「態度を示す」とは?意味や例文や読み方や由来について解説!

「態度を示す」の意味とは?

「態度を示す」とは、心の中にある考えや気持ちを、表情・言葉・行動といった目に見える具体的な形で、はっきりと相手に向けて表すことを意味する表現です。

示される態度の中身が好意的であるか否定的であるかは問わず、どちらの場合にも使うことができます。

単に心の中で何かを感じたり思ったりするだけでは足りず、それが相手に伝わる具体的な形になって初めて「態度を示す」と言えるのが、この表現の最大のポイントです。

たとえば会議の場で、賛成か反対かを頭の中だけで考えている段階では、まだ「態度を示した」とは言えません。

実際にうなずいたり発言したり、あるいは資料に目を通す素振りを見せたりして初めて、そこで態度が示されたことになります。

「感じる」や「思う」が自分の内側だけで完結する言葉であるのに対し、「示す」は必ず相手という受け手に向けて外部へ表出される点で、両者は本質的に異なります。

誰も見ていない場所で一人だけ考えや感情をめぐらせていても、それだけでは「態度を示す」とは呼びにくいのです。

つまり「態度を示す」とは、感情や考えそのものを指す言葉ではなく、それが相手に伝わる形で外に現れたという「表出」の事実そのものに焦点を当てた表現なのです。

自分から「態度を示す」と名乗ることは少なく、多くの場合は周囲や第三者が、誰かの振る舞いを観察して評価するときに使う、客観的な描写としての性格が強い表現だと言えるでしょう。

「態度を示す」の読み方

「態度を示す」は「たいどをしめす」と読み、辞書によって読み方が分かれるようなこともない、特別なルールのない素直な読み方です。

「態度」も「示す」もどちらも小学校の国語で習う基本的な語であり、難しい当て字や特殊な読み方を含まないため、読み方に特別な揺れや例外は存在しない、迷いようのない読み方です。

「態度」は音読みで「たいど」、「示す」は訓読みで「しめす」と読む、漢字の読み方としてはごく素直な組み合わせになっています。

「態」と「示」はどちらも小学五年生で習う教育漢字、「度」は小学三年生で習う教育漢字であり、中学や高校になって新たに学習するような特別な漢字ではなく、学校教育の範囲内で自然に身につく、なじみ深い字だと言えるでしょう。

なお「示」という漢字は「表示」や「指示」「掲示」といった熟語では音読みの「ジ」と読まれますが、「態度を示す」のように単独の動詞として使うときは訓読みの「しめす」になるという違いがあります。

字面の似た「事態」や「実態」などの熟語と混同し、「じたいをしめす」のように誤って読んでしまうケースもまれに見られるため、注意しておきたいところです。

似た漢字や熟語、似た読み方の言葉につられることなく、常に「たいどをしめす」とだけ読むことを意識しておきましょう。

たとえばニュースで「厳しい態度を示す」という一文を見かけたら、「きびしい・たいどを・しめす」とそのまま素直に読めば間違いありません。

「態度を示す」の成り立ち・由来

「態度」という熟語は、「態(すがた・ありさま)」と「度(程度・ものさし)」という、それぞれ独立した意味を持つ二つの漢字が組み合わさって成り立っていると言われています。

見た目にはやや硬い印象を与える熟語ですが、分解してみると、それぞれの漢字が持つ素朴な意味の組み合わせにすぎないことがわかります。

姿かたちやありさまを表す「態」と、物事の程度をはかる「度」が組み合わさることで、目には見えない心のありようを測る尺度のような意味合いが生まれたと考えられています。

一方の「示す」は、内側に持っているものを外に向けて指し示す、提示するという意味を持つ動詞です。

「地図を示す」「証拠を示す」「道筋を示す」のように、形のあるものから抽象的な考えまで、幅広い対象と結びつくことができる応用範囲の広い動詞だと言えるでしょう。

この二つが結びついた「態度を示す」は、名詞である「態度」を目的語として動詞「示す」が受ける、「〜を〜する」というごく基本的な構造の動詞句にすぎません。

構造自体は単純であるからこそ、日常会話からビジネス文書、外交や政治の報道記事まで、幅広い場面で無理なく使いこなせる表現として根づいています。

もともと別々の意味を持っていた「態」「度」「示す」という要素が結びつき、目に見えない心のありようを他者に伝えるための実用的な表現として、現在の形に定着していったと考えられています。

「態度を示す」の使い方・文法的なポイント

「態度を示す」は、「〜という態度を示す」や「〜に対して〇〇な態度を示す」といった形で、日常会話からビジネスの文書、報道記事まで幅広く使われる表現です。

助詞は基本的に「態度を示す」と「を」を用い、相手や対象をはっきりさせたいときには「〜に対して」「〜について」を補って使います。

「態度」の前には、肯定的・否定的・強硬・慎重・前向きといった、方向性やニュアンスを表す形容語が付きやすいという大きな特徴があります。

たとえば「前向きな態度を示す」と「強硬な態度を示す」では、同じ「示す」という動詞を使っていても、文全体から伝わる印象はまったく異なるものになります。

「慎重な態度を示す」のように判断を保留する姿勢を表す形容語もよく使われ、形容語を一つ変えるだけで細かいニュアンスを自在に調整できる点が、この表現の便利なところです。

また、この表現の主語になれるのは個人だけに限りません。

企業や政府、業界団体といった組織や集団も自然に主語として使うことができ、「〇〇社は前向きな態度を示した」「政府は慎重な態度を示している」のような形で、ニュースや報道記事にも頻繁に登場します。

「態度を示している」のように進行形に近い形にすれば継続中の姿勢を、「態度を示した」と過去形にすれば一度取られた行動を表すというように、時制によって伝わる意味合いが微妙に変わる点も見逃せません。

「態度を示す」と「態度で示す」の違い

「態度を示す」と「態度で示す」は、漢字の並びこそよく似ていますが、助詞が一字違うだけで文の構造や伝わる意味、さらには後に続く言葉の自由度まで大きく変わってきます。

「態度を示す」は「態度」そのものが示される対象であり、自分の立場や考え方そのものを相手にはっきりと見せる表現で、文中では単独の目的語として機能します。

一方の「態度で示す」は、「態度」が手段となり、感謝や決意、誠意など、態度以外の何かを示すときに使われる表現です。

この場合の「態度」はあくまで気持ちを相手に伝えるための手段であり、文の主役は「感謝」や「決意」といった、示される側の言葉のほうになります。

たとえば「感謝の気持ちを態度で示す」という文では、実際に示されているのは態度そのものではなく「感謝の気持ち」のほうです。

これに対して「反省の態度を示す」という文では、示されているのは「反省の態度」そのものであり、助詞一字の違いによって何が目的語で何が手段なのかという文の構造がまったく変わってくるのです。

混同しやすい表現だからこそ、書くときも読むときも「を」と「で」のどちらが使われているかに注目し、何が示される対象で何が手段なのかを正確に捉えることが大切です。

迷ったときは、「態度を/で示す」の部分を「態度そのものを見せる」のか「態度を手段にして何かを伝える」のかに置き換えて考えると、判断しやすくなります。

ビジネス・ニュースで使われる「態度を示す」の具体例

「態度を示す」は、外交や政治に関する報道で特によく見かける、いわば定番ともいえる表現です。

断定を避けつつ立場だけを伝えられる便利さがある一方で、使いすぎると具体的に何をしたのかが伝わりにくくなるという側面も持っています。

「政府は慎重な態度を示した」「両国は協調する態度を示した」「〇〇社は買収に前向きな態度を示している」といった形で、断定を避けながらも現時点での立場を伝える、定型的な言い回しとして使われています。

会見や声明文など、発言の一つひとつが正式な記録として扱われる場面だからこそ、言い切りを避けられるこの表現が選ばれやすいとも言えるでしょう。

断定的な結論をまだ出せない段階でも、現時点での立場や方向性だけをやわらかく伝えられる点が、報道の現場でこの表現が重宝される大きな理由です。

ビジネスの場面でも、会議やメールでの意思表明として使われることが少なくありません。

「前向きな態度を示す」と書けば、まだ正式な決定事項ではなくとも、好意的な方向性だけをやわらかく相手に伝えることができ、取引先への返信メールや社内での報告など、社内外への配慮が求められる場面で重宝されます。

白黒をはっきりさせにくい状況でも、断定を避けながら角を立てずに自分や組織の立場を示せることが、この表現が報道でもビジネス文書でも好まれる理由だと言えるでしょう。

「態度を示す」を使った例文

  • 【例文1】彼は友人の意見に対して、素直に賛成する態度を示しました
  • 【例文2】彼女はテスト前に、真剣に取り組む態度を示していました
  • 【例文3】当社は値上げの要請に対して、慎重な態度を示す予定です
  • 【例文4】市は住民説明会で、計画を見直す態度を示したと報じられた
  • 【例文5】彼はどちらの味方になるのか、最後まで態度を示しませんでした
  • 【例文6】あなたはこの件について、どのような態度を示すつもりですか

例文を見ると、「素直な」「慎重な」のように前に置く言葉次第で、同じ「態度を示す」でも伝わる印象が大きく変わります。

家庭や学校のような身近な場面では柔らかい言葉と組み合わせ、公式な発表では硬めの言葉を選ぶと違和感がありません。

個人の気持ちだけでなく、企業や自治体の方針を伝える場面でも「態度を示す」は自然に使えます。

例文3や例文4のように、主語が人でも組織でも不自然さがありません。

否定形の「態度を示さない」は態度を保留している状況を、疑問形は相手の意向をやわらかく尋ねる言い方になります。

どちらも相手を責めるような響きにならず、丁寧な印象を保てる点が便利です。

「態度を示す」の類語・言い換え表現

近い意味を持つ言葉には「姿勢を示す」「スタンスを見せる」「意思表示をする」などがあります。

いずれも自分の考えや立場を、言葉や行動を通じて相手に明確に伝える点で、「態度を示す」と重なります。

「姿勢を示す」は人としての基本的な構えや心構えを表すときに使われる、やや硬めの表現です。

謝罪や反省の気持ちだけでなく、信念や覚悟の強さを語る場面でもよく選ばれます。

「スタンスを見せる」はカジュアルな響きを持ち、議論や交渉での立場を軽やかに伝える場面に向いています。

会議の雑談やSNSでの発言など、かしこまらない場でも気軽に使いやすい言葉です。

「態度を取る」「態度に出す」は似ていますが、意図して伝えるというより、感情や本音が自然にあふれ出るニュアンスを持ちます。

「態度を示す」が能動的な行為であるのに対し、これらはやや受け身的で、本人も気づかないうちに表れる響きを持つ違いがあります。

硬い文書では「意思表示をする」、日常会話では「スタンスを見せる」のように、場面に応じて選び分けると伝わり方が整います。

フォーマル度を意識するだけで、読み手や聞き手に与える印象もぐっと引き締まります。

「態度を示す」の対義語・反対のニュアンスを持つ表現

「態度を示す」と反対の意味を持つ表現には「態度を隠す」「本音を見せない」などがあります。

いずれも自分の考えや気持ちを相手に伝えずにとどめておくという点で、「態度を示す」とは正反対の方向を向いています。

これらは、自分の考えや気持ちを相手にわからないようにする様子を表します。

本心を探られたくない場面や、角を立てずに慎重に振る舞いたい場面で選ばれやすい表現です。

「態度をはっきりさせない」「態度を曖昧にする」は、まだ判断や決断ができていない状態を表す点で「態度を示す」と対照的です。

結論を急がず、周囲の様子を見ながら構えたいときによく使われます。

「日和見な態度をとる」は、有利な方につこうとして立場を明確にしない様子を指す、やや批判的な響きを持つ表現です。

信念よりも損得を優先しているという、ネガティブな評価を含むことが多くなります。

こうした対義語を知っておくと、「態度を示す」が持つ「積極的に意思を伝える」という性質がより鮮明に見えてきます。

反対の言葉と並べてみることで、普段は意識しない言葉の輪郭がくっきりと浮かび上がります。

英語で「態度を示す」はどう表現する?

「態度を示す」は英語で「show an attitude」や「display an attitude」と表現できます。

どちらも日本語の「態度を示す」に近い、直訳的な言い方です。

ただし英語の「attitude」は日本語より否定的な響きを持つことがあるため、使う場面には注意が必要です。

「have an attitude」のように使うと、反抗的でわがままな態度を指す場合もあります。

意見や立場を伝える文脈では「take a stance」や「express one’s position」の方が、ビジネスの現場では自然に響きます。

交渉や会議の議事録を英訳する際には、こちらの表現のほうがよく使われます。

日常会話で感情的な素振りを指すなら「show an attitude」、会議や文書で立場を明確にするなら「take a stance」を選ぶとよいでしょう。

相手や場面に応じて言葉を選ぶのは、日本語も英語も変わりません。

このように英語でも、日本語の「態度を示す」と同じく場面に応じた訳し分けが求められます。

一対一で対応する訳語がない言葉だと知っておくだけで、不自然な誤訳を防ぐ助けになります。

「態度を示す」についてのまとめ

まとめ
  • 「態度を示す」は読み方「たいどをしめす」で、考えや気持ちを行動や言葉で明確に伝えることを意味します。
  • 「態度で示す」との違いを意識すると、「を」は対象、「で」は手段を表す点で使い分けられます。
  • 「姿勢を示す」「スタンスを見せる」などの類語は、フォーマル度や場面によって選び分けると自然です。
  • 「態度を隠す」「日和見な態度をとる」などの対義語を知ると、言葉の輪郭がより鮮明になります。

ここまで、「態度を示す」の意味や読み方、「態度」と「示す」という成り立ちから、例文、類語・対義語までを見てきました。

一つの言葉を多角的に見てみると、普段何気なく使っている表現の奥深さに気づかされます。

「を」と「で」のわずかな違いを意識するだけで、文章の説得力はぐっと増します。

些細な助詞の選択が、読み手に与える印象を大きく左右するのです。

場面や相手に合わせて類語や対義語も使い分けられるようになると、「態度を示す」という言葉をより自信を持って使えるようになるはずです。

ビジネスの文書から日常のちょっとした会話まで、ぜひ活用してみてください。