「居住年数」の読み方
「居住年数」は「きょじゅうねんすう」と読み、これ以外の読み方はありません。
「居住」は「きょじゅう」、「年数」は「ねんすう」とそれぞれ音読みで読み、二つの言葉がつながって一語になった熟語です。
「年数」は「勤続年数」や「築年数」など他の言葉にもよく使われる読み方で、「数」を訓読みの「かず」にした「ねんかず」とは読まない点も合わせて覚えておくと安心です。
「居」には訓読みで「い(る)」という読み方もあるため、つい「いじゅうねんすう」と誤読してしまう方が見られますが、「居住」も「年数」もすべて音読みで読む熟語なので、訓読みが混ざることはありません。
- ✕ いじゅうねんすう → ○ きょじゅうねんすう
- ✕ きょじゅうとしかず → ○ きょじゅうねんすう
「居住地」「居住者」「居住空間」「居住実態」など、「居住」がつく言葉はどれも「きょじゅう」と読むため、関連語とまとめて覚えておくと読み間違いを防げます。
普段あまり使わない言葉だからこそ、一度正しい読み方を押さえておくと、似た言葉に出会ったときにも応用できます。
永住許可の申請書や住宅ローンの契約書、賃貸借契約書など、ふりがなの振られていないあらたまった文書で使われることが多いため、窓口で読み方をたずねられたときにもすぐに答えられるようにしておくと安心です。
文章で読むときも会話で使うときも、読み方が変わることはありません。
「居住年数」の意味とは
「居住年数」とは、ある場所に住み続けている期間を年単位で表した言葉です。
「お住まいになってどれくらいですか」という問いに、年数で答える場面を思い浮かべると分かりやすい言葉です。
「居住年数」は単に「住んでいる期間」ではなく、継続してひとつの場所に生活の基盤を置いていることを前提にした言葉で、一時的に泊まっているだけの期間は含まれません。
「居住」はもともと「一定の場所に生活の基盤を置いて住むこと」を意味し、出張先のホテルや旅行先での滞在のような一時的な寝泊まりとは区別される言葉です。
似た意味の「在住年数」「定住年数」という言葉もありますが、役所の書類や金融機関の審査で標準的に使われるのは「居住年数」のほうです。
そのため引っ越しや転居をはさんだ場合は、原則として新しい住所に移った時点から年数を数え直すことになり、同じ市区町村内での転居であっても、住所そのものが変わればそれまでの年数はリセットされるのが基本です。
一方で単身赴任先のアパートのように、生活の基盤が実質的にそこにある場合は、その住所での居住年数として数えられます。
日常会話で「ここに住んでから何年?」と聞くときよりも、永住許可の申請や住宅ローンの審査、賃貸の原状回復の算定など、制度や手続きの場面であらたまって使われることが多い言葉です。
そのぶん「居住年数」は、感覚的な年数ではなく、住民票などの記録にもとづいて客観的に証明できる年数であることが重視されます。
「居住年数」の数え方・計算方法
「居住年数」は、実際にその住所に住み始めた日を起点に数えます。
たとえば2020年4月に入居した場合、2026年の時点での居住年数は6年ということになります。
賃貸であれば入居日、持ち家であれば引っ越しが完了した日が基準となりますが、住民票上の転入日と実際に住み始めた日がずれる場合は、住民票の転入日が基準とされることもあります。
転入届は引っ越しから14日以内に提出するルールのため、通常は数日程度のずれにとどまります。
公的な手続きで居住年数を証明する際は、住民票に記録された転入日からの経過期間が基準になります。
- 賃貸の入居日・持ち家への引っ越し日
- 住民票に記録された転入日
- 賃貸借契約書に記載された契約開始日
1年未満の期間は切り下げて数えるのが一般的で、11か月住んでいても「1年」とは数えない一方、10年と数か月住んでいれば余りの月数は繰り上げず「10年」として扱われます。
この数え方は、誕生日前には1歳加算しない年齢の数え方と似ています。
長期の出張や入院などで一時的に住所を離れていた空白期間があっても、生活の基盤がその住所にあり続けていれば居住年数として継続して数えられますが、以前の住所を退去してから新しい住所に転入するまでの間に期間が空いた場合は、その空白期間は居住年数に含まれません。
実家に一時的に身を寄せていた期間なども、同様に扱われるのが基本です。
永住許可申請で問われる「居住年数」の要件
永住許可の申請では、「居住年数」が審査のなかでも重要な判断材料のひとつになり、在留カードや出入国の記録をもとに確認されます。
ほかの審査項目とあわせて、生活や在留の安定性を見るための土台として扱われます。
永住許可には、原則として引き続き10年以上日本に在留していることという「居住年数」の基準があります。
この10年のうち、就労資格(技術・人文知識・国際業務など)や居住資格(日本人の配偶者等など)で引き続き5年以上在留していることも併せて求められます。
短期的な旅行や出張程度の出国なら通算に影響しませんが、長期間にわたって海外に出国していた期間があると、継続した在留とみなされないことがあります。
日本人や永住者と結婚している配偶者、その実子にあたる人、高度専門職のポイント制で高い評価を得ている人などは、居住年数の基準が短縮される代表的なケースで、主な例は次のとおりです。
- 日本人・永住者の配偶者や実子:在留3年程度
- 高度専門職ポイント制で高得点:在留3年または1年
どの特例に当たるかによって必要な居住年数は大きく変わるため、自分の在留資格でどの基準が適用されるのかを事前に確認しておくことが大切です。
居住年数が基準に届かない場合は、条件を満たすまで在留を続けるか、別の在留資格への変更を検討する必要があります。
住宅ローンの審査に関わる「居住年数」の重要性
住宅ローンの審査では、申込者が現在の住所にどのくらいの「居住年数」で住んでいるかが申込書の記入項目として確認されます。
勤続年数と同じように、生活の安定度を見るための手がかりとして、多くの金融機関が申込書で尋ねる項目です。
現在の住所での居住年数が長いほど、生活の安定性を示す材料として評価されやすくなります。
転居を繰り返している人や居住年数が1年未満の人は、それだけで融資を断られるわけではありませんが、勤務先の安定性や勤続年数、家族構成など他の項目で補って判断されることがあります。
短期間での転居が続くと、収入や生活環境が不安定だと受け取られやすいためです。
居住年数が短い場合は、以前の住所での居住期間がわかる補足資料の提出を求められることがあります。
転職と転居が同時期に重なっていると、特に丁寧な説明を求められることもあります。
- 賃貸借契約書
- 転居履歴がわかる住民票の写し
- 勤務先発行の在籍証明書
居住年数だけで融資の可否が決まるわけではありませんが、勤続年数や信用情報、年収などと並ぶ審査項目のひとつとして扱われています。
すでに持ち家があり住み替えを検討している場合は、現在の持ち家での居住年数が長いほど、安定した生活実績として評価されることもあります。
賃貸物件の「居住年数」が原状回復費用を左右する理由
賃貸物件を退去するとき、「居住年数」は原状回復費用の負担割合に直結する重要な要素です。
国土交通省のガイドラインでは、時間の経過による自然な劣化(経年変化)や通常の使い方による損耗は借主の負担ではなく、すでに賃料に含まれているという考え方が示されており、借主が負担するのは故意や過失、通常の使い方を超える使用による傷や汚れに限られます。
日照による畳や壁紙の変色、家具を置いていたことでできる多少の跡なども、通常の生活で生じるものとして借主の負担にはなりません。
居住年数が長くなるほど、設備や内装の資産価値が減っていくため、借主が負担する原状回復費用は少なくなる仕組みです。
たとえば壁紙(クロス)は6年ほどで資産価値がほぼなくなるという考え方が示されており、居住年数がそれに近いほど張り替え費用の借主負担は軽くなります。
床材や設備にもそれぞれ年数に応じた残存価値の考え方があり、居住年数が長い部屋ほど借主が負担する金額は小さくなっていきます。
退去時のトラブルを避けるためには、居住年数と経年劣化の関係を踏まえて、請求内容が妥当かどうかを確認することが大切です。
敷金から差し引かれる金額に納得できない場合は、国土交通省のガイドラインを参考に説明を求めることもできます。
- 入居時の部屋の状態を写真や動画で記録しておく
- 国交省ガイドラインの考え方と契約内容を照らし合わせる
- 居住年数に応じた経年劣化分が請求に反映されているか確認する
住宅ローン控除の適用に必要な「居住年数」の条件
住宅ローン控除は、正式には「住宅借入金等特別控除」と呼ばれる制度で、マイホーム取得を後押しする代表的な税優遇です。
名前のとおり、その住宅に実際に居住していることが適用の大前提になっています。
取得や新築からおおむね6か月以内に入居し、居住を始めた年から各年の12月31日まで住み続けていることが居住要件の基本です。
この入居期限を過ぎてしまうと、その年分の控除はそもそも受けられなくなるため、引き渡しから入居までの期間が空きがちな人は注意が必要です。
控除を受けられる期間は制度改正のたびに見直されており、住宅の環境性能や取得時期によって原則10年、長い場合は13年となるなど幅があります。
悩ましいのが、転勤など急な事情で住めなくなったときの扱いで、特に転勤が多い会社員にとっては気になるところでしょう。
単身赴任で家族だけが自宅に住み続けているなら控除は継続しますが、家族ごと転居すると居住の実態がなくなり、一時的に控除が止まります。
ただし転居後に再び戻って住み始めた場合は、所定の届出をすることで控除を再開できる特例もあるので、該当しそうな人は早めに制度の詳細を確認しておくと安心です。
確定申告では居住年数を裏付けるため、初年度に住民票の写しや登記事項証明書、借入金の年末残高証明書などの書類をそろえて提出します。
給与所得者であれば2年目以降、税務署から送られる「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」と年末残高証明書を勤務先に提出するだけで、年末調整により控除を受けられ、確定申告のような煩雑な手続きは不要になります。
「居住年数」を証明するために使う書類
「居住年数」を証明する際にまず使われるのが、住んでいる市区町村役場で取得できる住民票や住民票の除票です。
住民票には転入した日が記載されているため、今の住所にいつから住んでいるかを客観的に示せ、公的な本人確認書類としても扱われます。
すでに引っ越した住所について証明したい場合は、転出後に発行される住民票の除票が役立ちます。
保存期間が決まっているため、古い住所の履歴が必要なときは、本籍地で取得できる戸籍の附票もあわせて確認すると安心です。
賃貸物件であれば賃貸借契約書に記載された契約開始日、持ち家であれば法務局で取得できる登記簿謄本に記載された所有権移転の年月日も、居住年数を裏付ける有力な証拠になります。
ただし住民票の住所と実際の居住地が異なっていると証明が複雑になるため、引っ越しの際はできるだけ早く住所変更をしておくことが大切です。
こうした書類が必要になる代表的な場面が、永住許可の申請や住宅ローン控除の確定申告です。
ほかにも公営住宅への入居申込みや各種ローンの審査、転職時の身元確認など、行政手続きや金融機関とのやり取りで居住年数の証明を求められる場面は少なくありません。
用途に応じて複数の書類を組み合わせることで、より正確かつスムーズに居住年数を示すことができます。
最近は住民票の写しをコンビニ交付で取得できる自治体も増えているので、必要になったときは早めに発行方法を確認しておきましょう。
「居住年数」の由来・成り立ち
「居住年数」は、「居住」と「年数」という二つの言葉が組み合わさってできた言葉です。
「居」は居間や新居、「住」は住所や住宅というように、どちらも暮らしに関わる言葉でよく見かける漢字です。
「居」も「住」も、もともとは「すむ・とどまる」という意味を持つ漢字です。
似た意味の漢字を重ねたうえ、「居住」を「きょじゅう」、「年数」を「ねんすう」と音読みで通すことで、単に「住む」と言うよりも改まった、書き言葉らしい響きが生まれています。
そこに「年数」、つまり年の数を数える言葉が加わることで、「住んでいる」という状態そのものを具体的な期間として数値化できる言葉になりました。
感覚的に「長く住んでいる」と言うよりも、「居住年数〇年」と表したほうが誰にとっても同じ基準で伝わります。
こうした性質があるため、「居住年数」は日常会話よりも法律や行政の文書で重宝されてきました。
「居住者」「居住地」といった「居住」を使う言葉に加え、勤続年数や経験年数のように「年数」を使って積み重ねた期間を表す言葉も多く、「居住年数」はその両方の性質を受け継いだ言葉だといえます。
永住許可や税制など、客観的な基準が欠かせない制度の中で使われ続けるうちに、「居住年数」という言葉自体が制度用語として定着していったと言われています。
日常会話なら「住んでいる期間」と言えば済むところを、制度の文章ではあえてこの硬い言い方が選ばれてきたとも言えるでしょう。
「居住年数」を使った例文
- 【例文1】永住許可を申請するには、一定の居住年数を満たしている必要があります
- 【例文2】審査では、これまでの居住年数が在留状況の安定性を示す材料になります
- 【例文3】住宅ローン控除を受けられるかどうかは、居住年数の条件を満たしているかで決まります
- 【例文4】賃貸物件を退去するとき、居住年数が長いほど原状回復費用が抑えられることがあります
- 【例文5】この家での居住年数も、気づけばもう十年を超えていました
- 【例文6】転勤が多かったので、ひとつの土地での居住年数は長くありません
永住申請の場面では、「居住年数」が審査の基準に関わる重みのある言葉として使われます。
こうした公的な場面では、「引き続き〇年以上」のように具体的な年数とセットで使われ、一日でも条件に満たないと認められないこともある厳密さが求められます。
住宅ローンや賃貸の場面でも同様に、居住年数は税制上の条件や費用の金額を左右する具体的な数字として扱われます。
これらの場面では日数や月数まで細かく計算されることもあり、感覚ではなく記録に基づいた数字として扱われる点が共通しています。
一方で日常会話では、正確な年数を計算していなくても「長く住んでいる感覚」を表すために気軽に使われます。
同じ「居住年数」という言葉でも、使う場面によって厳密さの度合いが大きく変わってくるのが、この言葉のおもしろいところです。
「居住年数」のまとめ
- 「居住年数」は「きょじゅうねんすう」と読み、ある場所にどれくらいの期間、継続して住み続けているかを表す言葉です。
- 永住許可の審査では、法律で定められた年数を引き続き満たしているかどうかが重要な判断材料になります。
- 住宅ローン控除や賃貸契約では、居住年数の長さが税制上の控除期間や原状回復費用の算定に関わります。
- 住民票や賃貸借契約書、登記簿謄本などの書類をそろえることで、居住年数を客観的に証明できます。
「居住年数」は、単に住んでいる期間を表すだけでなく、永住許可や税制、賃貸契約など複数の制度に関わる言葉です。
使われる場面によって、求められる重みや厳密さ、確認される書類の種類まで変わってくる言葉でもあります。
永住許可の申請では在留の安定性を示す基準になり、住宅ローンや賃貸契約では税金や費用を左右する実務的な数字になります。
一方で日常会話では、正確さにこだわらず、ふと振り返ったときの「長く住んでいる感覚」を表す言葉としても使われます。
実際に居住年数が問題になったときは、住民票や契約書などの手元の書類をまず確認しましょう。
書類の種類は場面によって異なるため、どの書類が必要になるのか事前に確認し、判断に迷う複雑なケースでは専門家に相談しながら早めに準備しておくとスムーズです。