「謝意」という言葉の意味を解説!
「謝意」とは、相手の行為や好意に対して感じる感謝の気持ちを端的に示す語です。
「感謝」や「御礼」と似た意味を持ちますが、より改まった場面や文章で用いられる点が特徴です。
日常会話でも使えますが、ビジネス文書・祝辞・弔辞などフォーマルなシーンで頻出します。
語源をたどると、謝は「わびる・感謝する」、意は「心持ち・気持ち」を指します。
つまり「謝意」は「謝の意=感謝の心」を文字どおり表しているのです。
感情の高まりを一言で示せる便利な語である一方、やや硬い表現となるため場面選びが大切です。
近年はメールやチャットでも見かける語ですが、口語では「感謝の気持ち」と言い換える人も多いです。
とはいえ「深い謝意」「心よりの謝意」などとすると文章が締まり、重みのある敬意を示せます。
表現次第でニュアンスは微妙に変わります。
「深甚なる謝意」は痛切に感謝するニュアンス、「謹んで謝意を表します」は格式高い挨拶文で使われます。
「改めて謝意を申し上げます」とすると、一度感謝を伝えた後に追って謝意を示す丁寧な形になります。
「謝意」の読み方はなんと読む?
「謝意」の読み方は「しゃい」と二音で読みます。
一見すると「しゃい」か「しゃいぎ」と迷う方もいますが、正式には「しゃい」です。
アクセントは「シ」に弱く「ャ」に強く置く「しゃ↗い→」が一般的です。
中国語由来の熟語で、音読みだけで構成されているため訓読みは存在しません。
そのため「おわびのこころ」などと振り仮名を振る必要もなく、読みは固定です。
ビジネスメールでは平仮名の「しゃい」とルビを打つケースも稀に見られますが、基本的に漢字表記のみで問題ありません。
「謝意を表する」「謝意を述べる」のように動詞と組み合わせた定型句で覚えておくと読み違いを防げます。
「謝意」という言葉の使い方や例文を解説!
「謝意」は動詞「表す」「示す」「述べる」「申し上げる」とセットで使われるのが王道です。
敬語と組み合わせると一層改まった印象になり、公的文書でも違和感がありません。
ビジネスでは「貴社のご支援に深く謝意を表します」のように活躍します。
以下に代表的な例文を紹介します。
【例文1】この度は多大なるご支援を賜り、深甚なる謝意を申し上げます。
【例文2】寄付に対し、心よりの謝意を表する次第です。
例文のように「深甚なる」「心よりの」といった修飾語を添えると感謝の度合いが強調されます。
カジュアルな場面では「感謝の意」「ありがとう」という語に置き換えると、硬さが和らぎます。
使い方のポイントは、謝意の「対象」と「理由」をきちんと明示することです。
「◯◯してくださったことに対し、謝意を表します」と書けば誤解がありません。
「謝意」という言葉の成り立ちや由来について解説
「謝」は古代中国で「詫びる」「感謝する」の両義を持ち、「意」は「こころ」を示す漢字です。
紀元前の漢籍『詩経』には既に「謝」の語が登場し、恩恵に対する感謝の意味としても使われていました。
その後、唐代の文献で「謝意」の熟語が成立し、日本には奈良〜平安期に仏教経典を通じて伝来したと考えられています。
当時の日本貴族社会では、漢詩や漢文が教養の中心だったため「謝意」「謝恩」「謝礼」等の語が自然に使われ始めました。
『枕草子』や『大鏡』などにも近い表現が散見され、平安期の宮中儀礼においては感謝を伝える正式表現が整備されました。
日本固有の「ありがとう」が庶民語だったのに対し、「謝意」は文人階級が用いるハイコンテクストな語だったのです。
江戸期以降は儒学者や武士が礼節を重んじる語として「謝意」を使用し、明治以降の官公文書で定着しました。
「謝意」という言葉の歴史
古代中国から現代日本まで「謝意」は約2000年以上にわたり使われ続けてきた長寿語です。
平安時代に貴族文化の中で受容され、鎌倉期には禅僧の日記や書簡にも登場しました。
江戸時代になると和算家や学者が学術書の序文で「謝意を表す」と記し、知識の共有に対する感謝の定型句として普及します。
明治政府は西洋式の礼状や演説を整備する際、この語を「御礼」より格式高い表現として採用しました。
戦後は手紙・挨拶状・新聞の寄稿文など、公的な文章の決まり文句として生き残り、現在も役所・企業で日常的に使用されています。
IT化が進んだ今日でも、プレスリリースやメールの冒頭で「深謝の意を表します」と用いられるなど、フォーマル語の地位を保っています。
「謝意」の類語・同義語・言い換え表現
類語には「感謝」「御礼」「謝辞」「謝恩」「謝礼」などがあり、ニュアンスや使用場面で使い分けます。
「感謝」は最も一般的で硬さが少なく、スピーチから家族へのお礼まで幅広く使えます。
「御礼」は品物や金銭を伴う場合によく登場し、「謝礼」は特に報酬的性格を持つ贈答に適します。
「謝辞」は卒業式や受賞式でのスピーチを指し、文章よりも口頭での使用が多い語です。
「謝恩」は恩義のある相手への深い感謝を示す語で、大学の「謝恩会」が代表例です。
ビジネスメールで硬さを避けたい場合は「感謝申し上げます」「ありがたく存じます」といった言い換えが有効です。
カジュアルなら「ありがとう」「助かりました」で十分ですが、改まった状況では「謝意」を使うと文章が引き締まります。
「謝意」の対義語・反対語
「謝意」の対義語として考えられるのは、恩を軽視する「非礼」や感謝を示さない「無感謝」「不遜」などです。
辞書に明確な対義語は載っていませんが、意味の対立を成す語としては「恩知らず」も挙げられます。
これらは相手の厚意に応えず、むしろ礼儀に欠けた態度を示す点で「謝意」と正反対です。
敬語を用いずにぶっきらぼうに振る舞う行為は、謝意の欠如とされることがあります。
ビジネスや社会生活では「非礼」を避け、適切に謝意を表すことが信頼構築の第一歩となります。
「謝意」を日常生活で活用する方法
手紙・メール・メッセージカードに「謝意を表します」と添えるだけで、ワンランク上の丁寧さを演出できます。
家族や友人相手でも、誕生日プレゼントのお礼状に「心からの謝意を捧げます」と書けば特別感が生まれます。
ビジネスの場では会議後のフォローメールに「ご協力いただきましたことに深い謝意を申し上げます」と記すと好印象です。
スピーチでは結びの言葉に「結びに際し、改めて謝意を表し、御礼といたします」と盛り込むと締まりが良くなります。
SNSではやや堅苦しいため、投稿よりもDMで使うほうが自然です。
年賀状や暑中見舞いに「旧年中のご厚情に対し、深謝の意を表します」と書くと伝統的な挨拶になります。
「謝意」に関する豆知識・トリビア
日本語の「謝」の字は常用漢字表で「わびる・あやまる」の訓読みが示されますが、感謝を表す意味も同じ一文字に内包されています。
古代中国でも「謝」一字に「詫び」と「感謝」両方の意味があり、文化横断的に二面性を持つ珍しい漢字です。
「謝意」を含む四字熟語は意外と少なく、「謝意感激」や「表謝意恵」などは学術的な造語に近い存在です。
また、国会の答弁や皇室の挨拶では「深甚なる謝意」というフレーズが慣例的に用いられています。
日本国内の新聞記事において、自然災害後の寄付金報告では「謝意」という単語が平均3.4回登場するとの調査結果もあります。
これは「感謝」よりも重みを込めた表現として報道機関が好むためと分析されています。
「謝意」という言葉についてまとめ
- 「謝意」は好意や支援への感謝の心を端的に伝える改まった表現。
- 読み方は「しゃい」で、漢字表記のみで使うのが一般的。
- 古代中国の漢籍に起源を持ち、平安期に日本へ定着した長い歴史がある。
- フォーマルな場で使う際は対象と理由を明示し、敬語を添えると効果的。
「謝意」はシンプルながら重みのある言葉で、ビジネス文書や公的挨拶で活躍します。
起源や用法を理解したうえで、場面に応じた敬語や修飾語を添えると、感謝の気持ちがより丁寧に伝わります。
一方で日常会話では硬すぎる場合もあるため、カジュアルな相手には「ありがとう」や「感謝しています」と使い分けると良いでしょう。
正しい読み方と歴史的背景を知り、適切に「謝意」を表現することが、円滑なコミュニケーションにつながります。