「叙位」とは?意味や例文や読み方や由来について解説!

「叙位」の読み方と意味とは

「叙位」は「じょい」と読みます。

日常会話ではほとんど使わない言葉なので、初めて目にしたときに読み方で迷う方も少なくありません。

新聞やテレビのニュースで見かけることが多く、その場で正しく「じょい」と読めると落ち着いて内容を理解できます。

変換ミスで「除位」と書いてしまう方もいますが、正しい表記は「叙位」なので注意しましょう。

「叙」という漢字には、順序を立てて述べる、あるいは位や官職を授けるという意味があります。

「叙」の字は「叙述」や「叙情」といった言葉にも使われ、物事を述べ表すという意味合いを持っています。

「位」は地位や身分を表し、ここでは国が定める「位階」という公的な格付けのことを指します。

この「位階」は単なる肩書きではなく、長い歴史を持つ伝統的な格付けの体系に基づいたものです。

これらの漢字が組み合わさることで、「叙位」は国が個人に位階を授けることを表す言葉になっています。

具体的には、長年にわたって功績を積んだ方や、国の仕事に貢献した方に対して、正式な位階が授けられる場面で使われる言葉です。

個人が自分で名乗ったり選んだりするものではなく、あくまで国の側から一方的に授けられる点も特徴です。

ニュースなどで「叙位」という言葉を見かけたら、誰かが国から正式な格付けを受けた場面だと考えると理解しやすくなります。

意味を正確に理解しておくと、ニュースや新聞の記事をより深く読み解けるようになります。

「叙位」とはどのような制度か

「叙位」は、国が個人の功績に応じて位階という格付けを授ける公的な制度です。

個人の社会的な地位や経済力とは関係なく、国家への貢献度によって判断される点が特徴です。

個人が自由に申請したり購入したりできるものではなく、国の手続きを経て初めて認められる仕組みになっています。

具体的には、各府省庁からの推薦をもとに、内閣府が審査の事務を担っています。

この審査や手続きを担当しているのは、内閣府の中にある「賞勲局」という部署です。

最終的な決定は内閣の会議によって行われ、その結果を受けて位階が授けられる流れになっています。

位階を授けられたことを証明する文書は「位記」と呼ばれ、天皇の名のもとで発行される重要な文書です。

この位記の発行には宮内庁も関わっているとされ、内閣府と連携しながら手続きが進められています。

この制度は「位階令」という法令に基づいており、単なる慣習ではなく明確な法的根拠を持つ仕組みです。

位階令には、位階の種類や授与の基準となる考え方などが定められています。

叙位には、存命の方に対して行われる生存叙位と、亡くなった方に対して行われる死亡叙位の二つがあります。

死亡叙位は「没後叙位」と呼ばれることもあり、長年の功績をたたえる形で授けられる場合が多いです。

このように「叙位」は、国の正式な手続きを経て、位階という形で功績を公的に認める制度だと言えます。

こうした仕組みを知っておくと、叙位に関する報道をより正確に理解できるようになります。

「叙位」の対象となる人物とは

叙位の対象となるのは、国や社会に対して長年にわたり功績を積んだ方々です。

代表的な例としては、国家公務員や地方公務員として長く勤め上げた方、学問や文化の分野で功績を残した文化功労者などが挙げられます。

文化功労者とは、学問や芸術、スポーツなど幅広い分野で優れた功績を残した方に贈られる称号です。

こうした分野で高い評価を受けた民間の方が、叙位の対象になることもあります。

政治家として国政に長く貢献した方が叙位の対象になることもあります。

叙位は本人が希望して得られるものではなく、あくまで国の側の判断によって決まる点も重要です。

こうした方々は、存命中に功績が認められて位階を授けられることがあります。

一方で、亡くなった際に生前の功績をたたえて位階が授けられる「没後叙位」という形も広く行われています。

実際には、長年公務に携わった方が亡くなったときに没後叙位を受けるケースが多いと言われています。

このように叙位には、存命中に授けられるものと、没後に授けられるものという二つの形があります。

一般の会社員や主婦など、公務員や特定の分野で活躍していない方にとっては、叙位が自分の身近な出来事になる機会はそれほど多くありません。

ただし、家族や親族が長年公務に携わっていた場合などには、没後叙位を通じて叙位という言葉に触れることもあります。

こうした違いを知っておくと、ニュースで「没後叙位」という言葉を見たときにも落ち着いて意味を理解できます。

「叙位」と「叙勲」の違い

「叙位」と「叙勲」は似た言葉ですが、授けられるものがそれぞれ異なります。

「叙位」は位階という格付けを授けることを指し、「叙勲」は勲章を授けることを指します。

位階は数字や文字で表される序列であり、勲章は実際に手にすることができる記念品としての品物です。

勲章には旭日章や瑞宝章など複数の種類があり、功績の内容によって授けられる種類が変わります。

旭日章は国家や公共への功績、瑞宝章は公務での功績など、分野によって贈られる勲章の種類が異なります。

ニュースなどでは、この二つがセットで「叙位叙勲」とまとめて報じられることがよくあります。

実際に、春と秋の褒章・勲章の発表や、亡くなった方への授与の際には、位階と勲章が同時に発表されることが多いです。

ただし、必ずしも位階と勲章が同時に授与されるわけではなく、どちらか一方だけが授けられる場合もあります。

新聞の訃報記事などでは「位階は〇位、勲等は〇等」のように、二つが並べて記載されることもよくあります。

このため、多くの方にとって「叙位」と「叙勲」は一体のものとして記憶されています。

歴史的に見ると、位階の制度は古代の律令制度にまでさかのぼる非常に古い仕組みです。

一方で勲章を授ける制度は、明治時代に欧米の制度を参考にして新しく整えられたものと言われています。

生まれた時代は異なりますが、現在ではどちらも国が功績をたたえるための栄典制度として、一体的に運用されています。

「叙位」の由来と歴史的な成り立ち

「叙位」という仕組みの起源は、古代の律令制度にまでさかのぼります。

701年に定められた大宝律令によって、位階という序列を人に授ける仕組みが整えられたと言われています。

それ以前にも聖徳太子の時代に定められた冠位十二階という制度があり、これが位階制度の先駆けになったとも言われています。

大宝律令の後に定められた養老律令でも、この位階制度はさらに整備されて引き継がれていきました。

奈良時代や平安時代には、この位階が貴族社会の中で非常に重要な意味を持っていました。

平安時代の貴族社会では、位階が高いほど朝廷内での発言力や生活の格も高くなったと言われています。

当時は、位階に応じてどのような官職に就けるかが決まる「官位相当制」という仕組みが採用されていました。

官職と位階が密接に結びついていたこの時代の仕組みは「官位制度」と呼ばれ、現代の叙位の原型になっています。

つまり位階は単なる名誉ではなく、実際の出世や待遇を左右する現実的な制度だったのです。

時代が進んで明治時代になると、新しい政府のもとで位階制度も整理し直されました。

この頃に定められた仕組みがもとになり、昭和21年に現在の「位階令」が制定されています。

明治時代以降も、位階の対象や授与の方法は少しずつ見直されながら、今の制度へとつながっています。

このように「叙位」は、千年以上の歴史を経て形を変えながら、現代まで続いている伝統的な制度だと言えます。

「叙位」における位階の種類と序列

位階には、最も高い「正一位」から、最も低い「少初位下」まで、非常に細かい序列が設けられています。

歴史的な位階制度では、正一位から少初位下までおよそ30段階に分かれていたと言われています。

例えば一位から三位までは「正」と「従」の二段階に分かれ、四位から八位までは「正」「従」それぞれに「上」「下」がついて、さらに細かく分かれています。

こうした細かい序列は、律令時代の官僚組織の中で、誰がどの地位にあるのかを明確にするために設けられたものです。

一位から八位までは主に貴族や高級官僚に、初位は下級の官人に向けた位階だったと言われています。

このように位階の序列には、当時の身分社会のあり方がそのまま反映されていたと考えられます。

位階の数字が小さいほど格が高く、大きいほど格が低いという関係になっています。

例えば「正一位」はもっとも格の高い位階であり、歴史上でも限られた人物にしか授けられていません。

歴史上の有名な人物が「従三位」や「正二位」といった位階を授けられていたという話も、歴史に詳しい方なら耳にしたことがあるかもしれません。

現代でも位階を示す際には、この伝統的な序列が基本的な考え方として使われています。

ただし現代では、位階が高いからといって実際の権限や待遇が変わるわけではありません。

今の叙位は、実務上の権限を示すものではなく、長年の功績に対する名誉的な意味合いが強い制度だと考えられています。

「叙位」が行われる時期

叙位(じょい)には、毎年決まった時期に行われる定例の叙位と、特別な事情にもとづいて行われる叙位があります。

定例の叙位は春と秋の年2回あり、春は4月、秋は11月に発表されるのが基本的な流れです。

春の発表はおおむね4月下旬ごろ、秋の発表は11月上旬ごろに行われることが多いと言われています。

もうひとつの形として、長年にわたり社会に貢献した方が亡くなった際に行われる、没後叙位があります。

この場合は、お亡くなりになった日にあわせて位階が贈られ、訃報のニュースとともに報じられることが多いです。

叙位の結果は、官報という政府の公式な文書を通じて公表されます。

新聞やニュースで目にする叙位の情報も、この官報での発表をもとに伝えられていることが多いです。

「叙位」の実際の使われ方

叙位という言葉は、普段の会話の中ではほとんど使われることがありません。

主に新聞やニュースなど、かたい文体の報道で使われる言葉だからです。

たとえば著名な方が亡くなった際の訃報記事で、「叙位された」という表現を見かけることがあります。

長年にわたり社会に貢献した方の功績を紹介する記事でも、叙位の事実が触れられることがあります。

功労者の訃報を伝えるニュースでは、「叙位・叙勲」と並べて紹介されることも少なくありません。

そのため、多くの人にとっては「ニュースで見かける言葉」という印象の強い言葉だと言えます。

日常生活で自分から口にする場面はほとんどありませんが、意味を知っておくとニュースの理解が深まります。

「叙位」を使った例文

  • 【例文1】元衆議院議長が逝去し、生前の功績に対して叙位が行われた
  • 【例文2】没後叙位として、正三位の位階が贈られることになった
  • 【例文3】叙位は、国家に功労のあった人物に位階を授ける制度である
  • 【例文4】政府は秋の定例叙位で、多くの功労者に位階を授けた
  • 【例文5】新聞記事で「叙位」という言葉を見て、初めてその意味を調べた

このように、叙位という言葉はニュースの訃報記事や制度の説明の中で使われることが多いです。

「〇〇位に叙された」「叙位が行われた」という形で用いられるのが典型的なパターンです。

見慣れない言葉だと感じたときは、こうした例文を思い出すと意味がつかみやすくなります。

「叙位」が持つ現代的な意義

現在の叙位には、具体的な権限やお金などの特典が伴うわけではありません。

あくまで名誉的な意味合いが中心となっている制度です。

しかし、国がその人の功績を公式に認めたという証になる点に大きな意味があります。

ご本人やご家族にとっては、長年の歩みが認められたという実感につながることもあると言われています。

一方で、こうした名誉制度のあり方については、今の時代に合っているのかという議論もあります。

形式的だと感じる人もいれば、功績を残す大切な仕組みだと考える人もいるのが現状です。

「叙位」のまとめ

まとめ
  • 「叙位」は「じょい」と読み、国に功績のあった人に位階を授ける制度のこと。
  • 春と秋に行われる定例叙位のほか、亡くなった方への没後叙位という形もある。
  • 勲章を授ける「叙勲」とは異なり、位階という称号を授けるものである。
  • 日常会話では使わないが、ニュースの訃報記事などでよく見かける言葉である。

ここまで、叙位(じょい)という言葉の意味や制度について見てきました。

叙位とは、国家に功績のあった人物に位階という称号を授ける制度のことです。

春と秋の定例叙位、そして没後叙位という形で、現在も続けられています。

叙勲が勲章という形であるのに対し、叙位は位階という昔からの称号を授ける点が大きな違いです。

普段の生活で使う言葉ではありませんが、ニュースを見るときに意味を知っていると理解が深まります。