「掲出」とは?意味や例文や読み方や由来について解説!

「掲出」の意味とは?基本の定義を解説

「掲出」とは、ポスターや看板、旗、横断幕といった掲示物を、人目につく場所に掲げてはっきりと示すことを意味する言葉です。

単に物を置くのではなく、できるだけ多くの人の目に触れさせることを強く意識して、目立つように掲げる点が大きな特徴です。

行政機関が発表する告知や、選挙運動用のポスター、工事現場に設置する案内看板など、公共性の高い掲示物に対してよく使われる、ややあらたまった表現です。

看板そのものよりも、「掲げて示す」という能動的な行為に重きが置かれているのが「掲出」という言葉の特徴といえます。

たとえば選挙運動の期間中は、公職選挙法にもとづいて候補者のポスターを指定の掲示板に貼り出すことが「掲出」と呼ばれます。

また、工事現場の入り口に、通行人の注意を促す看板を立てたり、公共施設のロビーや玄関に案内表示を出したりすることも、同じように「掲出」という言葉で表現されます。

お店の入り口に、その日の営業時間や定休日を記した案内板を出しておくといった、比較的身近な場面で使われることもあります。

ただし全体としては、日常会話よりも行政文書や条例、法律に関わる書類、企業の契約書などで使われることが多い、ややかたい表現だと考えておくとよいでしょう。

硬い言葉だからこそ、公的な案内や規約に使うと、きちんとした印象を相手に与えられる表現でもあります。

普段の雑談で無理に使う必要はなく、まずは意味を正しく理解しておくだけで、文章を読むときにも書くときにも十分に役立ちます。

「掲出」の読み方は「けいしゅつ」

「掲出」は「けいしゅつ」と読み、この読み方が辞書における唯一正式な読みとして定められています。

日常会話ではあまり見かけない言葉のため、初めて目にしたときに正しく読める人は意外と多くありません。

「掲」を音読みで「けい」、「出」を音読みで「しゅつ」と読む、二字とも音読みだけで構成された熟語です。

訓読みはいっさい用いられないため、「かかげだし」のように、字の意味から推測して読んでしまわないよう注意が必要です。

よく似た形をしている「掲示」は「けいじ」と読み、こちらはニュースや校内の連絡、駅や施設の案内など、日常生活のさまざまな場面でよく見かける、なじみのある言葉です。

「掲」の字が共通しているため、「掲出」も同じように「けいじ」と読み間違えられることが少なくありません。

特に文章を目で追いながら音読するときや、初めてこの言葉を紙面やニュースで目にしたときには、読み間違いが起こりやすい傾向があります。

行政の公式文書などでは、こうした読み間違いを防ぐために、あえて「けいしゅつ」とふりがなが添えられることもあります。

「掲」の読みにつられず、「出」という字を見たら「しゅつ」と読むと意識するだけで、正確に読めるようになります。

この言葉を正しく読める人は意外と少ないからこそ、覚えておくと文章を読むときにも書くときにも、ちょっとした自信につながるはずです。

「掲出」と「掲示」の違い

「掲示」は日常生活のなかでもよく使われる、とてもなじみ深い言葉です。

学校や職場、駅、街なかの掲示板など、日々のさまざまな場所で当たり前のように目にする機会が多くあります。

「掲示」が学校や職場など幅広い場面で日常的に使われるのに対し、「掲出」はより硬く、改まった場面で使われる言葉だという違いがあります。

同じように何かを人目につく場所に示すという意味を持ちながらも、使われる場面の格式や重みが大きく異なるのです。

「掲示板」「校内掲示」「お知らせ掲示」のように、「掲示」はお知らせの内容そのものや、それを貼り出す場所を指す言葉としても幅広く使われます。

一方の「掲出」は、場所よりも「掲げて示す」という行為そのものに焦点を当てた表現になりやすい傾向があります。

法律や条例、公職選挙法にもとづく選挙運動、企業のビジネス文書などでは、「ポスターを掲出する」のように「掲出」という言葉が好んで用いられます。

市区町村の役所からの案内文や公式な通知、契約書の条項でも、日常的な掲示より掲出のほうが使われるケースが目立ちます。

迷ったときは、日常的な社内のお知らせなら「掲示」、公的な手続きに関わる硬い文脈なら「掲出」を選ぶと、自然に使い分けることができます。

細かなニュアンスの違いですが、覚えておくと書く文章全体の印象がぐっと引き締まります。

「掲出」と「掲載」の違い

「掲載」は、新聞や雑誌、ウェブサイトといった媒体に、文章や写真、広告などを載せることを指す言葉です。

誰でも一度は目にしたことがある、比較的なじみやすい表現だといえるでしょう。

「掲載」が紙面や画面といった媒体の中に情報を載せる行為であるのに対して、「掲出」は看板やポスターを実際の場所に掲げて示す行為を指すという、大きな違いがあります。

同じ「掲」の字を使っていても、対象になるものや示し方はまったく異なります。

たとえば新聞のお知らせ欄や官報に情報を載せるなら「掲載」、街頭やお店の前にポスターを貼り出すなら「掲出」と、状況に応じて自然に使い分けられます。

ウェブサイトの利用規約やニュース記事、雑誌の広告ページに文章を載せる場合も、「掲載」と表現するのが一般的です。

企業のプレスリリースを自社サイトに載せる場合は「掲載」がふさわしく、逆に店舗の前に営業案内の看板を出す場合は「掲出」がふさわしい表現になります。

同じ「お知らせを人に伝える」という行為でも、その手段によって呼び方が変わってくるのです。

情報が紙面や画面の中にあるものなのか、それとも現実の場所に物として設置されているものなのかを考えると、両者を迷わず自然に使い分けられるようになります。

この基準さえ覚えておけば、実際の文章作成の場面で間違えることはほとんどありません。

「掲出」の由来・語源

「掲出」は、「掲」と「出」という二つの漢字が組み合わさってできた、比較的新しい時代に定着したと言われている言葉です。

それぞれの漢字が本来持つ意味を知ると、言葉の成り立ちがより深く理解できます。

「掲」という字には「かかげる」「高く上げて示す」という意味があり、旗や看板、掲示物などを高く掲げる様子を表す漢字として古くから使われてきました。

「掲揚」「掲載」「掲示」といった熟語にも、同じ「掲」の字が使われていることからも、その意味合いがうかがえます。

一方の「出」という字には、「外に出す」「人目に触れさせる」という意味があります。

内側にあったものが外側へと押し出され、現れ出てくる、そうしたイメージを持つ漢字だと言われています。

この二つの漢字が組み合わさることで、「何かを掲げて外に出し、人々の目に触れる状態にする」という意味が成立したと考えられています。

単に「示す」というだけでなく、「外へ出す」という能動的なニュアンスが加わっているのが、この言葉の大きな特徴です。

官報や法令、行政の告示文、公共工事の案内、選挙関連の書類などで古くから用いられてきた経緯があり、公的な文書での使用が今も根強くしっかりと定着しています。

こうした歴史的な背景があるからこそ、「掲出」は今でもかたく改まった印象を持つ言葉として使われ続けているのです。

「掲出」の使い方

「掲出」は「〜を掲出する」「〜に掲出される」という形で、動詞として文章の中で使うのが基本の使い方です。

能動と受動のどちらの形でも、違和感なく自然に使うことができる言葉です。

「ポスターを掲出する」「注意事項が掲出される」のように、何かを掲げて示す行為の主体や対象をはっきりさせながら使われることが多くあります。

文章の中でどちらの形を選ぶかによって、読み手に伝わる印象も少しずつ変わってきます。

主語になりやすいのは、行政機関や企業、店舗など、何かを人目につく場所に設置する立場にある主体であるのが一般的です。

個人同士の日常会話の中で「掲出する」と自然に言うことは、あまり多くありません。

「当社は店頭に営業案内を掲出しております」「最新の料金表を店内に掲出しています」のように、ビジネス文書やお知らせの中で丁寧に述べる際の言い回しとしてもよく合います。

規約や利用案内、注意書き、契約書類といったフォーマルな文章の中で使うと、相手にきちんとした印象を与えられます。

カジュアルな会話の中で無理に使う必要はなく、書き言葉として文章の中で活用することを意識すると、より自然に使いこなせるようになります。

使う場面をきちんと選んで用いる言葉だからこそ、正しく使いこなせると、書き手としての文章全体の信頼感がぐっと高まります。

「掲出」を使った例文集

  • 【例文1】店頭のガラス扉に「本日は臨時休業いたします」という張り紙を掲出した
  • 【例文2】選挙管理委員会が指定した掲示板に、立候補者のポスターを掲出する
  • 【例文3】マンションのエントランスにある掲示板に、最新の避難経路図を掲出しています
  • 【例文4】就業規則は、従業員がいつでも内容を確認できるよう休憩室の壁に掲出しなければならない
  • 【例文5】自治体からの防災に関するお知らせを、地域の公民館の玄関に掲出した
  • 【例文6】工場の作業手順書を改訂し、現場でひと目につく位置に掲出し直している

こうして例文を並べてみると、「掲出」は不特定多数の人に向けて、情報を目立つ場所に示す場面で使われる言葉だとわかります。

個人宛のメモや、友人へのちょっとした伝言のような私的な場面では、あまり使いません。

選挙や社内規則のように、ルールに基づいて「示すことが求められている」場面と、特に相性のよい表現です。

義務や規定と結びついているぶん、どこかフォーマルで硬い印象を与えます。

また、「掲出」という言葉には、ある程度の期間そこに示され続けるというニュアンスも含まれています。

一度貼って終わりではなく、周知が済むまで示し続ける行為だと考えると理解しやすいでしょう。

「掲出」が使われる具体的な場面

「掲出」という言葉が最も代表的に使われるのは、選挙運動のポスターに関する場面です。

候補者のポスターは、公職選挙法のルールに従って、あらかじめ決められた掲示板にしか掲出できません。

指定されていない場所にポスターを掲出すると、違反として撤去の対象になってしまうこともあります。

ルールの厳しさそのものが、「掲出」という言葉の持つ公的な響きを支えているのです。

もっと身近な例では、飲食店や商業施設が営業時間や定休日のお知らせを店先に掲出するケースが挙げられます。

「本日は臨時休業いたします」といった手書きの張り紙も、広い意味では掲出の一種です。

道路に立つ交通標識や、駅の改札付近にある運行情報の案内板も、通行人や利用者に向けて掲出されている情報のひとつです。

信号機の近くに立つ「工事中」の看板なども、同じ仲間に入ります。

お祭りやスポーツ大会などのイベント会場では、会場を盛り上げるための旗や横断幕を掲出することもよくあります。

遠くからでも見える大きな掲出物は、来場者の目を引く演出としても効果的です。

「掲出」の類語・言い換え表現

「掲出」に近い言葉としては、「表示する」や「提示する」が挙げられます。

「表示する」は情報を目に見える形で示すという意味を持ち、「掲出」よりもずっと幅広い場面で使える便利な言葉です。

たとえば、値札の金額や注意を促すアイコンのように小さなものを示す場合には、「表示する」の方が自然に聞こえます。

反対に、大きな看板やポスターのような掲示物には、「掲出」の方がしっくりきます。

「提示する」は、身分証明書や資料などを相手に直接見せるというニュアンスが強い言葉です。

壁や掲示板にあらかじめ貼り出しておく「掲出」とは、見せる相手や方法の点で少し性質が異なります。

もっとも意味が近いのは「掲示する」ですが、両者にはわずかなニュアンスの違いがあります。

「掲出」はその中でも、やや事務的でかしこまった響きを持つ言い換え表現だといえます。

日常会話やカジュアルな案内文では「掲示する」を選び、規則文書や公的な案内文では「掲出する」を選ぶと、場面に合った自然な表現になります。

迷ったときは、より硬い印象を持つ「掲出」を選んでおくと失敗しにくいでしょう。

「掲出」の対義語

「掲出」の対義語としては、「撤去する」や「取り下げる」といった言葉が挙げられます。

「撤去する」は、それまで掲出していたポスターや看板そのものを取り外す行為を指す言葉です。

「取り下げる」は、提出した申請書類などを引っ込める場面でよく使われる言葉ですが、貼り出していた掲示物をそっと外す場合にも使うことができます。

反対の意味を持つ言葉を知ることで、「掲出」が「一定期間、人目に触れる状態にしておくこと」を表す言葉だと、より実感できるのではないでしょうか。

掲出と撤去は、いわばセットになって初めて意味を持つ言葉同士です。

選挙ポスターや店舗の告知なども、掲出の期間が終わればすみやかに撤去することがマナーとされています。

掲出期間があらかじめ決められているケースも少なくありません。

掲出したままいつまでも放置してしまうと、情報が古くなったり、街の景観を損ねたりする原因にもなりかねません。

実務では、いつ掲出していつ撤去するかという期間の管理も大切な仕事のひとつです。

「掲出」のまとめ

まとめ
  • 「掲出」は「けいしゅつ」と読み、人目につく場所に情報を示すことを意味します。
  • 選挙ポスターや店舗の案内、企業の規則など、公的・業務的な場面でよく使われます。
  • 類語には「表示する」「提示する」があり、対義語には「撤去する」「取り下げる」があります。
  • 硬く事務的な響きを持つ言葉なので、日常会話よりも案内文や書類で使うと自然です。

ここまで「掲出」の意味や例文、使われる場面について振り返ってきました。

読み方は「けいしゅつ」の一つだけですので、迷わずそのまま覚えてしまいましょう。

「掲」と「出」という漢字が示す通り、「掲出」は人目につくように外へ向けて示す行為を表す言葉です。

選挙のポスターから店舗の案内、社内の規則まで、思っている以上に幅広い場面で使われています。

正しい意味と使い方を理解して、案内文や書類の中で自信を持って使いこなせるようになりましょう。