「設けました」とは?意味や例文や読み方や由来について解説!

「設けました」の読み方と注意点

「設けました」は「もうけました」と読みます。

ふだんの会話よりも、文章の中で目にすることが多い読み方です。

「設」という漢字は「設置」「設立」などの熟語では「セツ」と読まれますが、これは「設けました」には当てはまりません。

「〜を設ける」のように動詞として使うときは必ず訓読みになるため、「設けました」はどのような文脈でも「もうけました」と読みます。

注意したいのは、同じ「もうけました」と読む「儲けました」と混同してしまうことです。

「設ける」は場や機会を準備するという意味で、「儲ける」は利益を得るという意味なので、使われる漢字も伝えたい内容も全く異なります。

特にビジネス文書の中でこの言葉を流し読みしてしまうと、「窓口」や「機会」といった後ろの言葉を見落として、意味を一瞬「儲けた」と取り違えてしまう人も少なくありません。

パソコンやスマートフォンで「もうけました」と変換する際も、使用頻度の高い「儲けました」が先に表示されやすいため、変換候補の漢字をしっかり確認してから送信する習慣をつけると安心です。

見分け方のヒントとして、近くに「お金」や「利益」があれば「儲け」、「窓口」や「機会」のように制度に関する言葉があれば「設け」と判断すると、意味を取り違えにくくなります。

会議やニュースなど耳だけで聞く場面でも、この判断基準は役立ちます。

「設けました」の意味とは

「設けました」は、場や機会、制度などを新たに準備して作ったことを表す言葉です。

個人の行動よりも、会社やお店、自治体などが主体となって使われることの多い言葉です。

何もなかったところに、必要な枠組みを整えて用意したというニュアンスが、この言葉の核になっています。

自分や自分の組織のためではなく、相手やみんなが使えるようにという、相手本位の気持ちが背景にあることも多いです。

対象になりやすいのは、機会・場・席・窓口・期間・ルールといった、形として触れられない仕組みや制度のようなものです。

机や看板のような具体的な物を指して使うことは少なく、人が利用したり参加したりするための枠組みに対して使われる傾向があります。

日常会話で使われる「作りました」や「用意しました」よりも改まった響きを持つ言葉で、「このたび」「新たに」といった言葉とともに使われることが多く、案内文の冒頭になじみやすい表現です。

そのため、友人同士のカジュアルな会話で使うと、少し堅すぎる印象を与えることがあります。

同じ「準備する」という行為でも、ちょっとした頼まれ事には「用意しました」が選ばれやすく、会社としての制度や仕組みには「設けました」が選ばれやすいという違いがあります。

機械などを据え付けるときは「設置しました」が使われ、「設けました」は主に無形のものに使われるという違いもあります。

「設けました」の使い方(文法的なポイント)

「設けました」は、動詞「設ける」の連用形に、過去を表す助動詞「ました」が付いた形です。

多くの文では「〜のために、…を設けました」のように、目的を表す「ため」とセットで使われ、何のための準備かが一文で伝わる構成になります。

「設ける」は下一段活用の動詞で、「設けない・設けます・設ける・設ければ・設けろ」のように語尾が変化し、テ形は「設けて」になります。

同じ下一段活用には「開ける」や「受ける」などの動詞があり、活用のパターンが共通しているため、一緒に覚えると理解しやすくなります。

基本の文型は「〜を設けました」で、助詞「を」の前には必ず準備した対象となる言葉が入ります。

過去の否定形は「設けませんでした」で、「設けなかった」よりも丁寧な響きになります。

「設ける」は目的語を必要とする他動詞なので、「機会を設ける」「窓口を設ける」のように、何を用意したのかを示さないと文として成立しません。

「場が設けました」のように「が」を使って主語のように置くことはできないので、設けた対象には必ず「を」を付けるという点を意識すると、文の形を整えやすくなります。

また、「ました」は丁寧の助動詞「ます」の過去形なので、カジュアルな「設けた」と比べると、文全体が一段丁寧な響きになります。

文をつなげたいときには、「〜を設けて、対応しております」のように「設けて」の形がよく使われます。

「設けました」を使った例文

  • 【例文1】お客様からのご意見を伺うため、専用の相談窓口を設けました
  • 【例文2】社員同士の交流を深める目的で、懇親会の場を設けました
  • 【例文3】今回の件についてご説明する機会を設けました
  • 【例文4】応募期間に余裕を持たせるため、2週間の猶予期間を設けました
  • 【例文5】当日の混雑を避けるため、来場時間に区分を設けました
  • 【例文6】久しぶりに会う友人のために、ゆっくり話せる時間を設けました

例文1・3・4のように、相談窓口や説明の機会、期間といった制度面を伝えるときは、ビジネス文書や社内向けの案内に向いている言い方です。

社外向けの正式な文章から社内だけへの簡単な連絡まで幅広く使え、初めて書く人でも形を真似しやすいのが利点です。

いずれの例文にも、相手のために何かを準備したという丁寧な姿勢が表れています。

「〜のために」のように目的を示す言葉がそばに置かれていることも多く、準備した理由が伝わりやすくなっています。

例文5のような来場者への告知文では「〜を設けました」の形で淡々と事実を伝え、例文2・6のような日常や社内の交流の場面では、少し柔らかい雰囲気で使われます。

例文4のように具体的な期間や数値を添えると、告知文としての説得力がより高まり、読み手が行動しやすくなります。

「設けました」の成り立ち・由来

「設ける」は、もともと「申す」と「受ける」が結び付いた「申し受く」という言葉から変化したと言われています。

古語では「もうく」という下二段活用の形で使われており、そこから現代の「設ける」という一段活用の形へ変化してきました。

相手の申し出や求めに応じて、話し合いながら何かを準備するという行為から、意味が広がっていったと考えられています。

もともとは同じ「もうく」という大和言葉で、後から「設ける」「儲ける」という異なる漢字が当てられて、意味の違いが区別されるようになったと言われています。

漢字の「設」は「言」と「殳」という部分から成る字です。

「殳」は手に道具を持って何かを行う様子を表すと言われ、言葉で指示をしながら道具を使って形を整えるというイメージにつながっています。

「儲ける」とは語源的に同じ流れを持つ言葉とされ、どちらも「求めに応じて何かを整える」という発想を共有しています。

「設置」「施設」「設立」といった言葉にも同じ「設」の字が使われており、「新たに作り上げる」という共通のイメージでつながっています。

時代を経て、「設ける」は場や機会を準備することに意味が絞られ、「儲ける」は利益を得ることに意味が絞られて、現在では別の言葉として使い分けられるようになりました。

今では「設ける」が主に書き言葉として使われ、「儲ける」は話し言葉でも広く使われるという違いも見られます。

ビジネスシーンで「設けました」を使う際のポイント

「設けました」は、自分側が行った準備を丁寧に伝えるための表現です。

社内外への連絡や取引先への案件対応など、さまざまな場面で見かける言い回しで、特に会議や相談の機会を用意したことを報告する際によく使われます。

謙譲語ではないものの、改まった言葉として、報告や案内の場面で自然に使うことができます。

会議を設定した担当者や、案内文を作成した部署が主語になることの多い表現です。

注意したいのは、設けてくれたのが自分ではなく目上の相手である場合には、そのまま「設けました」を使ってはいけないという点です。

その場合は、「お席をご用意くださいました」のように相手の行動を高める言い方に変えないと、せっかくの厚意に対して敬意が不足して聞こえてしまうため、感謝の気持ちを込めて言い換える意識を持つとよいでしょう。

より丁寧さを強めたい場面では、「ご用意いたしました」「お作りいたしました」のような謙譲表現に言い換える方法もあります。

社外向けの案内文では「設けました」をそのまま使い、特に気を遣いたい相手への文面では謙譲表現に言い換えると、文章全体の敬意のレベルを整えやすくなります。

同じ文書の中で何度も繰り返すと機械的な印象になりやすいので、他の丁寧な表現と交えながら使うのがおすすめです。

一つの文書の中で表現を適度に混ぜると、丁寧さを保ちながら単調さを避けられます。

「設けました」と似た言葉との違い

「設けました」とよく比較される言葉に、「用意しました」「準備しました」「設置しました」があります。

四つの言葉はどれも「何かを新たに整える」という場面で使われますが、対象や硬さの程度、形があるかないかという点で微妙に異なります。

「用意しました」は、必要な物を手元にそろえるという意味が中心です。

来客用のお茶やコピー資料、名刺など、具体的な物を揃える場面で使われる言葉で、制度や仕組みを作るという硬いニュアンスはなく、日常会話でもビジネスの場でも自然に使えます。

「準備しました」は、物だけでなく手順や段取り全体を整えるという広い意味を持ちます。

会議の進行や発表のリハーサル、出張の手配などプロセス全体を指す言葉で、「設けました」のように新しい枠組み自体を作り出す意味合いは薄い言葉です。

一方で「設けました」は、制度や機会、場といった形のないものを新しく作り出すときに使う、やや格式のある言葉です。

「説明会を設けました」「相談窓口を設けました」のように、単に物を置くのではなく仕組みそのものを立ち上げる場面にふさわしい表現です。

「設置しました」は機器や装置など物理的なモノを据え付ける意味が強く、「オフィスに新しい複合機を設置しました」や「会議室にプロジェクターを設置しました」のように具体的な設備を指すときに使われる言葉です。

対象が「物」なのか「仕組み」なのかを意識して使い分けると、ビジネス文書でも四つの言葉の違いがすっきり整理できます。

「設けました」の言い換え表現

「設けました」は場面に応じて、いくつかの言葉に言い換えることができます。

文書の格式や相手との関係性、社内か社外かによって、ふさわしい言い換えは変わります。

フォーマルな文書や案内状では、「新設いたしました」「開設いたしました」「創設いたしました」といった言葉が良い言い換えになります。

特に「制定いたしました」は、規則やルールを新たに定めた場合に適した、「設けました」よりもさらに硬い言い換え表現です。

社内規程の改定や新しい相談窓口の案内状、取引先への通知文やプレスリリース、株主向けの報告書など、格式を重視する文章ではこうした表現がよく選ばれ、読み手に丁寧な印象を与えます。

たとえば「新たに相談窓口を開設いたしました」とすると、案内状らしい整った響きになり、読み手への敬意も伝わります。

一方、カジュアルな場面では「作りました」「やっておきました」程度の言葉に言い換えると、親しみやすい印象になります。

社内チャットや雑談、気の置けない同僚とのやり取りの中で「設けました」を使うと、距離を感じさせるほど硬く響いてしまうことがあります。

同僚との会話では「新しいチャンネル作っておいたよ」のように、話し言葉へ置き換えるとぐっと自然になります。

メールか社内チャットか、相手との関係性や場の空気を見極めて言葉の硬さを調整することが、「設けました」を自然に使いこなすための近道です。

「設けました」を英語で表現する場合

「設けました」に厳密に対応する英単語は一つではなく、文脈に応じて訳し分ける必要があります。

日本語では一語で済む表現でも、英語では対象によって動詞を変えるのが自然です。

たとえば「相談窓口を設けました」を英訳する場合は、”We have set up a consultation desk” のように set up を使う表現が自然です。

set up は仕組みやシステムを新しく立ち上げるときに広く使われる、応用範囲の広い動詞です。

機会や場を用意したという意味合いが強いときは、”We have provided an opportunity for discussion” のように provide を使うと伝わりやすくなります。

provide は「与える」というニュアンスが強く、相手のために何かを用意したことを伝えたいときに適した単語です。

制度やルールを新たに確立した場合には、”We have established a new policy” という表現がふさわしく、establish は set up や provide よりも制度的で硬い響きを持ちます。

会社の規定や長く続く仕組みを紹介する場面では、establish を選ぶと英文全体が締まった印象になります。

日本語の「設けました」をそのまま一語の英単語に置き換えようとせず、何を対象に話しているのかを考えてから単語を選ぶことが、自然な英訳のポイントです。

直訳にこだわらず、場面を思い浮かべながら動詞を選ぶ習慣をつけましょう。

「設けました」でよくある誤用・注意点

「設けました」をパソコンやスマートフォンで入力するとき、最も多い誤りが「儲けました」への変換ミスです。

見た目も似ているうえ、読み上げても聞き分けがつかないため、フリック入力や音声入力でもうっかり間違えやすい誤りです。

「もうけました」という読みが同じため、変換で間違いやすく、ビジネス文書では特に注意が必要です。

「相談窓口を儲けました」のような誤変換をそのまま送ってしまうと、ふざけた印象や誤解を与えかねません。

「設けました」と「儲けました」は意味が全く異なるため、送信前に必ず画面で文字を確認する習慣をつけましょう。

特に金銭や取引が絡む案件の文書でこの変換ミスが起こると、相手に不信感を与え、ビジネス上、長年築いてきた信用そのものを損ねてしまう恐れがあります。

また、使う場面を誤ると不自然に響くこともあります。

本来なら「置きました」や「用意しました」で十分な、机にペンを一本置いただけのようなちょっとした場面に「設けました」を使うと、わざわざ事を大きくしたような、不自然に大げさな印象を与えてしまいます。

友人同士のくだけた会話や普段のメール、SNSでのやり取りで「設けました」を多用すると、やや堅苦しく聞こえてしまいます。

一つの文章の中であれもこれも「設けました」で済ませると、表現の幅が狭く見え、文章全体の印象までかたくなってしまう点にも気をつけましょう。

「設けました」のまとめ

まとめ
  • 読み方は「もうけました」で、同じ読みの「儲けました」と変換ミスしないよう、特に仕事の文章では注意が必要です。
  • 意味は、社内外を問わず、相談窓口や新しい制度、学びの機会などを、必要な人のために新しく作ったり用意したりすることです。
  • 由来は「設ける」という動詞に、丁寧な気持ちを表す「ます」の過去形が付いた言葉です。
  • ビジネス文書や案内状に向いた、少し丁寧で格式のある言葉で、相手や場面によって言い換えると、より自然な印象になります。

ここまで、「設けました」の読み方や意味、使い方、由来について詳しく見てきました。

読み方は「もうけました」の一つだけなので、電話や会議など口頭で使う場面でも迷う心配はありません。

「もうけました」という読み方を軸に、似た言葉との違いや言い換え表現、英語での伝え方まで理解しておくと、ビジネスの文章作成にも役立ちます。

相手や文書の格式に応じて言葉を選べるようになると、日々の文章作成でも文章全体の印象がぐっと洗練され、取引先や上司からの信頼感も高まる文章に仕上がります。

特に「儲けました」との変換ミスだけは、どんな場面でも避けたい誤用として覚えておきましょう。

場面に合わせて「用意しました」や「設置しました」など別の言葉とも上手に使い分けながら、「設けました」をこれから自信を持って使ってみてください。