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「協働的」とは?意味や例文や読み方や由来について解説!

「協働的」の読み方と基本の意味

「協働的」は「きょうどうてき」と読みます。

日常会話ではあまり使いませんが、行政の文書や教育関係の記事、企業の経営方針などで見かける機会が増えている言葉です。

「協働的」とは、立場や役割の違う人たちが、それぞれの得意分野や考え方を持ち寄りながら、同じ目標に向かって共に取り組むさまを表す言葉です。

単に誰かの作業を手伝うという意味ではなく、関わる人たち全員が主体的に考えながら一緒に動いていく姿勢を指している点がポイントで、受け身の手伝いとはひと味違うニュアンスを持っています。

「協働」という名詞に、性質や状態を表す接尾辞の「的」がついた形なので、「協働的」自体はものの名前ではなく、「協働的な活動」のようにほかの言葉を説明するときに添えて使う言葉です。

もとになる「協働」は「きょうどう」と読み、「共同」や「協同」とまったく同じ音になるため、耳で聞いただけでは区別がつきにくい言葉でもあります。

どの漢字が使われているかを文字で確認することで、初めてそのニュアンスの違いがはっきりします。

行政の計画書や学校からのお知らせ、企業の採用ページといった、公的な色合いの強い文章で目にする機会が多く、友人同士の会話の中で「協働的だね」と口に出すことはほとんどありません。

そのため、初めて文字で見かけたときに読み方や意味が分からず戸惑う人も少なくないようです。

「協働的」という言葉の成り立ち

「協働的」は、「協働」という言葉に接尾辞の「的」が付いて作られています。

「的」は名詞に付いて、そのような性質や状態であることを表す働きを持つ接尾辞で、「理論的」や「社会的」と同じ仲間の言葉です。

もとになる「協働」は、英語の「collaboration」の訳語として行政や経営の分野で使われるようになった言葉だと言われています。

立場の異なる人たちが対等な関係で力を合わせるという考え方を表すために、行政の市民参加や企業経営の場で広まっていったとされています。

似た読みや形を持つ「協同」「共同」とは意味のニュアンスが異なり、「協同」は組合のような仕組みを指すことが多く、「共同」は複数人で同じことをする状態を広く指すため、文章の中で混同されやすい言葉でもあります。

「的」という接尾辞は「技術的」「経済的」のように、堅い名詞をやわらかく言い換え、ものごとの状態や姿勢を説明しやすい形に変える働きを持っています。

「協働」も単独では専門用語のような硬さを感じさせますが、「協働的」になることで、文章の中で扱いやすい言葉へと姿を変えています。

日本では、行政とNPOや住民との関係を見直す議論が広がった時期に「協働」という言葉が注目されるようになったと言われ、その後、教育現場や企業経営など、もともとの行政分野とは異なる場面にも使われる範囲が広がっていきました。

堅い響きを持つ言葉でありながら、今では幅広い文章で見かける一般的な言葉へと変化してきた経緯があります。

「協働的」と「協力的」の違い

「協働的」と「協力的」はよく似た言葉ですが、根っこにあるニュアンスには違いがあります。

「協力的」は、誰かが進めていることに力を貸し、サポートする姿勢を表す言葉で、手伝う側と手伝われる側という役割分担がある程度はっきりしている場面で使われやすいです。

一方「協働的」は、対等な立場の人たちが目標そのものを一緒に作り、一緒に進めていく姿勢を表す言葉です。

どちらが主導するというより、関わる全員が当事者として企画や実行にかかわっている状態をイメージすると分かりやすいです。

すでに決まった作業を手伝ってもらうなら「協力的」、企画の段階から一緒に考えてもらうなら「協働的」と使い分けると、伝えたいニュアンスがより正確に伝わります。

たとえば、上司が立てた企画に部下が賛成し、指示された作業を丁寧にこなしてくれる場合は「協力的な部下」と表現するのが自然です。

これに対して、企画を立てる段階から部下が意見を出し、上司と一緒に方向性そのものを決めていくような関係であれば、「協働的な関係」と呼ぶほうがぴったりきます。

この違いを意識せずに使うと、本来は一緒に考えてほしい場面で「協力的に動いてください」と伝えてしまい、相手に受け身の姿勢を期待しているような印象を与えてしまうこともあります。

反対に、単純な作業をお願いしたいだけの場面で「協働的に取り組みましょう」と言うと、必要以上に大げさな言い回しに聞こえてしまうこともあるため、場面に応じた言葉選びが大切です。

「協働的」が使われる主な分野や場面

「協働的」という言葉は、特定の業界だけでなく幅広い分野で使われています。

教育現場では、子どもたちが互いに意見を出し合いながら学ぶ「協働的な学び」という表現が広く使われています。

まちづくりや地域活動の場でも、行政とNPOや住民団体が協働的に連携して、防災や福祉などの課題に取り組む例が増えています。

ビジネスの世界では、部署や企業の垣根を越えて目標を共有し、協働的にプロジェクトを進める動きが注目されており、異なる専門性を持つ人が集まるほどこの言葉の意味が生きてきます。

分野は違っても、立場の異なる者同士が対等に関わり合うという点は、どの場面でも共通しています。

医療や福祉の現場でも「協働的」という言葉が使われる場面が増えており、医師や看護師、介護職員、ケアマネジャーといった異なる専門職が、それぞれの視点から意見を出し合いながら一人の患者や利用者を支えていく「多職種協働」という考え方が広がっています。

国際協力の分野でも、支援する側と支援される側という一方的な関係ではなく、現地の人たちと対話しながら一緒に課題を見つけ、解決の方法を探っていく姿勢を指して「協働的なアプローチ」と表現されることがあり、支援のあり方そのものを見直す動きとも結びついています。

「協働的」の使い方(文法と活用のパターン)

「協働的」は形容動詞のような働きを持つ言葉で、いくつかの決まった形で使われます。

ひとつめは「協働的な学び」「協働的な関係」のように、「協働的な」の形で後ろの名詞を修飾するパターンです。

ふたつめは「協働的に取り組む」「協働的に話し合う」のように、「協働的に」の形で動詞を修飾するパターンです。

この形は、作業や話し合いの進め方そのものを説明するときによく使われ、文章の中でも動きのある印象を与えます。

みっつめは「この関係は協働的である」のように、文の述語として使うパターンで、どの形でも「力を合わせて共に取り組む」という根っこの意味は変わりません。

否定の形で使う場合は「協働的ではない」「協働的とは言えない」のようになり、一方的な指示や連絡だけで物事が進んでいる状態を指して「この進め方はあまり協働的ではない」と指摘することもできます。

また「もっと協働的に進めたい」「今後は協働的な関係を目指したい」のように、まだ実現していない理想の状態を表す文脈でもよく使われ、これからの改善や成長の方向性を示す言葉としても役立っています。

「協働的」を使った例文

  • 【例文1】新しいプロジェクトでは、部署間の協働的な連携が欠かせません
  • 【例文2】彼は常に協働的な姿勢でメンバーをまとめてくれます
  • 【例文3】この学級では、協働的な学びを重視した授業づくりを進めています
  • 【例文4】子どもたちは協働的に話し合いながら課題を解決しました
  • 【例文5】町内会と行政が協働的に取り組み、防災訓練を実施しました

例文1や例文3のように「協働的な〜」の形は、関係や取り組みそのものの性質を説明するときによく使われます。

例文2や例文4のように「協働的に〜する」の形は、実際の行動や進め方そのものを説明するときに向いています。

例文5のように立場の異なる組織同士が関わる場面では、「協働的」という言葉がとても自然にはまり、文章に説得力を持たせてくれます。

例文の語尾に注目すると、「〜な」は名詞を直接説明したいとき、「〜に」は動作の進め方を説明したいとき、「〜である」は文全体の状態を評価したいときという使い分けが自然に見えてきます。

いずれの例文も、誰か一人だけが頑張っている様子ではなく、複数の立場の人がそれぞれの役割を持って関わっている場面を描いている点が共通しており、文章に「協働的」という言葉を添えるだけで、関係者が対等な立場で動いていることが読み手に伝わりやすくなります。

教育現場で注目される「協働的」な学び

学校の授業で「協働的な学び」という言葉を耳にする機会が、ここ数年でぐっと増えたと感じる方も多いのではないでしょうか。

これは、一人ひとりが自分のペースで黒板の内容をノートに書き写すような個別学習とは別に、クラスの仲間と考えを出し合いながら理解を深めていく学び方を指す言葉です。

文部科学省が示す学習指導要領でも、子どもたちが互いの考えを伝え合い、聞き合いながら新しい発見をしていく学びの姿が重視されています。

グループで話し合ったり、わからないところを教え合ったりする時間が、国語や算数などさまざまな授業の中に組み込まれるようになってきました。

友達の考えを聞くことで自分一人では気づけなかった視点に触れられるため、知識が身につくだけでなく、考える力や人と関わる力まで育つ効果が期待されていると言われています。

具体的な授業の場面では、グループで一つの課題に取り組んだり、ペアになって互いの考えを説明し合ったりする活動が取り入れられており、正解を先生から教わるだけでなく、友達との対話を通して自分の考えを整理し直す経験そのものが大切な学びとして位置づけられています。

近年はタブレットなどのICT機器を使い、クラス全員の考えを画面上に並べて共有しながら話し合う授業も増えており、離れた席の友達の意見にもすぐに触れられるようになったことで、協働的な学びの形も少しずつ広がりを見せています。

組織やチームにおける「協働的」な関わり方

会社やチームの中でも、「協働的」な関わり方が求められる場面が少しずつ増えてきました。

上司が指示を出し、部下がそれに従うだけの上下関係ではなく、立場に関係なく誰もが意見を出し合える関係性が大切にされるようになっています。

協働的な関わり方の土台には、何を発言しても否定されないという心理的安全性が欠かせないとされています。

自分の意見を言いにくい雰囲気のチームでは、どれだけ制度やルールを整えても、本当の意味での協働は生まれにくいものです。

こうした環境のもとでは、リーダーの役割も指示を出すだけの存在から、対話を促し一人ひとりの力を引き出す存在へと変わってきていると言われています。

具体的な取り組みとしては、定例会議の中で立場に関係なく発言の機会を順番に設けたり、上司と部下が一対一で話す時間を定期的に作ったりすることで、普段は言い出しにくい意見でも共有しやすい場をつくる工夫が広がっています。

リモートワークが広がったことで、オフィスの中で自然に生まれていた立ち話や雑談の機会が減り、意識的に対話の場を設けなければ協働的な関係を築きにくくなったと感じている職場も多く、オンライン上でのちょっとした雑談の時間を大切にする企業も増えています。

「協働的」の言い換え表現・類語

「協働的」と似た言葉には、「協調的」「共同的」「連携的」などがあります。

「協調的」は意見の違いを調整しながら歩み寄る姿勢を指す言葉で、対立を避けながら穏やかに進めていく柔らかな響きを持っています。

「共同的」は複数の人が同じ作業を一緒に行うことを表す言葉で、「連携的」は個人同士というより組織や部署同士のつながりを指すときによく使われます。

「協働的」は単にそばにいるという意味ではなく、それぞれの力を掛け合わせて新しい価値を生み出す姿勢を表す言葉です。

文章が硬くなりすぎると感じる場合は、「力を合わせる」「一緒に取り組む」といった言い換えにすると、同じ内容でも親しみやすい文章になります。

最近では「共創的」という言葉も、新しい価値を一緒に生み出す姿勢を表す言葉として使われるようになっており、「協働的」とほぼ同じ場面で使われることもありますが、「共創的」のほうが新しいアイデアや商品づくりの文脈で選ばれやすい傾向があります。

どの言葉を選ぶかは、文章全体の雰囲気や読み手にも左右されるため、硬めの報告書では「協働的」、親しみやすさを出したい社内向けの文章では「一緒に取り組む」のような言い換えを選ぶなど、場面に応じて使い分けると文章全体の印象が整います。

「協働的」を使う際の注意点

「協働的」という言葉を使うときは、形だけの連携を指してしまわないよう注意が必要です。

会議に複数の部署が参加しているだけで、実際には意見交換がほとんど行われていない場合、それを「協働的」と呼ぶのは少し大げさに感じられるかもしれません。

協働的という言葉は、立場の違う人同士が実際に力を出し合っている状態にこそふさわしい表現だと言えます。

上司から部下への一方的な作業依頼を「協働」と表現してしまうと、指示を受けた側に違和感を与えてしまうこともあります。

硬い印象を与えやすい言葉でもあるため、普段の会話よりも、報告書や計画書といったきちんとした文章で使うほうが向いていると言えるでしょう。

肩書きや部署名に「協働」という言葉を入れていても、実際の業務の進め方が従来とほとんど変わらない場合、言葉だけが先に進んでしまい、実態との間にズレが生まれてしまうこともあります。

言葉を使う以上は、実際の関わり方そのものも見直していく姿勢が求められます。

また、さまざまな場面で「協働的」を使いすぎると、言葉そのものが持つ重みが薄れてしまい、読み手に伝わる説得力が弱くなってしまうこともあります。

立場の違う人たちが実際に力を合わせている場面に限って使うことで、言葉の意味がより生きてきます。

「協働的」のまとめ

まとめ
  • 「協働的」は「きょうどうてき」と読み、立場の違う人同士が対等に力を合わせる姿勢を表す言葉。
  • 「協力的」との違いは、単に手伝う姿勢ではなく、目的を共有して新しい価値を生み出す点にある。
  • 教育現場では学習指導要領でも重視され、対話を通じて考えを深める学び方として注目されている。
  • 組織では心理的安全性を土台に、対等な関係で意見を出し合う関わり方として広がっている。

ここまで、「協働的」という言葉が教育現場や組織でどのように使われているか、似た言葉との違いや使う際の注意点を一緒に見てきました。

「協働的」は「きょうどうてき」と読み、立場の異なる人同士が対等に力を合わせ、共に新しい価値を生み出そうとする姿勢を表す言葉です。

「協力的」との違いを意識しながら、それぞれの場面にふさわしい使い方を選んでいただければうれしく思います。

言葉の意味を正しく理解したうえで使えば、「協働的」は立場の違う人たちが力を合わせている様子を的確に伝えられる便利な表現になります。

実際に使う場面では、形だけの言葉にならないよう、関わる人たち全員が主体的に動けているかどうかを意識してみるとよいでしょう。