「授与」とは?意味や例文や読み方や由来について解説!

「授与」の読み方は「じゅよ」で合ってる?

「授与」は「じゅよ」と読みます。

卒業式の次第やプログラムに漢字だけで書かれていることも多いのですが、卒業証書や表彰状を手渡す式典のアナウンスや、勲章の授与式を伝えるニュースなどでは、必ずこの「じゅよ」という読み方が使われています。

「じゅうよ」のように「じゅ」の部分を間延びさせて発音してしまうのは、実はとてもよくある間違いです。

「重要(じゅうよう)」など「じゅう」から始まる言葉のイメージにつられてしまい、つい伸ばして読んでしまう方が多いのではないかと考えられています。

「授」も「与」もどちらも音読みの漢字であり、この2文字をそのまま音読みでつなげて発音したものが「じゅよ」という読み方になります。

訓読みのように送り仮名がつくこともなく、2文字の間に余分な音や読点が入ることもない、シンプルな音の並びです。

実は「授」には「さずける・さずかる」、「与」には「あたえる」という、それぞれ単独で使うときの訓読みも存在します。

ニュースよりも日常会話でこれらの訓読みに触れる機会のほうが多いため、漢字の見た目から無意識に訓読みを連想してしまう方も少なくありません。

ですが「授与」という2文字の熟語として結びついた瞬間、読み方は訓読みから完全に切り離され、必ず音読みの「じゅよ」に統一されます。

卒業式や表彰式といった公式な場で恥をかかないためにも、「授与」はひとまとまりの音としてセットで覚えておくのが確実な近道です。

「授与」の意味とは

「授与」とは、権威や上位の立場にある人・組織が、公式な形で相手に物や称号などを与えることを意味する言葉です。

単に手渡すだけでなく、そこに一定の格式や手続きが伴う点が大きな特徴だと言えます。

ただ物を渡すだけの「与える」と違い、「授与」には儀礼にふさわしい特別な重みや厳かな雰囲気が込められています。

友人にお菓子を「与える」とは言っても「授与する」とは言わないように、この違いが言葉の本質を物語っています。

「授与」が使われる場面では、渡す側が学校長や国、自治体、団体の代表など、何らかの権威や公的な立場を持っていることがほとんどです。

逆に言えば、権威を持たない個人同士のやり取りに「授与」という言葉を使うことは基本的にありません。

一方で受け取る側も、学業やスポーツ、社会的な功績など、その分野でこつこつ積み重ねてきた努力や成果が正式に認められた人であることが多いのが特徴です。

「授与」という言葉の背景には、渡す側と受け取る側、双方への敬意が込められていると考えられます。

「授与」という言葉を使うだけで、その物や称号が単なる品物ではなく、名誉や誇りを伴う特別な意味を持つものだと相手に伝わるようになります。

ただし、特別な事情もない日常的な場面で使ってしまうと、必要以上にものものしい印象を与えてしまうこともあるので、使いどころには注意が必要です。

「授与」の由来・語源を漢字から読み解く

「授与」は、「授」と「与」という、どちらも人に何かを渡し与えるという意味を持つ漢字が組み合わさってできた熟語です。

似たような意味を持つ漢字を2つ重ねることで、単独で使うよりも意味を強め、より格式高い印象を持たせているのがこの熟語の特徴だと言えます。

「授」という字には、手からもう一方の手へ大切なものを託すというイメージが込められており、「与」には相手のために何かを差し出すという意味合いがあります。

この2つの漢字が並ぶことで、単に「渡す」という動作以上に、価値あるものを正式な手続きを経て手渡すというニュアンスが自然と生まれてきます。

日本語には、このように似た意味の漢字を組み合わせて1つの熟語を作る構成のしかたが数多く存在し、「授与」もそうした熟語の代表例のひとつだと考えられています。

同じ意味を持つ言葉を重ねることで、読み手や聞き手に対して丁寧で改まった印象を与える効果があります。

もともと「授与」は、位や官職を与える公文書や、神仏に関わる厳かな儀式の場で使われてきた言葉だと言われています。

そうした歴史的な背景があるからこそ、現代でも学位記や表彰状を手渡す場面にふさわしい、格式のある言葉として受け継がれているのでしょう。

このような歴史を知ると、「授与」という言葉を耳にしたときに感じる、どこか厳かで特別な響きにも納得がいくのではないでしょうか。

「授与」の使い方と基本の文型

「授与」の基本の文型は「〜を授与する」で、賞状や記念品など授与する対象を「を」で示すのがもっともシンプルな使い方です。

誰か特定の相手を示さず、授与という行為そのものを説明したいときによく使われます。

さらに誰に渡すのかをはっきりさせたいときは、「〜に…を授与する」という形にして、「に」の部分に受け取る人や団体を入れるのが基本の型です。

この語順を覚えておくだけで、フォーマルな文章でも迷わず「授与」を使いこなせるようになります。

「授与」の対象となるのは、証書や賞状、勲章、メダル、トロフィーなど、目に見える形のあるものが中心である点も覚えておきたいポイントです。

感謝の気持ちや称号のように本来は形のないものであっても、証書や盾といった目に見える形にして手渡すのが一般的です。

「授与」は改まった書き言葉であり、友人同士の雑談のような日常の話し言葉として使うことはまずありません。

式典の案内文や公式なニュース原稿、賞状の文面など、あらたまった文章の中で使うのがふさわしい言葉だと覚えておきましょう。

「授与」とセットでよく使われる名詞には「称号」「学位」「勲章」「褒章」「賞状」などがあり、これらの言葉と組み合わせて覚えておくと、実際の文章でも自然に使えるようになります。

逆に、日用品や食べ物など軽い品物と一緒に使うと不自然に響いてしまうため、対象選びにも注意が必要です。

「授与」を使った例文

  • 【例文1】卒業式で校長先生から一人ひとりに卒業証書が授与された
  • 【例文2】この春、彼女は大学から名誉博士の称号を授与されることになった
  • 【例文3】表彰式で優秀選手にトロフィーが授与された
  • 【例文4】長年の功績が認められ、彼に勲章が授与された
  • 【例文5】大会新記録を出した選手に金メダルが授与されました

これらの例文からもわかるように、「授与」は卒業式や表彰式、叙勲など、あらたまった儀式の場面で数多く使われる言葉です。

学位記や卒業証書のように学業に関わる例文もあれば、勲章やメダルのように功績をたたえる例文もあり、使われる領域の広さがうかがえます。

例文の多くが「授与された」「授与されました」のように受け身の形になっている点にも注目してみましょう。

栄誉を受け取る側を主語にして語るときには、「授与する」よりも「授与される」という受け身の形のほうが自然に使われる場面が多くなります。

反対に、渡す側を主語にして能動の形で表現することもできますが、授与という行為では受け取る人の栄誉に焦点が当たることが多いため、受け身の形のほうが選ばれやすい傾向にあります。

「栄えある」「名誉ある」といった言葉が「授与される」の前に添えられることも多く、証書やメダルのような特別な意味を持つものを正式に手渡す場面をイメージしながら使うと、自然に使いこなせるようになります。

「授与」が使われる代表的な場面(卒業式・表彰式など)

「授与」が使われる場面としてまず思い浮かぶのは、卒業式で行われる卒業証書授与ではないでしょうか。

校長先生が一人ひとりの名前を呼び、卒業証書を手渡していく卒業証書授与は、数ある卒業式のプログラムの中でも中心となる、欠かせない儀式のひとつです。

学校の卒業式以外にも、表彰式や叙勲、褒章といった場面で「授与」は非常によく使われる言葉です。

国や自治体、企業などが功績のあった人をたたえる際、勲章や褒章、記念品を手渡す儀式そのものを指して「授与式」と呼ぶことも少なくありません。

スポーツの大会でも、優勝者や好記録を残した選手にメダルやトロフィーを授与する場面は、テレビ中継などでもおなじみの光景です。

表彰台の上でメダルを授与される瞬間は、選手にとっても大会の努力が報われる象徴的な場面だと言えるでしょう。

このように「授与」は、学業・社会的な功績・スポーツといった幅広い分野で、努力や成果をたたえる場面に共通して登場する言葉です。

分野は違っても、これまでの頑張りを公式な形で認め、称えるという共通点が、それぞれの授与の場面には流れています。

卒業証書授与や表彰式など、いずれの場面にも共通しているのは、大勢の人の前で名前を呼ばれ、公式に成果を認められるという特別感です。

地域の小さな大会や催しの表彰式であっても、「授与」という言葉を使うだけで、その場に一段とあらたまった空気が生まれます。


各章とも規定タグ(h2/p/span.marker/strong/ul/li)のみ、読みは「じゅよ」で統一、例文は第5章のみに配置しています。第2部(神社仏閣・類語比較・授与式・英語・まとめ)は本稿と内容が重複しないよう、お守り等の宗教的な文脈や類語(贈与・付与)の意味比較には触れていません。

神社やお寺での「授与」の意味(お守り・お札)

神社やお寺でお守りやお札をいただくとき、それは「購入」ではなく「授与」と表現されます。

なぜ「販売」とは言わないのでしょうか。

お守りやお札には神様や仏様の御加護が宿るとされ、単なる商品として売り買いするものではないと考えられているからです。

参拝者は神仏の力の一部を分けていただく、という意味合いが「授与」という言葉には込められています。

お守りやお札のことを、神社仏閣では正式に「授与品」と呼びます。

授与品を受け取る窓口は「授与所」です。

本殿やご本堂のそばに設けられていることが多く、参拝の最後に立ち寄る方も多いのではないでしょうか。

お守りには交通安全や学業成就、縁結びなど、さまざまな種類があります。

参拝者は自分の願いに合ったお守りを選び、それを授与していただくという形になります。

授与品と引き換えに納めるお金にも独特の呼び方があります。

神社では「初穂料」、お寺では「志納料」と呼ばれるのが一般的です。

これらは神仏への感謝の気持ちを表すものであり、商品代金という意味ではありません。

だからこそ授与所には「価格」ではなく「初穂料」といった表示がされているのです。

お守りには「一年間持ち歩いたら感謝を込めてお返しする」といった習わしもあります。

これも、授与品が単なるモノではなく神仏とのご縁を結ぶものだからこそ生まれた考え方と言えるでしょう。

お札は神棚に、お守りは身につけたりカバンに入れたりして、大切に扱うのが基本です。

神社やお寺の方と話すときも、「買う」ではなく「いただく」「授与していただく」という言葉を使うと、より丁寧な印象になります。

「授与」と似た言葉との違い(贈与・付与・授受)

「授与」と似た言葉に「贈与」「付与」「授受」があります。

それぞれ意味の重なる部分もありますが、使う場面には違いがあります。

まず「贈与」は、個人から個人へ品物やお金を無償で贈ることを指します。

「贈与」は主に個人間のやり取りに使われ、贈与税など税制上の言葉としてもよく登場する点が「授与」との大きな違いです。

誕生日にプレゼントを贈るような場面では「授与」ではなく「贈与」が使われます。

次に「付与」は、権利や資格、称号などの抽象的なものを与えるときに使う言葉です。

「有給休暇を付与する」「ポイントを付与する」のように、形のないものに対して使われます。

一方「授与」は、賞状や勲章のように具体的な品物を、儀式的な形で目上の人から目下の人へ手渡すニュアンスが強い言葉です。

「今年から有給休暇が10日付与された」「感謝状が授与された」のように並べてみると、違いがより実感しやすくなります。

最後に「授受」は、渡す側と受け取る側の両方の動作をまとめて表す言葉です。

「授与」が与える側からの一方向の動作であるのに対し、「授受」は「やり取りそのもの」を表す点が異なります。

「金銭の授受」「書類の授受」のように、双方向の受け渡し全体を指すときに使われます。

混同しやすい言葉ですが、対象がモノか権利か、そして一方向か双方向かを意識すると使い分けやすくなります。

「授与式」とは?「授与」との関係

「授与式」とは、賞状や証書、記念品などを正式に授与する儀式そのものを指す言葉です。

「授与」に、儀式や式典を意味する「式」が組み合わさってできた複合語になります。

「授与式」は、授与という行為を中心に据えたセレモニーであり、卒業式や表彰式の中の一場面として行われることも多いです。

たとえば卒業式では、式全体の中に「卒業証書授与式」と呼ばれる授与式が組み込まれています。

スポーツ大会の表彰式でも、メダルやトロフィーを渡す場面はしばしば「授与式」と呼ばれます。

授与に関わる人を表す言葉として、「授与者」と「被授与者」があります。

授与者は、賞状や称号などを与える側の人や団体を指します。

被授与者は、それを受け取る側の人を指す言葉です。

大学の学位記授与式であれば、学長が授与者、卒業生が被授与者にあたります。

「卒業式」や「表彰式」がその日全体の行事名であるのに対し、「授与式」は授与そのものにスポットを当てた呼び方だと考えると分かりやすいです。

そのため独立した行事として「〇〇賞授与式」のように、授与式単体で開催されることも少なくありません。

厳かな雰囲気の中で執り行われることが多く、案内状にも丁寧な言葉遣いが求められます。

授与式で賞状を受け取るときは、両手でしっかりと受け取り、一礼するのがマナーとされています。

被授与者としてふるまう機会は人生の中でそう多くはないからこそ、事前に流れを確認しておくと安心です。

英語で「授与」をどう表現する?

「授与」に対応する英語には、confer、award、bestow、grant などいくつかの候補があります。

状況によって使い分けが必要なので、それぞれのニュアンスを見ていきましょう。

学位や称号などフォーマルな場面で「授与する」と言いたいときは、confer が最も定番の単語です。

「confer a degree on 〜」のように、「confer + 授与するもの + on + 授与される人」という形でよく使われます。

「award」は、賞やメダル、賞金など、功績に対するご褒美を授与する場面で使われる単語です。

「award a prize to 〜」のように表現します。

「bestow」は、名誉や称号などを、格式高く重々しい響きとともに授ける場合に使われます。

「grant」は、許可や権利、奨学金などを授与するときによく使われる単語です。

「付与」に近いニュアンスを持つ単語だと考えると理解しやすいでしょう。

卒業証書や学位記を授与する場合は「confer a diploma on the graduates」のような言い回しが定番です。

もう少しカジュアルな場面であれば「present」も「授与する・贈呈する」に近い意味で使われます。

ただし単なる「give」だけでは、授与が持つ儀式的で丁寧なニュアンスまでは伝わりにくいので注意が必要です。

「授与される」側を主語にしたいときは、「be awarded」や「be conferred with」という受け身の形もよく使われます。

たとえば「彼は名誉学位を授与された」は「He was awarded an honorary degree」のように表現できます。

英作文をする際は、授与する対象が「モノ」なのか「権利・称号」なのかを意識して単語を選ぶのがコツです。

「授与」のまとめ

まとめ
  • 「授与」の読み方は「じゅよ」です。
  • 目上の人や組織が、賞状や称号などを正式な形で相手に与えることを意味します。
  • 「贈与」「付与」「授受」など似た言葉と違い、儀式的で公的なニュアンスを持つ言葉です。
  • 英語ではconfer、award、bestow、grantなど、場面に応じて訳し分けます。

ここまで「授与」の読み方や意味、由来、使い方、そして似た言葉との違いまで、幅広く見てきました。

「授与」は、単に何かを「渡す」のではなく、正式な形や敬意を込めて相手に与えるときに使う言葉だという点をおさえておきましょう。

卒業式や表彰式、神社仏閣でのお守りなど、日常のさまざまな場面でこの言葉に出会います。

読み方や意味を正しく理解したうえで、案内状やスピーチなどでも自信を持って使ってみてください。