、その評価の土台がしっかりしていることを一言で伝えられる便利な表現です。

一時的な人気や一度だけの高評価ではなく、長い時間をかけて多くの人に認められてきた「揺るがない評価」を指すのが最大の特徴です。

SNSで一時的にバズった、というような評価とは根本的に異なります。

たとえば「定評のある洋食店」と言えば、オープン直後の口コミではなく、何年も前から多くの客に「おいしい」と認められ続けてきたお店だということが、この一言だけで伝わります。

「定評のある医師」なら、長年の経験によって実力が裏付けられている人だというニュアンスが加わり、初めて訪れる患者にも安心感を与えます。

ここで覚えておきたいのは、「定評のある」は基本的に良い評価のときにしか使わない言葉だという点です。

悪い評判が定着している場合には、「定評のある」ではなく「悪評がある」「不評を買っている」のような別の表現を使う必要があり、「定評」はあくまでプラスの評価が積み重なった結果を指す言葉です。

評価される対象も幅広く、人物の実力や商品の品質はもちろん、企業やブランド、技術力、さらには地域の特産品にまで「定評のある」は使うことができるため、非常に汎用性の高い表現だと言えます。

使える範囲の広さも、この言葉が日常でよく見かける理由のひとつです。

「定評のある」の読み方は「ていひょうのある」

「定評のある」は「ていひょうのある」と読みます。

難しい熟語に見えますが、読み方自体はシンプルで、覚えてしまえば迷うことはなく、辞書を引いても読み方は一通りしか載っていません。

「じょうひょう」と読み間違えてしまう人が多いので、特に注意が必要です。

似た漢字を使う「評定(ひょうじょう)」という別の言葉と語順が逆なだけなので、余計に混同されやすいとも言えます。

「定」という漢字は、言葉によって「てい」と読む場合と「じょう」と読む場合があります。

「定食(ていしょく)」「定年(ていねん)」は「てい」ですが、「定石(じょうせき)」や「案の定(あんのじょう)」は「じょう」で、「定評」は「定食」や「定年」と同じ「てい」の系列に入ります。

「評」のほうは「ひょう」以外に読む可能性がなく、送り仮名が付くこともないため、迷う要素は全くありません。

続く「のある」も助詞の「の」と基本的な動詞「ある」の組み合わせなので、読み間違えやすいのは「定評」の最初の二文字だけだと言えます。

新聞や辞書、ビジネス文書で「定評」にふりがなが振られる際も「ていひょう」と表記され、ウェブ記事で「(ていひょうのある)」とルビが添えられることもあります。

「定評がある」「定評を得る」「定評を博す」のように形が変わっても読み方自体は変わらず、「定食」と同じ「てい」だと覚えておけば迷わず読めるようになります。

「定評のある」の成り立ち・由来

「定評」は、「定」と「評」という二つの漢字から成り立っている言葉です。

それぞれの漢字の意味を知ることで、成り立ちがよく見えてきます。

「定」には「さだまる・さだめる」という意味があり、「評」には「評価・評論」という意味があるため、二つが合わさることで「評価が定まること」を表す言葉になっています。

「評価」だけなら「今の時点でどう評価されているか」という意味合いですが、そこに「定」が加わることで「時間を経て評価が固まった」という重みが加わります。

「定」を使う言葉には「決定」「安定」のように「物事がしっかり固まる」という意味合いのものが多く、「評」を使う言葉には「評価」「批評」のように「良し悪しを判断する」という意味合いのものが多く見られます。

この二つの漢字が持つ「固まる」と「判断する」というイメージが結びついた結果が、「定評」という言葉だと考えられます。

この名詞「定評」に、存在や状態を表す「のある」が付くことで、「定評のある店」のように後ろの名詞を説明する形になります。

元の形は「定評がある」という文で、これを名詞を修飾する形に変えたものが「定評のある」です。

「定評」という言葉自体は古くからある漢語で、明治以降に新聞や評論といった書き言葉を通じて広まってきたと言われています。

現在では特別な言葉ではなく、日常会話でも自然に使われるなじみのある表現で、辞書にも標準的な見出し語として収録されています。

「定評のある」と「評判がいい」「評価が高い」の違い

「評判がいい」「評価が高い」も似た意味で使われますが、ニュアンスにははっきりとした違いがあります。

どの言葉も好印象を伝える点は共通していますが、評価の「出どころ」や「積み重ねてきた時間の長さ」が異なります。

「評判がいい」は、口コミや人から人へ伝わる噂をベースにした評価という色合いが強い表現です。

「あの店、評判がいいらしいよ」のように自分ではまだ確かめていない伝聞のニュアンスを含むこともあり、実際に行ってみたら期待外れだった、ということも起こり得ます。

「評価が高い」は、点数や採点、受賞歴のように、比較的客観的な基準にもとづく評価を表すことが多い言葉です。

「国際的な賞を受賞して評価が高い作品」のように、具体的な実績と結びつけて使われます。

一方「定評のある」は、短期間の評判や一度の採点ではなく、長い時間をかけて多くの人の間で確立されてきた継続的な評価を表す点が大きく異なります。

「評判がいい」がまだ確かめていない段階の評価だとすれば、「定評のある」はすでに多くの人が実際に確かめた上で認めてきた評価だと言えます。

たとえば新しいお店が話題になった直後であれば「評判がいい」が自然ですが、何年も支持され続けている場合に初めて「定評のある」が使えるようになります。

発売直後の新商品に「定評のある」を使うと、評価がまだ定まっていないのに大げさな印象を与えてしまいます。

「定評のある」はどんな場面で使われる言葉か

「定評のある」は、何かを紹介したり評価したりする場面で、信頼性を一言で伝えたいときによく使われる言葉です。

自分で「すごい」と言うよりも、客観的で控えめな印象を与えられるのが好まれる理由です。

特によく見かけるのが、商品やサービスのレビュー・紹介文です。

「定評のある掃除機」「定評のある化粧水」のように、多くの利用者からすでに支持されている商品だと押しつけがましくなく伝えられ、通販サイトのランキングページや雑誌の特集記事でも定番の表現として使われています。

また、職人やスポーツ選手、専門家など、人物の実力や技術を評する場面でも「定評のある」はよく使われます。

スポーツニュースや雑誌のインタビュー記事で、「守備に定評のある選手」のような見出しを目にすることも多いはずです。

「腕前に定評のある職人」「指導力に定評のあるコーチ」のように、長年の実績を通じて周囲から実力を認められてきた人を表すときに使われます。

一度や二度の成功ではなく、積み重ねてきたキャリアそのものへの信頼を示せる点が便利で、プロフィールや紹介文の冒頭に置かれることも少なくありません。

さらに企業やブランド、老舗を紹介する文章でも、「定評のあるメーカー」のように歴史や信頼の積み重ねを伝えるために使われます。

会社案内や求人広告でも「技術力に定評のある企業」「品質に定評のあるブランド」といった形でよく登場し、取引先や求職者に安心感を与える役割を果たします。

「定評のある」を使うときの文法的なポイント

「定評のある」は、基本的に名詞の前に置いて、その名詞を説明する連体修飾の形で使います。

文中では主語にも述語にもならず、あくまで後ろの名詞を飾る働きをする点がポイントです。

「定評のある技術」「定評のある老舗」「定評のある味」のように、「定評のある+名詞」の形がもっとも基本的で、使われる頻度も高い使い方です。

後ろに続く名詞は、人物でも商品でも企業でも評価の対象になるものであれば置き換えられ、名詞一つで対象をすぐに示せる手軽さが見出しやキャッチコピーでも好まれる理由です。

一方「Aには定評がある」という形にすると、名詞を修飾せずに文の述語として使うことができます。

「定評のある」と「定評がある」は結局のところ同じ内容で、名詞を修飾するか文を言い切るかという違いだけです。

「この店の接客には定評がある」のように、「〜には定評がある」の形は主語を評価する文全体をつくるときに使われます。

この「〜には」の部分には「接客」「技術力」「味」といった評価したい対象の具体的な側面を表す言葉が入り、何について評価が高いのかをはっきり示せる利点があります。

さらに応用的な形として「おいしいと定評のある店」のように、間に「という」を挟む使い方があります。

こうすると「腕前」のような名詞だけでなく、「おいしい」のような評価そのものを「定評のある」の前にそのまま置けるようになり、文章にバリエーションを持たせたいときに便利な応用形です。

「定評のある」の例文で使い方を確認する

  • 【例文1】このメーカーの工作機械は耐久性の高さに定評があり、国内外の工場で長年使われ続けています
  • 【例文2】彼の市場分析力には社内でも定評があるため、重要なプロジェクトの企画段階から声がかかります
  • 【例文3】当店は焼きたてパンの香ばしさに定評があるカフェとして、地元で長年親しまれています
  • 【例文4】このクラウド会計ソフトはサポート対応の丁寧さに定評があり、導入企業からの評価も高いです
  • 【例文5】彼女はどんな生徒にも根気強く向き合うことで定評のある先生として保護者からも信頼されています
  • 【例文6】彼は冷静な判断力に定評のあるリーダーで、トラブル対応を任されることが多いです

評価の対象を「耐久性」や「対応の丁寧さ」のようにはっきり示すほど、読み手に伝わる説得力が増すのがこの表現の特徴です。

商品やサービスの紹介文で使うと、初めて利用する人にも安心感を与えられます。

ビジネス文書やレポートでは、数字だけでは伝えきれない実績や能力の高さを客観的に伝えたい場面でよく使われています。

社内評価や取引先への説明など、信頼性が重要になる文脈と相性のよい表現です。

人物評で使う場合は、一時的な評判ではなく、周囲からの信頼を長年かけて積み重ねてきた結果であることを伝えられます。

短期間の印象ではなく積み重ねの結果だと示せる点が、この表現を選ぶ大きな理由です。

「定評のある」の類語・言い換え表現

「定評のある」と似た表現には「折り紙付き」「お墨付き」があり、どちらもビジネスの場面などで高い評価を表す言葉として使われます。

似た場面で使われるため、意味の違いを混同してしまう人も少なくありません。

「折り紙付き」は品質や腕前が確かであることを、信頼できる立場の人や機関がすでに保証している様子を表す言葉です。

一方「お墨付き」は権威者や専門家から公式に認められていることを強調したいときに使われます。

「定評のある」はこれらと違い、特定の誰かが保証したわけではなく、世間一般の評価が長い時間をかけて積み重なった結果を表す点が特徴です。

保証した人物や機関を特定できない分、より客観的な印象を与えられます。

「名高い」や「名声がある」も近い意味を持つ表現として挙げられますが、これらは主に知名度の高さそのものを表す言葉です。

実際にどんな点が評価されているかよりも「広く知られている」という事実に重点が置かれている点が「定評のある」との違いです。

権威による保証を伝えたいときは「お墨付き」、世間からの評価の高さをじっくり伝えたいときは「定評のある」というように、場面に応じて使い分けると伝わる印象が変わります。

言葉を選ぶ際は、誰が評価しているのかという視点を意識すると迷いにくくなります。

「定評のある」を英語で表現するとどうなるか

「定評のある」は英語で「well-reputed」「renowned」「well-established」などと表現でき、文脈によって使い分けられます。

例えば「a well-reputed company(定評のある会社)」のように、形容詞として名詞の前に置いて使います。

「well-reputed」は評判の良さを直接的に伝えたいときに使いやすい表現で、ビジネス文書やニュース記事でもなじみのある言い方です。

「renowned」は知名度の高さを含むため、広く知れ渡っている有名な人物や観光地などを紹介する文章でもよく使われます。

一方「well-established」は実績や歴史の積み重ねを強調したいときに適した表現で、老舗の企業などを紹介する際にも使われます。

日本語の「定評のある」が持つ「多くの人の評価が積み重なった結果」という独特のニュアンスは、英語の一語だけでは伝わりにくいものです。

「has a good reputation for ~」のように説明的な言い回しを使うと、ニュアンスを補いやすくなります。

英語で表現する際は文脈に応じて単語を選び分け、必要なら補足説明を加えると意図が伝わりやすくなります。

ビジネスメールか日常会話かによっても、選ぶべき言葉は変わってきます。

「定評のある」を使う際に注意すべき点

「定評のある」は、根拠が乏しい対象や裏付けのない噂話に使うと、読み手に誤解を与えてしまいます。

実際に高く評価されている事実がないのに使うと、誇大広告のような印象を与え、かえって信頼を失うおそれがあるため注意しましょう。

実際には十分な評価が定まっていないものに安易に使うと、文章全体の信頼性を損なう原因になります。

「定評」は短期間の人気ではなく、ある程度長い期間にわたって多くの人から繰り返し支持されて初めて成り立つ言葉だと意識しておきましょう。

また「定評のある」はあくまで良い評価が定着している場合に使う言葉なので、欠点や失敗のようなネガティブな文脈では使えません。

「悪い意味で定評がある」「定評のある悪癖」といった使い方は誤用にあたるため注意が必要です。

似たような理由から、皮肉や冗談を込めて「定評のある遅刻癖」のように使うことも基本的にはできない表現です。

誤解を避けるためにも、素直に良い評価を伝えたい場面だけで使うようにしましょう。

さらに、商品説明でもレポートでも「定評のある」を多用してしまうと、一つひとつの評価の重みが薄れ、かえって説得力が下がってしまいます。

本当に実績があり、根拠を示せる対象に絞って使うことが、この表現の効果を引き出す一番のポイントです。

「定評のある」の意味と使い方まとめ

まとめ
  • 「定評のある」は、多くの人からの高い評価が長い時間をかけて定着している様子を表す、信頼感のある言葉です。
  • 読み方は「ていひょうのある」で、送り仮名を含めても特に難しい読み方ではありません。
  • ビジネス文書やレポート、商品やサービスの紹介文、人物評まで、幅広い場面で説得力を添えられる表現です。
  • 「折り紙付き」「お墨付き」「名高い」などの類語とは、評価の根拠や主体という点で意味合いが異なります。

ここまで「定評のある」の意味や読み方、例文、類語との違いまで詳しく見てきました。

改めて振り返ることで、どんな場面でこの言葉を使えばよいのかが整理しやすくなり、実際の文章にも活かせるようになります。

「定評のある」は一時的な評判ではなく、多くの人の評価が長い時間をかけて積み重なり、簡単には揺らがない信頼として定着した状態を表す言葉です。

だからこそ、根拠のない対象に使うと誇大な印象を与え、誤解を招いてしまう点にも注意が必要でした。

類語との違いを意識しながら、きちんと根拠のある対象を選んで使うことで、ビジネスでも日常でも文章の説得力をぐっと高めていけます。

「定評のある」を正しく使いこなして、読み手の信頼を得られる文章を書いていきましょう。