「本ページ」の意味とは
「本ページ」とは、読者が今まさに開いて読んでいる、この1ページそのものを指すことばです。
ウェブサイトの中に何十ページ、何百ページとあるうちの、まさに「ここ」だけを限定して表す働きを持っています。
もっとかみくだいて言うと、「このページ」をすこし改まった、かしこまった調子で言い換えたのが「本ページ」だと考えるとわかりやすいです。
たとえば「本ページの内容は予告なく変更される場合があります」という一文を見かけたことがある人は多いのではないでしょうか。
そこで指されているのは、まさに今読んでいるその注意書きが載っている1ページのことであり、サイト内の他のページの内容までは含みません。
意味そのものは「このページ」と変わらず、指し示す範囲もまったく同じで、違うのはあくまで言い方のかたさです。
ウェブサイトの利用規約やお知らせ、企業サイトの注意書きなど、読者に対してきちんとした態度で語りかけたい場面で選ばれる表現です。
「本ページに掲載されている情報は執筆時点のものです」のような一文も、同じ発想で使われる典型的な例だと言えます。
友人同士のメッセージや日常会話で「本ページ、見た?」と言う人はまずおらず、仕事のメールで「このページ見た?」と書くところをあえて「本ページをご確認ください」と言い換えると、一気に事務的でかしこまった印象になります。
「本ページ」はあくまで書き言葉、それも改まった文章の中で使われる表現だと覚えておくと、実際に使うときに迷いません。
「本ページ」の「本」は書物の「本」ではない
「本ページ」の「本」は、読書するときに使う「本(book)」とはまったく別の意味を持つ漢字です。
見た目は同じ漢字でも、そこに込められている意味はまったく違います。
ここでの「本」は「この」「当該の」という意味を添える接頭語で、あとに続く名詞を「今まさに話題にしているもの」だと限定する働きをします。
同じ使い方は「本書」「本契約」「本規約」「本サイト」といった、契約書や公式文書によく出てくる言葉にも共通して見られます。
たとえば「本契約の当事者は」と言えば「この契約の当事者は」という意味になり、「本規約に違反した場合」と言えば「この規約に違反した場合」という意味になります。
こうした「本〜」の仲間だと知っていれば、「本ページ」も自然に「このページ」の意味だと理解できるようになります。
法律や契約、企業の公式文書に関わる仕事をしている人ほど、この「本」の感覚が自然と身についているものです。
一方で、こうした表現に慣れていない人が見ると、「本のページ」、つまり書物のページ数や紙の本の中の一部だと誤解してしまうこともあるので注意が必要です。
特に「本ページ数」のように紛らわしい並びで登場したときや、読書に関する文章の中に「本ページ」が出てきたときは、前後の文脈をよく確認したほうが安心です。
書物の「本」なのか、接頭語の「本」なのかは、直前直後の言葉を見れば見分けがつきます。
「本ページ」の使い方
「本ページ」は、利用規約やプライバシーポリシー、各種の注意書きの冒頭や末尾によく置かれる言葉です。
文章の書き出しで前置きとして使われることもあれば、結びの一文として締めくくりに使われることもあります。
たとえばネットショップの特定商取引法に基づく表記のページでは、いちばん下に「本ページの内容は更新日時点のものです」のように添えられることがよくあります。
「本ページについて」「本ページに記載の内容は」「本ページをご覧いただきありがとうございます」のように、助詞を変えながら幅広い形で使うことができます。
主語として文の先頭に置くこともできますし、「〜については本ページの案内をご確認ください」のように文の途中に組み込むこともできます。
使い方の自由度が高いぶん、文章全体のトーンに合わせて自然に差し込める便利な表現でもあります。
たとえば見出しの直下に「本ページの内容は次のとおりです」と置けば、読者はこれから何についての説明が始まるのかをすぐに理解できます。
ウェブページに限らず、紙で配布されるパンフレットや会社案内、取扱説明書の注意書きの中で「このページ」を指したいときにも同じように使うことができます。
つまりオンラインとオフラインのどちらの文書でも通用する、汎用性の高いことばなのです。
媒体を選ばず、「今読んでいるこの1ページ」を丁寧に示したい場面であれば、どこでも活躍することばだと言えます。
「本ページ」と「このページ」の違い
「本ページ」と「このページ」は指している対象が完全に同じで、意味の面での違いはまったくありません。
両者を入れ替えても、読者が受け取る情報そのものは変わりません。
違うのはフォーマル度で、「本ページ」のほうが文章としての硬さや改まった印象がぐっと強くなります。
親しみやすい案内文や、一般の読者にやわらかく語りかけるようなブログ記事では、「このページ」を使ったほうが自然に読めることが多いです。
たとえば「このページでは〜について紹介します」という書き出しは、堅苦しくなく読者にすんなり受け入れてもらえます。
反対に、規約や契約書、公式な通知文のように正確さや権威性が求められる場面では、「本ページ」のほうがしっくりきます。
同じ内容でも「このページに書いてあること」より「本ページに記載する事項」のほうが、きちんとした文書らしい印象になります。
たとえば同じ会社のサイトでも、トップページの案内文では「このページ」、利用規約のページでは「本ページ」というように、ページの性質に応じて使い分けられていることも珍しくありません。
観光案内サイトや商品紹介ページのようにやわらかい雰囲気を出したい場面で「本ページ」を多用すると、かえって読者との距離を感じさせてしまうこともあります。
どちらを選んでも意味は正しく伝わりますが、読み手に与える印象がやわらかくなるか、きちんとした印象になるかが変わってくる点を覚えておくとよいでしょう。
「本ページ」と「当ページ」の使い分け
「本ページ」とよく似た表現に「当ページ」があり、どちらも「このページ」を改まって言い表す点は共通しています。
読者から見ると、この2つの表現に大きな違いを感じることはほとんどないでしょう。
ニュアンスをこまかく見ると、「本」が「今まさに話題にしているもの」をきっちり限定して示すのに対し、「当」は「関係するもの・担当のもの」を示す色合いがわずかに強い言葉です。
たとえば「当社」「当店」のように、「当」は組織や店舗など、自分たちの側にあるものを指すときによく使われます。
この感覚が「当ページ」にもわずかに残っていて、「私たちが用意したこのページ」というニュアンスをかすかに帯びることがあります。
とはいえ実際の文章では、この違いを厳密に意識して使い分けられている例は少なく、ほとんどの場合ほぼ同じ意味で使われています。
契約書や利用規約といった法律色の強い文書では、慣習として「本ページ」「本契約」のように「本」を使う言い回しが好まれる傾向があり、実際に「当ページ」よりも「本ページ」が使われる頻度のほうが高くなっています。
一つの文書の中で「本ページ」と「当ページ」が混在していると、読者にわずかな違和感を与えることもあるため注意が必要です。
迷ったときは、その文書の中ですでに使われている表現にそろえておけば、読み手を混乱させずに済みます。
「本ページ」と「本サイト」「本書」の範囲の違い
「本ページ」が指すのは、あくまで読者が今見ている1枚のページだけであり、それ以上でもそれ以下でもありません。
サイト内の他のページについて説明したいときに、「本ページ」という言葉で言及することはできません。
これに対して「本サイト」は、そのページを含むウェブサイト全体をまとめて指すことばで、範囲がぐっと広くなります。
「本サイトのご利用にあたって」といった一文があれば、それは特定の1ページだけでなく、サイト内のすべてのページに共通するルールを説明しているのだと理解できます。
トップページから下層のどのページを開いていても、「本サイト」が示す範囲そのものは変わりません。
紙の資料であれば「本書」という言葉が使われ、冊子や報告書、取扱説明書など1つの文書全体を指す役割を、ウェブでの「本サイト」と同じように果たします。
「本書」は紙の文書全体、「本サイト」はウェブサイト全体という対応関係で覚えておくと整理しやすくなります。
同じ文章の中で「本ページ」と「本サイト」が両方登場すると、どこまでの範囲を指しているのか読者が迷ってしまうことがあります。
読者としては、「本ページ」「本サイト」「本書」のどれが使われているかを手がかりに、そのルールがどこまで及ぶのかを判断するとよいでしょう。
そのため書き手は、今説明しているのが1ページだけの話なのか、サイト全体や文書全体の話なのかを常に意識して使い分ける必要があります。
「本ページ」の例文で使い方を確認
- 【例文1】本ページに記載されている利用規約の内容は、予告なく変更される場合がございます
- 【例文2】本ページをご利用いただく前に、必ず下記の利用規約をご確認のうえ同意したものとみなします
- 【例文3】本ページの情報は、正確性および完全性を保証するものではありませんので、あらかじめご了承ください
- 【例文4】本ページに掲載されている内容は、執筆時点で確認できた情報をもとに作成しております
- 【例文5】本ページでは、当社の採用情報およびエントリーの方法について詳しくご案内しています
- 【例文6】本ページの手順に沿って、パソコンおよびスマートフォンの初期設定を進めてください
最初の2つは、利用規約のページそのもので使われる例文です。
ページを訪れた人に向けて、ルールの適用範囲や同意のタイミングをはっきり伝える役割を持っています。
「本ページ」は、規約や免責事項の中で「今読んでいるこのページ」を一語で明確に指し示すために選ばれる表現です。
3つ目と4つ目のように、情報の正確性や更新時点について断りを入れる場面でも頻繁に登場します。
5つ目と6つ目はビジネス文書や操作マニュアルでの案内表現で、採用情報の紹介や操作手順の説明でも違和感なく使えます。
「このページ」に置き換えてもほぼ通じますが、「本ページ」の方が落ち着いたフォーマルな印象になります。
「本ページ」の成り立ち・由来
「本」という文字は、漢文や古くからの公用文において「まさにこの」「ほかならぬこの」という意味を添える接頭語として、古くから使われてきました。
「本件」「本状況」のように、文書が扱っている対象をはっきり示す言葉として発達してきたと言われています。
特に法律や行政に関わる文書では、「本条例」「本規則」のように「本+名詞」の形で、いま参照している条文や規則を特定する役割を果たしてきました。
読み手に「どの対象について書かれているか」を一目で伝えられる点が、重宝されてきた理由と考えられています。
紙の書類が中心だった時代から、契約書や規約集では「本契約」「本規約」という言い方が伝統的に定着し、ビジネス文書の定番表現として根づいていました。
署名欄や条文の冒頭に置かれることが多く、フォーマルな響きを持つ言葉として扱われてきました。
こうした「本+名詞」という組み立て方が土台となり、インターネットの普及とともにウェブサイトが情報発信の主な場になっていく中で、「本ページ」という言葉も自然に使われるようになったと考えられています。
紙の文書で培われた表現が、そのままウェブの世界に持ち込まれた形です。
利用規約や運営者情報、免責事項などをウェブ上に掲載する機会が増えたことで、「本ページ」という言い回しは、企業サイトや官公庁のサイトを中心に広く定着していきました。
今ではウェブ制作の現場でも、定型句のひとつとして扱われています。
「本ページ」の類語・言い換え表現
「当ページ」は「本ページ」とほぼ同じ意味で使われる、同じくらいフォーマルな言い換え表現です。
文書を作成する担当者や部署が変わっても、読み手が受け取る印象に大きなずれは生じません。
「このページ」は口語的で柔らかい響きを持ち、会話や気軽な文章にもなじみます。
友人に道を教えるような場面や、カジュアルなブログ記事でも自然に使うことができます。
フォーマル度で並べると「このページ」がもっとも柔らかく、「本ページ」「当ページ」が中間、「当該ページ」が最も硬い表現になります。
読み手や媒体の雰囲気に応じてこの中から選べば、文章の印象を細かく調整できます。
「当該ページ」は法律文書や公的な通知、審査結果の通知文などで使われることが多く、日常の案内文に使うとやや堅苦しく感じられることがあります。
逆に言えば、それだけ強いフォーマルさや客観性を演出したいときには適した表現だと言えます。
英語のthis pageはこれらすべての言い換えに対応しますが、日本語ではフォーマルさの度合いに応じて言葉を細かく使い分けられる点が大きな特徴です。
翻訳や英文の直訳調を避けたい場面では、原文の文体に合わせてどの言い換えを選ぶかを意識すると、より自然な訳文に仕上がります。
「本ページ」を使うときの注意点
「本ページ」は書き言葉らしい硬さを持つ表現なので、カジュアルな会話や日常の口頭説明にはあまり向いていません。
友人との雑談や電話でのやり取りでそのまま使うと、堅苦しく他人行儀な印象を与えてしまうことがあります。
口頭で案内する場合は、「このページ」や「ここ」「こちら」といった話し言葉に置き換えたほうが、聞き手にとって自然に響きます。
プレゼンテーションや接客の場面でも、状況に応じて言い換える意識を持っておくと安心です。
サイトの構成やリンク先が変わると、「本ページ」が指す内容自体があいまいになりやすい点にも注意が必要です。
たとえば1つの記事を複数ページに分割した場合、どのページを指しているのかが読者に伝わりにくくなることがあります。
また、あらゆる箇所で「本ページ」を多用すると、文章全体が必要以上に硬く、機械的な印象になってしまいます。
「このページ」など柔らかい表現と適度に混ぜることで、読みやすいバランスを保てます。
特に読者に親しみやすさを感じてほしい記事やお知らせでは、「本ページ」を使う場所を絞り込むと効果的です。
規約や注意書きなど、フォーマルさや客観性が求められる一文にだけ使うくらいが、ちょうどよい塩梅と言えるでしょう。
「本ページ」のまとめ
- 「本ページ」は「今、読者が読んでいるこのウェブページ」を指し示す、フォーマルな表現です。
- 利用規約、免責事項、ビジネス文書やマニュアルの案内文でよく使われます。
- 「このページ」「当ページ」「当該ページ」とは、フォーマル度の違いによって使い分けます。
- カジュアルな会話には不向きで、多用すると文章全体が硬くなりすぎる点に注意しましょう。
ここまで、「本ページ」の意味や基本的な使い方、由来、そして類語との違いを見てきました。
ウェブ上の文書で「今読んでいるこのページ」を指し示す、便利で汎用性の高い言葉だとおわかりいただけたと思います。
「本ページ」は、公的な文書やウェブサイトの案内文で「このページ」を明確に指し示すための便利な言葉です。
「このページ」「当ページ」「当該ページ」など似た表現とのフォーマル度の違いを意識すると、文章全体の印象をコントロールしやすくなります。
利用規約や免責事項をはじめ、フォーマルな案内文やビジネス文書を書くときの心強い選択肢になるはずです。
ぜひ実際の文書作成の中で、場面や相手に合わせてこれらの表現を使い分けてみてください。