「既読」の読み方は「きどく」で合っている?
「既読」は「きどく」と読みます。
「既」は音読みで「き」、「読」も音読みで「どく」と読むため、既読は音読みどうしが組み合わさってできた言葉です。
「既」という漢字には「既に(すでに)」という訓読みもあるので、日常ではそちらのイメージのほうが強く残っている方も多いかもしれません。
そのため「既読」を見た瞬間につい「きとく」と読んでしまう方が意外と少なくないようです。
「きとく」という読み方自体は「危篤」という別の言葉の音読みなので、既読とは意味も読み方も全く異なるものとして区別しておきましょう。
対になる言葉の「未読」も「みどく」という音読みで構成されているため、既読と未読をセットで覚えておくと読み間違いをぐっと減らせます。
同じ「既」という漢字を使った言葉には「既存(きぞん)」や「既出(きしゅつ)」などがあり、いずれも音読みの「き」で読まれています。
こうした言葉と並べて覚えておくと、「既」が音読みで使われる場面の多さに自然と気づきやすくなります。
読み方に不安がある場合は、実際に声に出して「きどく」と発音してみると、「きとく」との音の違いを体感として覚えられます。
ビジネスメールや会議の場で誤った読み方をしてしまうと、思いがけない誤解を招くこともあるため、日頃から正しい読み方を意識しておくと安心です。
「既読」の意味とは?基本をおさらい
「既読」とは、文字どおり「すでに読んだこと」を意味する言葉です。
LINEなどのメッセージアプリでは、相手が送った内容を読んだことを示す印として「既読」という表示が使われています。
トーク画面を開いてメッセージの内容を一度でも表示させると、そのメッセージには自動的に「既読」のサインが付く仕組みです。
もともと「既読」は紙の書類や回覧文書で使われていた言葉で、担当者が目を通したことを示すために署名やチェック印の近くに記されていました。
職場で回覧板や連絡文書に「既読」の欄が設けられているのを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
つまり「既読」は「もう読みましたよ」という事実を相手に伝えるための、シンプルで便利な合図なのです。
現在ではLINEだけでなく、InstagramのダイレクトメッセージやFacebook Messengerなど、さまざまなメッセージアプリで似た仕組みの既読表示が採用されており、「既読」という概念はメッセージアプリ全般に共通する基本機能のひとつになっています。
紙の時代には担当者がひとつひとつ押印や署名をして確認作業を示していましたが、デジタル化によってその手間が自動化され、誰がいつ読んだのかをリアルタイムで把握できるようになりました。
地味な確認作業だった「既読」が、コミュニケーションの速度を大きく変える仕組みへと進化したのです。
「既読」という言葉の由来・成り立ちとは?
「既読」は「既に」と「読む」という、どちらも読んで字のごとくの意味を持つ漢字を組み合わせた言葉です。
「既」はすでに起こったことを示す漢字で、「読」はそのまま読むことを表すため、二文字を合わせると「すでに読んだ」という意味がそのまま成り立ちます。
この言葉自体は決して新しいものではなく、LINEが登場する以前から、職場の回覧文書や公的な通知の確認欄などで使われていました。
書類に「既読」と書いたり印を押したりすることで、担当者が内容を確認済みであることを後から見返してもわかるようにしていたのです。
そんな地味な業務用語だった「既読」が一気に広まったきっかけが、2011年にサービスを開始したLINEの既読表示機能だと言われています。
メッセージを読むと自動的に「既読」の文字が表示される仕組みが話題を呼び、今では日常会話でも当たり前に使われる言葉として定着しました。
LINEの既読表示機能が広く評価された背景には、2011年3月に起きた東日本大震災がきっかけのひとつとしてあると言われています。
災害時には電話回線がつながりにくくなる一方で、相手がメッセージを確認したことがひと目でわかる既読表示は、安否確認の手段として大きな役割を果たしました。
LINEにおける「既読」表示の仕組みとは?
LINEの既読表示は、相手が送られてきたメッセージを含むトーク画面を開いた瞬間に付く仕組みになっています。
実際に文章を最後まで読んだかどうかは関係なく、トーク画面を表示させるだけで既読は付いてしまいます。
通知をオフにしている場合でも、トーク画面を開けば既読は付くため、通知オフは既読回避の方法にはなりません。
一方で機内モードやWi-Fiを切った状態でメッセージを読むと、通信が行われないため既読が付かず、通信を再開したタイミングで既読が付くことがあります。
グループトークでは一人ひとりの既読を示す表示ではなく、「既読」の文字の横に読んだ人数が数字で表示される仕組みになっています。
そのため個人トークと違って、グループトークでは誰が読んだのかまでは表示上はわからない点も覚えておきましょう。
画面の上から通知を引き出して内容を確認する方法や、ロック画面に表示された通知のプレビューだけを読む方法でも、トーク画面そのものを開かない限り既読は付きません。
こうした方法は「既読をつけずに内容を知る」ちょっとした工夫として活用されています。
電波の届きにくい場所でメッセージを開いた場合、画面上では読めていても、実際には通信が完了するまで既読が反映されないことがあります。
あとから電波の良い場所に移動したタイミングで既読が付くケースもあるため、既読が付く瞬間が必ずしも「読んだ瞬間」と一致しないことも知っておくとよいでしょう。
「既読」と「未読」の違いとは?
「未読」は「既読」の対義語で、まだメッセージが読まれていない状態を指す言葉です。
既読はメッセージ内容を確認したことを示し、未読はまだ確認していないことを示すという、正反対の意味を持つ言葉です。
LINEには、通知画面やロック画面に表示される文章を読むことで、トーク画面を開かずに内容を確認できる方法もあると言われています。
こうした方法を使うと、実質的に内容を読んでいても既読は付かず、未読のままにしておくことができます。
既読が付くと「もう読んだんだな」と相手に安心感や次の反応への期待を与えやすい一方で、未読のままだと「まだ読んでいないのかな」という心配や不安を抱かせやすくなります。
既読と未読、どちらの状態であるかによって、相手に与える印象は大きく変わってくるのです。
LINEには、一度既読にしたメッセージを再び未読の状態に戻せる機能も用意されています。
「後でゆっくり読み返したい」「返信を忘れないようにしたい」といった目的で、あえて未読表示に戻しておく人も少なくなく、未読マークをちょっとしたタスクの目印のように活用している人もいるようです。
「既読スルー」「既読無視」に見る既読の派生語とは?
「既読スルー」とは、メッセージに既読が付いているにもかかわらず、返信がない状態を指す言葉です。
既読スルーという言葉には、忙しくて返信が後回しになっているだけという、悪意のないニュアンスも含まれています。
一方「既読無視」は、読んだうえでわざと返信をしない、という意図的な行動を指して使われることが多い言葉です。
既読スルーが「結果として返信していない状態」を表すのに対し、既読無視は「返信しないという選択」をより強く示すイメージで使い分けられています。
どちらも2010年代以降にSNSやメッセージアプリの普及とともに生まれたネットスラングで、特に若者言葉として広く使われるようになったと言われています。
今では世代を問わず使われる言葉になりましたが、もとはLINEなど既読表示のあるアプリ特有の状況から生まれた表現なのです。
恋愛関係では、好きな相手からの既読スルーが特に気になりやすく、SNS上でも「既読スルーされてしまった」という投稿が共感を集めやすい話題のひとつになっています。
一方で仕事上の連絡で既読スルーが続くと信頼関係に影響することもあり、プライベートとビジネスとでは既読スルーの受け止め方の重みが異なる点にも注意が必要です。
「既読」を使った例文集
- 【例文1】さっき送ったメッセージが、いつの間にか既読になっていました
- 【例文2】LINEの画面に既読の文字が表示されたのを見て、少し安心しました
- 【例文3】ご確認いただきたく存じますが、お送りした資料はすでに既読になっております
- 【例文4】上司からの業務連絡に既読をつけたまま、うっかり返信を忘れてしまいました
- 【例文5】彼からの返事がないまま、既読の表示だけが一晩ずっと続いていました
- 【例文6】既読をつけた直後に既読スルーだと責められて、少し困ってしまいました
日常のやりとりでは、既読という言葉がメッセージを読んだかどうかを確認する表現として、ごく自然に使われています。
友人や家族とのLINEのやりとりの中で、特に意識せずに使っている人も多い言葉です。
ビジネスの例文のように、既読という言葉を使うことで、相手に確認や対応をそっと促すニュアンスが生まれます。
社内チャットやグループで連絡事項を伝える文面でも、よく見かける言い回しです。
SNSやネットスラング的な使い方になると、既読という言葉自体が相手への感情や関係性のあり方を映す言葉として広がっています。
恋愛関係や友人同士のやりとりでは、既読の有無がちょっとした話題になることも珍しくありません。
ビジネスの場でも、グループチャットで返信が必要な連絡事項には「ご確認いただけましたら既読だけでもお願いいたします」のような一文を添えることで、相手に負担をかけずに対応状況を把握できるよう工夫されることもあります。
ビジネスシーンにおける「既読」の使い方とは?
ビジネスチャットツールでは、既読の表示がメッセージを読んだことを確認する手段として、日々の業務の中で重宝されています。
送った相手が内容を把握したかどうかが一目でわかるのは、忙しい業務の中でとても助かる機能です。
チャットで既読がつくことは、相手に用件がしっかり伝わったという安心材料になります。
特に急ぎの連絡であればあるほど、既読表示がついたときのありがたさを実感する場面が多いです。
一方でメールには既読機能がないため、相手が読んだかどうかを知るには、別途返信を待つしかありません。
そのためメールでの連絡は、確認までにどうしても時間差が生じやすいという特徴があります。
重要な連絡をメールで送ったときには、確認した旨を一言返すのが丁寧なマナーとされています。
「拝読いたしました」と一文添えるだけでも、相手に安心感を与えることができます。
既読をつけたまま返信がない状態が続くと、相手は対応を後回しにされたと感じやすくなります。
すぐに詳しい返事ができなくても、ひとこと返すだけで印象はぐっと良くなります。
「既読」がつくときの心理・つかないときの心理とは?
メッセージを受け取っても、すぐに既読をつけたくないと感じる人は決して少なくありません。
既読をつけた途端に返信を期待されるような気がしてしまい、身構えてしまうのです。
既読をつけた瞬間にすぐ返事をしなければという気持ちになるため、あえて開かずにおく人もいます。
通知画面に表示された内容だけを確認し、既読をつけずに済ませる工夫をしている人も見られます。
反対に既読がすぐつく人は、気になる相手やすぐに対応したい用件に対して、素早く反応している傾向があります。
好きな人からの連絡ほど、既読が早くつきやすいとも言われています。
既読がつかない時間が長いと、送った側は読まれていないのか無視されているのか、不安になりやすいです。
何も悪いことをしていないはずなのに、気をもんでしまう人も少なくありません。
こうした心理の違いは、相手との関係性やその日の気分によっても、大きく変わってくるものです。
既読がつくタイミングひとつが、相手の状況を想像する材料になることもあります。
「既読」にまつわるマナー・注意点とは?
既読をつけたのに返信が遅れそうなときは、一言だけでも「後で返します」と伝えると、相手を安心させることができます。
既読のまま長時間放置してしまうと、相手が余計な心配をしてしまうこともあります。
既読のまま返信がなくても、相手にはそれぞれの事情があると考えると、気持ちがぐっと楽になります。
忙しさや状況は人それぞれなので、必要以上に深読みしすぎないことが大切です。
既読をスルーされた側も、必要以上に気にしすぎないことが、良好な関係を保つためのマナーのひとつと言えます。
すぐに返事がなくても、相手を責めるような言葉を送らない心がけが求められます。
既読をつけたあとに言葉がすぐ思いつかない場合は、スタンプや絵文字だけでも一言返すことで、ひとまず「気にかけている」という気持ちを伝えることができます。
文章を考える時間がないときほど、こうした小さなリアクションが相手を安心させる助けになります。
他のSNSとの違い
InstagramやFacebookのメッセージ機能にも、既読に似た表示が用意されていますが、仕組みや見え方はアプリごとに少しずつ異なります。
LINEの既読表示ほど厳密に相手の既読状況が伝わらないSNSもあるため、アプリごとの違いを知っておくと安心です。
設定次第で既読表示そのものを非表示にできるサービスもあります。
たとえばInstagramのダイレクトメッセージでは、「既読」という文字表示の代わりに相手のアイコンが小さく表示されることで読んだことが伝わる仕組みになっており、LINEとは見た目の表現方法が異なります。
サービスごとに仕様が違うからこそ、普段使っているアプリの既読表示の特徴を把握しておくと、相手との行き違いを防ぎやすくなります。
「既読」のまとめ
- 「既読」は「きどく」と読みます。
- 「既読」はメッセージなどを読んだことを示す言葉です。
- LINEの既読表示をきっかけに日常語として広まりました。
- 既読をめぐるやりとりには思いやりのあるマナーが大切です。
ここまで「既読」という言葉について、読み方や意味、由来からマナーまで、さまざまな角度から振り返ってきました。
普段何気なく使っている言葉にも、知っておくと役立つ背景がたくさんあることがわかります。
既読は便利な機能である一方で、使う人同士の心づかいがあってこそ気持ちよく活用できる言葉です。
表示そのものに振り回されるのではなく、相手を思いやる気持ちを大切にしたいところです。
今後もチャットツールがますます広がっていくにつれて、既読という言葉はさらに多くの場面で使われていくと考えられます。
これからも「既読」という言葉と、上手に付き合っていきたいものです。