言葉の意味

「とり越し苦労」とは?意味や例文や読み方や由来について解説!

「とり越し苦労」という言葉の意味を解説!

「とり越し苦労」とは、事前に心配や悩みをしていたことが実際には起こらず、心配や悩みが無駄だったことを指す言葉です。つまり、取り越し苦労とは、実際には問題がなかったということです。

心配性な人や不安が多い人がよく使う表現であり、事前に具体的な根拠もなく不安を抱えがちな人にとっては、身に覚えのある言葉かもしれません。例えば、「試験が不安で眠れなかったけど、結果は問題なく合格だった。とり越し苦労だった」といった具体的な例も考えられます。

この言葉は、自分の心の中で煮詰まってしまったマイナスな思考や不安を軽減するためにも利用されます。もちろん、心配や悩みを無視するというわけではなく、事前の準備や対策を講じることは大切ですが、過剰な心配は逆にストレスを増やし、実際の問題解決には役立ちません。

「とり越し苦労」という言葉からは、事前の心配や悩みが実際には無駄だったという教訓を学び、未来における過度な心配を避けることが大切だというメッセージが込められています。

「とり越し苦労」の読み方はなんと読む?

「とり越し苦労」は、読み方は「とりこし くろう」となります。

丁寧な日本語の発音となりますので、念のため読み方がわからない場合は辞書などで確認することをおすすめします。

「とり越し苦労」という言葉の使い方や例文を解説!

「とり越し苦労」という言葉は、心配や悩みが実際には無駄だったという状況を表現する際に使われます。この言葉は、心配したことが実際には起こらなかったことを示すためにも利用されます。

例えば、仕事でプレゼンテーションをする前に緊張して不眠に悩んだけど、実際には成功して賞賛された場合、「あの時の不眠はとり越し苦労だった」と言えます。

また、旅行前にホテルの予約がうまくいかず不安になったけど、実際には現地で予約をすることができた場合も、「あのときの不安はとり越し苦労だった」と表現できます。

「とり越し苦労」という言葉は、実際には問題がなかったことを理解するために使用される表現であり、事前の心配や悩みが無駄だったことに気付かせてくれる言葉です。

「とり越し苦労」という言葉の成り立ちや由来について解説

「とり越し苦労」という言葉は、江戸時代に生まれたと言われています。その当時は、漁師が船を「取り越す」という作業をする様子が「とり越し」と呼ばれていました。

「取り越す」とは、船を浜に引っ張り上げることや、物資を船から降ろすことを指します。この作業中に、波や潮の引きによって船が傷ついたり物資が濡れたりすることがあります。

しかし、実際には必要以上に心配することはありませんでした。このような経験から、「とり越し」は「心配する必要のないこと」を意味するようになりました。

「苦労」という言葉は、「困難やつらい経験」を表す語であり、一方で「とり越し」は「無駄な心配」という意味です。これらの言葉が組み合わさって、「とり越し苦労」という言葉が生まれたと考えられています。

「とり越し苦労」という言葉の歴史

「とり越し苦労」という言葉の歴史は、江戸時代にまでさかのぼることができます。

江戸時代は、人々の生活において異変や困難が日常茶飯事であり、不安になることも多かった時代でした。そのため、「とり越し苦労」という言葉が生まれ、人々の間で口にされるようになりました。

当時の人々は、心配や悩みを抱えている状況が実際には問題ないことが多かったため、この言葉を使って自分たちを励まし、現実を客観的に受け止めるようになりました。

現代でも、「とり越し苦労」という言葉は一般的に使用され、心配や不安を軽減するために利用されています。

「とり越し苦労」という言葉についてまとめ

「とり越し苦労」という言葉は、心配や悩みが実際には問題なかったことを表現する際に使われる言葉です。自分自身の過度な心配を抑え、現実を客観的に受け止めるためにも利用されます。

この言葉の原意は、江戸時代に生まれたと言われており、漁師の「取り越す」作業から派生したと考えられています。

異常なくらいに心配や悩みを抱えてしまった場合には、この言葉を思い出して自分をリセットすることで、冷静な判断を下すことができるかもしれません。人生において、「とり越し苦労」が起きた場合には、その経験を生かして、以後の不必要な心配を避けるように心がけましょう。