「続行」とは?意味や例文や読み方や由来について解説!

「続行」という言葉の意味を解説!

「続行(ぞっこう)」とは、現在行っている物事を中断せずそのまま継続して進めることを指す日本語です。

この語は「続ける」「行う」という二つの意味が合わさり、作業や手続きが中途で止まらずに先へ進む状態を示します。

IT用語の「処理を続行する」から、スポーツの「試合を続行する」まで場面は幅広く、目的達成のために“止めない”ニュアンスを強調できるのが特長です。

続行は「継続」と似ていますが、「継続」が時間の連続性に重きを置くのに対し、「続行」は“中断の回避”をより強く示唆します。

たとえば天候不良の試合で「やむなく中断」か「このまま続行」かを判断する際、「中断しない」という選択肢自体をダイレクトに表す語として重宝されます。

公的文章や法律文書でも使われ、たとえば刑事訴訟法には「公判続行」という表現が見られます。

ここでは、すでに開廷した裁判を一定の手続きを踏んでそのまま進める意味となり、形式ばった文脈でも通用する語彙であるとわかります。

「続行」の読み方はなんと読む?

「続行」は音読みで「ぞっこう」と読みます。

「続」は“ゾク”、「行」は“コウ”とそれぞれ音読みし、促音「っ」が間に入る点が特徴です。

類似語の「継続(けいぞく)」と混同しやすく、うっかり「ぞくこう」と平板に読んでしまう誤読も散見されます。

ビジネス会議の議事録やメールでも「ぞっこう」と入力すれば正しく変換されますが、「続行します」という表現はやや硬めの印象を残します。

そのためカジュアルな場面では「そのまま続けます」と言い換えるケースもありますが、公的・技術的文脈では「続行」を選ぶことで意味が明確になり、誤解を防げます。

アクセントは「ぞっこう↗︎↘︎」と後ろ下がりが一般的です。

ただし日本語アクセントは地域差があり、東北や関西では平板型で発音されることもあるため、気になる場合は音声辞書で確認すると安心でしょう。

「続行」という言葉の使い方や例文を解説!

「続行」は「本来は止める選択肢もあり得たが、あえて止めずに進める」という場面で最も効果的に機能する語です。

使い方のポイントは「直前に中断の可能性があった」「判断を下した主体がいる」という二つを満たすことです。

以下の例文で確認しましょう。

【例文1】荒天でしたが審判団は試合の続行を決定した。

【例文2】システムが警告を出したが、管理者は処理を続行した。

【例文3】会議は予定より長引いたものの、議長の判断で引き続き続行された。

例文はいずれも「中断か続行か」の選択が語られています。

「続行する」という他動詞的な使い方と、「続行を決める」「続行の可否を検討する」のように名詞として扱う方法の二つがあり、文の品詞関係に注意すると誤用を避けられます。

敬語で用いる場合は「続行いたします」とし、「させていただく」は冗長になりやすいので、シンプルに結論を示す形が好まれます。

特にビジネスメールでは「中断ではなく続行する方針です」のように状況を明確に書くことで、誤解を招きません。

「続行」という言葉の成り立ちや由来について解説

「続行」は漢語複合語で、「続」は“つながる・あとに続く”を表し、「行」は“すすむ・おこなう”を意味します。

中国古典では「続行」に直接対応する語は多く確認できませんが、個別の漢字はいずれも紀元前から用いられ、奈良時代に編纂された『日本書紀』にも「行」「続」の字が独立して登場しています。

日本語としての「続行」は、江戸期の漢籍受容を背景に官僚的な漢語が増えた時代に定着したとされます。

公家や幕府の公文書では、合議の結果として「儀式ヲ続行ス」といった表現が見られ、近世日本語の文書語彙として育まれました。

明治維新後は西洋法体系の翻訳用語として「続行」が重用されます。

たとえば明治15年公布の太政官布告に「施行を続行す」と示され、これが行政用語としての地位を固めた大きな契機となりました。

つまり「続行」は輸入語ではなく、日本古来の漢文脈の中で自然に生まれた“和製漢語”の一つと位置付けられます。

「続行」という言葉の歴史

続行の歴史的変遷をたどると、まず江戸後期の儒学書や兵学書における使用が確認できます。

当時は「仮令(たとえ)雨陣、陣容を続行すべし」のように軍事行動を表す語として扱われ、実務書における専門用語でした。

明治期には法律、官報、議会記録で頻出し、法廷用語として「公判続行」「審理続行」が一般化します。

大正から昭和戦前の新聞には「演習続行」「調査続行」といった見出しが多く、報道言語へ浸透しました。

戦後の高度経済成長期にIT技術が導入されると、「プログラムの実行を続行する」など技術文書でも使用が拡大します。

現在はビジネス・教育・スポーツなど多彩な分野で“決断の継続”を示すキーワードとして定着しています。

「続行」の類語・同義語・言い換え表現

続行と近い意味を持つ語には「継続」「進行」「実施」「遂行」などが挙げられます。

それぞれニュアンスが微妙に異なるため、用法を押さえておくと表現の幅が広がります。

・継続:単に途切れず続いている状態を示す。中断の選択肢を前提としない。

・進行:時間的に物事が進む様子を指し、進行度合いを示す語。

・実施:計画を具体的に行う過程に焦点を当てる。

・遂行:目的を果たすまで責任を持って実行する意義が強い。

文章を書く際に「続行」を言い換えるなら、“中断しない”点を保ちつつ文脈に合わせて「そのまま継続」「手順を進行させる」などを選ぶと自然です。

「続行」の対義語・反対語

続行の反対概念は中断・停止・中止などです。

・中断:一時的に止め、再開する可能性を残す。

・停止:機械や動きを完全に止める。再開は操作次第。

・中止:状況判断により完全に取りやめる決定。

特にビジネス文書では「続行」か「中断」かを明示することで、進行状況と今後のアクションをはっきり伝えられます。

会議で「議題Aの審議を続行しますか、中断しますか」と確認することで、参加者の理解をそろえる効果も期待できます。

「続行」を日常生活で活用する方法

続行は硬い語に見えますが、日常生活でも応用可能です。

料理中に電話が鳴っても「火を弱めて作業を続行する」、読書を中断されても「付箋を貼って後で続行する」など、身近なシーンで活躍します。

【例文1】ダイエット中だが雨なので室内トレーニングを続行した。

【例文2】ゲームのアップデート後にセーブデータを引き継いで続行した。

スポーツ観戦では「雨天コールドか続行か」の話題が季節の風物詩となり、天気予報と合わせて用いれば話題づくりにもなります。

要は“やめずに続ける”という意思表明をコンパクトに伝えられる語として、家事・学習・趣味など幅広く活用できるわけです。

「続行」についてよくある誤解と正しい理解

第一の誤解は「続行=必ず硬い表現」というものです。

確かに公的文脈で多用されますが、実際には口語でも自然に使えます。

第二の誤解は「継続」と同義という理解です。

前述のように「続行」は“中断の有無”が焦点であり、意味の射程が異なります。

三つ目の誤解は「処理を続行すると危険」というIT分野のイメージですが、正しくは“確認のうえで中断せずに進める”だけであり、危険かどうかは別要素です。

不安な場合は指示書やマニュアルを確認し、安易に“次へ”ボタンを押さない姿勢が大切です。

「続行」という言葉についてまとめ

まとめ
  • 「続行」は物事を中断せずにそのまま進める意味を持つ漢語です。
  • 読み方は音読みで「ぞっこう」と発音し、促音「っ」が入るのが特徴です。
  • 江戸後期から公文書で使われ、明治期以降は行政・法律用語として定着しました。
  • 現代ではITや日常会話にも広がり、“中断しない意思”を明確に示す際に便利です。

続行は「止めるか続けるか」という岐路で“そのまま行こう”と示す力強い言葉です。

読み方や歴史を押さえておくと、公的書類から日常生活まで自信をもって使えます。

大小のプロジェクトや日々の家事でも、適切に「続行」を選ぶことで意図がはっきり伝わり、コミュニケーションの齟齬を防げます。

ぜひ本記事で得た知識を活かし、「続行」という言葉を自在に使いこなしてみてください。